今日はお墓参りに行って汗をかきました。
私の母親が亡くなったのはわたしが20歳のとき・・・もう35年たったんですね。
母の遺影を見て、子供たちは「おばあちゃん」だと理解してるんでしょうか?
教えてはあるんですけど・・・亡くなったのが40歳のとき・・・だから遺影は30代なんですよ。
母親が亡くなった年より・・・16年も長く生きてしまいました。
でも、ジュニアが成人して結婚するまで・・・・あと20年はがんばらなくちゃね。
親がいない苦労はさせたくないんです。
大掛かりな「大マジックショー」のように 、演劇部の公演が終わりを告げようとしていました。
しかし、これではせっかく練習してきたものがぶち壊しになります。
一成はそれを絶対阻止しようと思いました。
そこで突然なんですが、アドリブで場面転換を図ろうと考えたのです。
「神様・・・・助けていただいたことは感謝いたします。・・・でもできればもう少し早く出てきていただきたかった。」
「神様」は・・「せっかく気持ちよく終われたのに急になんだい?」っていうような 怪訝そうな顔をしました。
「水戸黄門や遠山の金さんなんか見ててもそうなんだけど、人が不幸のどん底になってからばかり助ける・・・・あなたが神様だと言うなら・・・・人々がそんな不幸な目に会う前に・・・それが今のことなら・・・狐が悪さをする前に・・・なんで助けてくれないんですか?」
これに、和代が登場して同調するように台詞をかぶせます。
「今回の事で、うちのお父さんは怪我をしちゃったんですよ・・・・確かに、あたしとニセの神様を結婚させて自分はお金儲けしようとしたんだけど・・・・それだって・・・・あなたがもっと早く出てきてくれれば、そんな欲も出さないし、怪我もしなかったはず・・・」
「神様ならもっとタイミングよく出てきてくれてもいいじゃないですか?」
「あたしたち、前から2人で話してたんです・・・・この広い地球の同じ場所、同じときに生まれた奇跡のタイミング・・・・ここでこのときに出会えた奇跡に感謝しよう・・・このタイミングに感謝しようって話してたんです。」
「僕がもし、少しタイミングがずれて、明治時代に生まれていたら・・・・もし、場所がずれて中国に生まれていたら・・・・およねちゃんとは会えなかったわけだし・・・・」
「だから、私達タイミングが一番大事って話してたんです。」
「それなのに神様の出てくるタイミングは少しずれてる・・・・」
しばらく考えていた「神様」・・・・
「ようやく気がついたかい・・・・・」
突然奇妙な事を言い出しました。
「そうそう・・・・マロが言いたいのはそのことじゃったのじゃ」
「え?」
「神様」の事です・・・・きっと周りの空気を読んだのです。
「タイミングが大事だということをお前たちに教えなければ・・・・そう思ってこのタイミングで出てきたのじゃ・・・・もうひとつ大事なのは、バランスじゃよ・・・・」
「バランス?」
「そうそう・・・・何かを手に入れるためにはそれと見合う対価を払わなければならない。・・・良い事のあとには悪い事がある・・・そして悪い事の後にはきっとよい事があるのじゃ。・・・それがバランス」
「よくわからないんですけど?」
「少し難しい話になるのじゃがな・・・お前たち”エネルギー不変の法則”というのをご存知かな?」
確か、一成も物理か化学の時間に聞いたことがあるような・・・・・
「エネルギーというのは、いろいろなものに形を変えているが・・・・それは絶対になくならない・・・・摩擦というエネルギーは熱エネルギーという形に変わるがなくなるものではないし・・・・水力発電なぞはその水位が高いところから低いところに落ちる・・・その落差を電力というエネルギーに変える・・・なにを言いたいかというと・・・・絶対量が変わらない以上・・・いつでもプラスマイナス0・・・つまりいいことの後には悪いことがあって当たり前・・・悪いことの後には必ずいいことがあるのじゃ」
わけのわからないことを申しておりますが・・・・・
「お前たちは”天は二物を与えず”という言葉を存じておろう・・・・・それが、マロの申したいこと・・プラスマイナス0・・・バランスとタイミングが大事なのじゃ・・・ゆめゆめ忘れるではないぞ・・・ワハハハハハ・・・・・」
ここで、「チョ~ン」と木が入り・・・・・なぜか、芝居が終わってしまったのです。
つづく
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