市場へ行こう。小高い丘にも上ってみよう。

2008.10.12
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カテゴリ: 日常記
「私たちにはお金はないが、人一倍、家族を思う気持ちをもっている」

10数年前、務めていた会社の旅行でフィリピンのある島に。
夕方、宿泊先から繁華街まで、片道1時間。
往復の足に、ホテルがワゴン車を出してくれた。
繁華街やリゾート地を少し離れると、未舗装の道が多い。
道の片側には高木が生い茂り、粗末な家々が点在している。
商店の窓には鉄格子がある。

印象的だったのは、どの家の周りでも人々が円をつくり、
思い思いに座り込み、談笑している姿。

帰りの道のり、助手席に座ることになったので、
ドライバーに話しかけてみた。

「みんな、なにをしているの?」
「家族で話をしているだけ」
「毎日、こうしているの?」
「そう。家の中は暑いし、夜はすることもない。
(文明の機器などはない)だから夕食の後、外で涼みながら、
 みんなでたわいない話をしています」

「そう・・・」
「ぼくたちの大事な時間だよ。フィリピンの人たちは貧しいけど、
 家族をとても大切にしている」

「はい。子どもが3人います。ぼくの年齢でこっちではふつう」
(確か30前だった)

 (沈黙の後、彼から話しかけてきて)
「ぼくはホテルのドライバー以外にも、仕事を掛け持ちしています。

 一緒に過ごす時間はなによりのハッピー。
 家族のために働きたい。そう思えることが喜びです」

(少し間があり)
「フィリピンでは、家族の時間と幸福がつながっているけど、
 日本人はそうは見えません。お金はもっているけど・・・」

言われてしまったね。
すごい凹凸道を行く、その頭上には月が煌々と輝き、満天の星空。
押し黙ってウインドウ越しに夜空を見上げていた。

ある場所で車を停めたとき、彼がジュースをおごってくれた。
コップの中の氷が不安だったけど、思い切って飲み干した。
「サンキュー!」
彼の好意と笑顔が、旅土産となった。

飛行機を乗り継ぎ、マニラへ。
マニラ空港へ向かうバスの中から見えた大スラム街。
ああ、あれが・・・ 思わず息をのむ。


身近な誰かを、等身大でなにかを想う中に見つけるものは、
家族に限ったことではなく。
想う旅、という意味ではいい旅でした。

というより、いま、こんなことを思い出し、書きたいと
思っていることに意味があるのだろう。





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Last updated  2008.10.12 12:13:52
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