成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2012.04.16
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カテゴリ: 高速路線バス
通常の「気ままに更新」に戻って第一回。前回ご紹介したように、<この際に大都市でも、事業者別ターミナル配置ではなく方面別とし、利用者にわかりやすいようバス停を再配分したらどうか?>との意見もある。もちろん、一つの立派な見識だ。私自身、アルバイトとして現場にいた頃は 強くそう考えていた 。

単なる「現場の美意識」というだけではない。「第2フェーズ」において地方部で高速バスの市場シェアが一気に高まった背景として、各地域における地元路線バス事業者の販売力とともに、高速バスの予約先や乗車場所が一元的に提供されていた、という点が挙げられよう。地方の人が高速バスに乗ろうと思えば、全ての便は「●●バスさん」の予約センターで予約でき、地元のバスセンターから乗車できるというわかりやすさ。若干の例外を除けば、全国どこでもそれは共通だった。それを東京や大阪でも、というのはプラスも大きいだろう。

だがプラス面だけかというとそうではない。仮に東名方面は渋谷(か東京駅)、中央道方面は新宿と合理的に発着枠を当てはめたとする。今よりはずっとわかりやすい。だが、よほどうまく公平に発着枠を配分し続ける仕組みを構築せねば、発着枠は既得権益化し、事業者同士が競い合う環境は消失し業界全体の活力が失われていく。雨後の筍のような新路線ラッシュを生んだ「第2フェーズ」が、すぐに安定期に移行してしまい、その間隙を高速ツアーバスにつかれることになった背景は、無競争状態が業界の活力を奪ったからである。

仮に渋谷ターミナルが東名方面を、新宿が中央道方面を一手に扱いつつ、その発着枠を既得権化させないためには、「くじ」「入札」などで定期的に発着枠を再配分する方法があるが、それだと定期的に事業者が商品を組みなおす必要があり、結局わかりづらさを誘引する。繰り返すが、私は上記アイデアをダメと言っているのではなく、制度というのは自由競争と公平性、安定性などあらゆる要素のバランスで決めるべきだと言っているのである。

その意味では、乗合バス事業において制度のキモはやはり「バス停の配分」に尽きるんだなあと、この文章を書きながら再度実感している。では、今回示された「新高速バス」制度はバランスよい競争を生むであろうか? ウィラーやオリオンら「移行組」にバス停設置の道が開けたことは事実で、それ自体は競争促進的に見える。だが、高速ツアーバス業態が事実上禁止される以上、広い意味での高速バス事業への新規参入は一気に困難になる。

仮に私が、<やっぱり自ら高速バス事業をしたい>と考えたとして(広く業界全社の黒子という立場が性に合っているので多分ないけど)、従来なら「成定ツアー株式会社」を作ればよかった。資金と商才さえあれば、貸切バス事業も併営したり、車両を運行会社に貸し与え独創性の高い商品を提供したりすることも可能だった。だが今後は「成定バス株式会社」を作らねばならない。それも、自力でバス停を確保した上で、だ。事実上かなり困難で、乱暴に言ってしまえば、高速バスの世界で競い合う顔ぶれは、今のメンバーに固定されたのだ。

その点では、「常に高速バス事業者間に競争環境を」という私の理念とは相いれない。実は「あり方検討会」の公式非公式の議論の中で、「高速ツアーバスを事実上禁止する」という結論に対し、(そのメリットは十分に理解した上で)当初は抵抗したのはそれが理由だ。高速ツアーバス連絡協議会事務局長(当時)の立場だけ言えば、何度も繰り返すように今回の新制度は高速ツアーバス各社にとってメリットが大きいから、素直に呑んでもよかった話。それに抵抗したのは、あくまでも個人的なこだわりの部分からである。

とはいえ、では無競争状態になるかというとそうではない。高速ツアーバス各社は、バス停と車内発券という「高速路線バス業態の強み」を手に、新しいフロンティアを求め地方路線、特に高速バス市場の「本丸」である多頻度昼行路線に進出を目指すことだろう。もちろん、すぐ「既存組」を打ち負かすのは困難だが、競争は少なくとも潜在的に激化する。



後者は、従来の発着権(ターミナルなど)に加え、複雑化するマーケティング手法を操るためのシステム改修やマーケティングのスキルで競い合うことになる。そして大手私鉄系、JR系など「既存組」事業者に加え、ウィラートラベルをはじめとした「移行組」も名乗りを上げる。「地方型」事業者は、比較的低い運行コストと、何よりも地元での顧客基盤を「持参金」に、何らかのフィーを支払う形で「ハブ型」事業者に我が身を預けることになる(それを拒絶することも選択肢だ。単独運行化。あるいは、マーケティングにスキルも意欲もないが「地方型」事業者に頭を下げてでも高速バスの運行だけは続けたい大都市の事業者は「お手軽な」パートナーだ)が、「ハブ型」事業者の「面倒見」がその対価に満たないなら、他の「ハブ型」事業者に乗り換えられてしまう。

逆に言えば、「地方型」事業者は、どの「ハブ型」事業者と、どんな条件でパートナーシップを結ぶかをよく考えないと、一方的に「貢ぐ」だけになってしまう。両者の提携は、常にお互いを高めあうような契約内容でなくてはならない。どちらか一方にだけ「おいしい」契約は、結果的には双方の活力を奪うというのは当然の話。「勝ちっぱなし」などあるはずもない。「地方型」事業者と「ハブ型」事業者との関係を「WIN-WIN」にどう導いていくかというのが、私にとって次なる興味、高速バス分野における新しい競争だと考えている。





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Last updated  2012.04.16 18:14:24
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バス停配分問題が鍵  
経済人@尾張藩 さん

これまでの「バス事業のあり方検討会報告書」の解説は大変興味深く読ませていただきました。

さて、今回の報告書で「今後、やっかいなことになりそうだな。」と感じたのは「バス停配分問題」です。
特に大都市のバスターミナルにおいては問題解決はかなり難しいのではないかと感じました。
例えば、新宿西口バスターミナルは現状でも相当手狭であり、定時運行に支障が出ている状況です。それに「移行組」を割り込ませれば、どこかに無理が出てくるわけで、その解決策として既存事業者の発着枠を取り上げるとなると、ひと悶着あってもおかしくないように感じます。

「高速バス停留所調整協議会」がどのようなメンバー構成で組織されるかわかりませんが、行程表に示されたように、平成24年度中に優先調整地区(=大都市駅ターミナル?)の調整を終了することは難しいと思います。

バスの発着時刻は、昼行便については朝・夕方、夜行便については早朝・深夜に集中するわけですから、「自由競争」の意味からも有限である発着枠を「入札」による選定とし、一定期間の使用を許可することがよいのではと思います。

すでにバス停配分の調整が始まっているかもしれませんが、引き続き目が離せませんね。 (2012.04.23 01:17:09)

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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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