成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2012.03.23
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カテゴリ: 高速ツアーバス
本日、「バス事業のあり方検討会」最終回が無事に終了した。一昨年12月に初回を開催して以来、1年3ヶ月。一時はどうなることかと思うほど議論が荒れたこともあったが、最後の数回は驚くほど平穏で、本日も「最終報告書」の文案について粛々と議論が進んだ。座長の竹内先生をはじめ、事務局を担われた国土交通省自動車局旅客課の皆様も、いろいろ気疲れもあっただろうが、最後はあるべき姿へよく導いてくださったと思う。深く感謝。

最終報告書については、これから細かい修正などを経て4月上旬をめどに発表されるだろうから(ちなみに、パブリックコメントの募集も最終報告書発表と同時になる見込みとのこと。予定から数か月遅れている。制度改正を前提に新年度の事業計画を立てておられる数社にとっては施行日が気になるところだが、運賃制度は5月ごろ、管理受委託は夏ごろではないだろうか)、報告書の内容についてここでは詳しく書けない。ただ、細かい点を除けば、おおむね本ブログや専門紙等で伝えられてきたほぼその通りの内容である。

思えば、今からちょうど6年前の4月1日に、私はホテルから楽天に転職した。今の私からは想像できないだろうが、その時点では私はガチガチの「アンチ・ツアーバス論者」だった。それでも、まずは高速ツアーバスをサイト上で取扱うと発表したばかりの楽天に転職を決めたのは、ぼんやりとだが、頭の中に一つの絵が浮かび上がってきていたからだ。

そのさらに5年前、私はホテルの担当者として、楽天トラベルの前身である「旅の窓口」をはじめとしたウェブ宿泊予約と、RM(レベニューマネジメント)に出会った。実は仕事をがんばり過ぎたのか、もともと線の細かった私は、体調を崩して2年間も会社を休ませてもらっていた。なんとか復帰した先が、ウェブ予約やRMの部署だった。部署と言ってもその時点ではまだ正式な組織ではない。宿泊予約の管理職の方が片手間にやっていただけだったのが、それらが急速に成長し手に負えなくなり、<とりあえずアルバイトでいいから補佐役を>と要望を出していたらしく、私はその「アルバイトの代わり」だったのだ。

最初は上司の指示通りに在庫出し入れ(全客室中何部屋を自社サイト、何部屋を楽天や一休、じゃらんで売るかの登録作業)などを無感情にやるだけだったが、ある程度まで判断も任せてもらえるようになったところ楽しくて仕方なくなり、気が付いたら数字もどんどん上がって、<数字を上げてくれるヤツ>という評価を社内でいただけるようになった。

そんな中、趣味の分野で付き合い続けていた高速バスに、このウェブ予約やRMをなんとか導入できないかと思い始めた。部屋(席)を旅行会社に預けっぱなしにするのではなく、ホテル(バス事業者)の側でどの販路で売りたいかを能動的にコントロールする。手数料率や販売力、予測稼働率を見比べながら、売上が最大になりコストが最小になる組み合わせを自ら選んでいく。それどころか予測稼働率や競合の価格を見て、価格さえリアルタイムに上下させる。サイト上の表現一つや、メールマガジンなど広告ツールの活用で、自ら積極的に潜在需要にアプローチする。そして、結果は常にリアルタイムで追いかけてくる。

<楽天、高速バス予約事業参入>という新聞記事を読んだとき、したがって、私の頭の中には、高速路線バス各社の予約センターのスタッフが、楽天トラベル等の管理画面に向かって運賃や在庫(販売可能席数)をリアルタイムにコントロールする図が、ごく自然に、ぼんやりと私の頭の中に広がった。過去データや受注状況から細かい分析を行ない、続行便の設定台数について精緻な検証をしている映像も思い浮かんだ。特に、学生時代のアルバイトで深くかかわった中央高速バス富士五湖線について、夏の繁忙日など車両と乗務員の不足で続行台数にキャップがかかっていたのを知っていたので、帝産やKMといった老舗貸切専業者の車両が京王や富士急行の続行として「西口」を出発するイメージが、まるで「ぼかし」の入ったテレビ映像のようにぼんやりと目の前に浮かび上がってきた。

もちろん、その時点では、それらは現実的な構図とは言えなかった。私自身はその時点で、<制度を変えてやろう>と考えていたわけではない。考えていたわけではないが、<いつかそうなっているのではないか? だとすれば、ぜひ実現したい>とは思った。

その後私は、いったんそのことは忘れた。目の前にある仕事として、「ヒヨコ」に過ぎなかった高速ツアーバス各社を営業的に成長させることをまずは考えた。次に、楽天自身の事業上のリスクを最小化するためにも、ツアー各社の永続的な成長のためにも、団体を作って業界を整序化することに努めた。そして「あり方検討会」の委員にご指名いただき、あるいは一委員としての枠を超えて新制度策定のお手伝いをさせていただく機会に恵まれた。あの時、6年前、ぼんやりとしていた映像が、いまピントが合って鮮明になろうとしている。



とはいえ、まだ制度という「ハコ」が出来たに過ぎない。高速ツアーバス各社がハードルを乗り越え乗合に移行し、また既存高速路線バス各社が新制度の柔軟さを活用し事業を成長させるには、まだもう少しの時間と努力が必要だ。そのための支援は惜しまないとともに、いつかどこかで、私自身の「いまの自画像」を、もう一度否定することが、高速バスの「次なる変革」を運んできてくれるのかも知れないと、いまそう感じている。





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Last updated  2012.03.23 16:37:37
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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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