Team MKNサン、公演の大成功、おめでとうございます。
観劇してきた皆さんの興奮が、皆さんのブログの端はしから伝わってきます。
ようやく「魔法の木」も最後まで読んでいただいたと言うことで、ちょっとお聞きしたいんですが?
「魔法の木」のマスターご夫妻を想像して書いた、私の「魔法の木」なんですけど、お2人ってどんな方でしたか?
「魔法使いノブ」のように優しいマジシャンだったでしょうか?
「お姫様」のように気品あふれる美人の奥様だったでしょうか?
間違いはないと思いますが・・・・・・・・
「ボン・ボヤージュ」の食事は、健太にとって満足できるものであった。
食事の美味しさもさることながら、偶然とはいえ、ほかのお客さんを含め、みんな父の知り合いというのも、健太にとっては「大勢の家族」に囲まれている充足感があって、とても楽しい食事の時間だった。
一組だけ、健太の知らない家族も来ていたのだが、その家族の父親も、父の友人らしい。
両親とその娘が2人・・・・
(一人は高校生・・・もう一人は、浩美と同じくらいかな?)
「アア、お前、神崎は知らなかったヨなあ・・・・・お父さんの高校時代の同級生で、今年の春、お前と入れ違いにこっちに帰ってきたんだ・・・・県の役人だから、また出て行くんだろうけどな」
「君の事は、お母さんの葬式のときにあってるんだよ・・・・よろしくな」
神崎が挨拶すると奥さんや娘達が一緒に会釈する。
神崎・・・・・どこかで聞き覚えがある名前だった。
父から聞いたのか・・・それともほかの誰かだったかな?・・・
そう思いながら健太もペコリとお辞儀をした。
脇のほうから、農協に勤めている「吉崎さん」が声をかける。
「内山・・・・今年の正月はどうするんだ?・・・・どうせやることもないだろうからマージャンでもするか?」
そういうと、父は・・・
「いや、31日から2日まで・・・家族で温泉に行くことにしてるんだ」
「そりゃいいな・・・・温泉か・・・・」
「今年は正月もできないからな・・・・それに家政婦さんだって休むから、飯も作れないだろ?。。。」
今年だけの問題ではない・・・・来年も再来年も・・・・
家のことを考えると、父の再婚のことも考えなくちゃならないのかな・・・・
3年後、もし浩美が大学に行くようになれば、父はこの土地で一人で暮らさなければならないのだ。
家に戻り、健太は父と浩美、そして自分の分のお茶を煎れた。
「ねえ、父さん、ほんとに温泉に行くの?」
「アア、もう予約は入れてある」
「いいね、温泉・・・あたし、夏に修学旅行で北海道の温泉に行ったでしょ?・・・大きなお風呂で・・・・いいよね」
浩美が年寄りじみたことを言う。
「そのためにも明日、大掃除しなきゃならないからな・・・・ふだん家政婦さんが掃除機をかけ、おばちゃんがこの前も大掃除をしてくれたんだが、仏壇や神棚の掃除は自分達でしなきゃ」
その日は、帰ってきたばかりの健太の様子を、父も浩美も聞きたがり、深夜まで談笑して過ごした。
自分の部屋に入ったのがもう午前一時を過ぎていた。
しかし、どうも寝付けない・・・・・
健太は自分の本棚から、昔読んだ小説を引っ張り出し、読み始めようとした。
その時、ふと目に留まったのが「自分のアルバム」であった。
「細かな活字より、母さんの作ってくれたアルバムを見よう」
そのアルバムは、母が撮影して一枚一枚にコメントを書いてくれたアルバムだった。
健太が生まれたばかりのころ、写真館で家族3人で撮った写真・・・
父も母も、まだ20代前半で、若々しい・・・・「健太・・神社へお参りして・・・お父さんとお母さんの宝物」・・・そんなコメントが書いてある。
七五三の写真・・・こいのぼりと一緒に写っている写真・・・一歳の誕生日のときの写真・・・かなりこまめに撮影されていて、その一つ一つのキャプションが面白い。
幼稚園の入園式・・・「幼稚園に行きたくないよう」
大泣きしている健太の顔が、アップで写っていた。
「赤ちゃん誕生、病院にて・・・・お母さんと赤ちゃんと健太」
この写真は浩美が生まれたとき、まだベッドに寝ていた母と、生まれたばかりでまだ名前もついてない浩美、・・・そして健太が写っている。
この写真は父が撮ったものだろう・・・・
ア、時間だ・・・続きは明日。
Calendar
Comments