夢我夢中

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2013/10/07
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 なんでも小説になるのである。時計の構造を小説にした本のブックレビュで筒井康隆が言っていたと思うが、何でも小説になるのである。

 数学が小説になるのである。数学をテーマにした小説ではなく、数学の心を小説で表すことができるのだ。あの、我々をどこに導くのかハラハラドキドキしながら辿っていく代数や幾何の変貌が小説になっているのである。行き着いた先にある、声を失わせる美しい数学の風景が小説で表されるなんて、感動的じゃなかろうか。文学の奥深さにも触れることができる。

 ブルーバックスの『オイラーの公式がわかる 』(原岡 喜重)も美しいオイラーの公式証明までをゆっくり導いてくれた感動的な本だったが、こちらは、まあ言えばエッセイである。同じことを小説でやった人はいるのかもしれないが、結城浩が最も成功している。
 んじゃないかな、他の本を知らないから。

 数学ガールが文学的に優れているかどうかは、個人的には疑問である。ラノベの構造を取り入れているから取っ付き易いのだろうか。これが男ばかりの数学バカたちの話なら、それほど受けてはいなかったと思う一方で、例えば旧制高校のバンカラをベースにしたら熱血青春数学物語が作れるのかも。勿論、複数パターンの女の子を登場させて…。

 (美しい証明のある)数学の証明は美しいのだから、素材は問題ない。後は味付けだけである。多くの数学者や数学愛好家が、随想や論文と云った形でしか発表してこなかっただけであろう。
 小説なので、漫画化もされている。映画化もされるそうだ。どの様な形になろうとも、どのような登場人物であろうとも、数学そのものはビクともしない美しさを持っている。そうか、だから奇を衒ったような人物配置でも、読者を惹きつける要素になっていれば、人気が出るのか。





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最終更新日  2013/10/07 10:03:18 PM
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