私の町は、9月に市議会議員選挙があります。
だから・・・最近市議会議員さんの訪問が増えています。
「事務所開きをするから出席してくれ」って言うんですけどね・・・・・ひとりで何軒も掛け持ちするわけにも行かないし・・・私の票は「一票」しかありませんからね。
けっきょく、どこにも行かないようにしたいと思いますので・・・これから私のところへお出でになる予定の立候補者の皆さん・・・
お出でになるだけ無駄ですから・・・・どうぞ私より他の方のところへ行ってください。
こうして、「神様」と「お歯黒女官」は、北へ向かって進むことにしました。
目指すは「天帝城」・・・・天国の「ホワイトハウス」のようなところです。
今の「天帝様」は、中国の仙人「西王母様」が担当されていまして・・・こちらは道教の神様なんですね。
我々日本人にはあまり馴染みのない神様なんですが、孫悟空が花果山に閉じ込められる前に悪さをしていたとき、天に上って桃の果樹園に忍び込んで腹いっぱい食べるということがありました。
この桃は「不老長寿」の桃なんですけど、この「桃園」の持ち主が「西王母様」なんですよ。
日本でも、この「西王母」をどこかの神社で「おまつり」しているところがあるようです。
「この天帝様ってどういう風にして決めるんですか?」
「お歯黒女官」は矢継ぎ早に質問をしてきます。
「神様」はいつまでも立ち止まっているわけにも行かず・・・歩きながら答えることにしました。
「昔は選挙で決まってたんじゃよ・・・・・しかし、わが国の神様は800万人おって・・・これが一人一人投票権がある・・・・みんな神様じゃからな・・・・そうなるとわが国代表の”天照大神”がいつも当選することになって・・・・キリスト教やイスラム教の神が怒ってしまったんじゃ」
「アラ・・・あちらさんでは神様の数が少ないんですか?」
「そうなんじゃよ・・・あちらは自分の都合で、ほかの神様は認めない・・・だから神様は自分ひとりしかいないんじゃよ・・・・・それでな・・・・最近では信者の数と財産・・・それに神様の数を複雑に計算して一票の格差を是正しておるんじゃが」
「まあ・・めんどくさい・・・」
「それでな・・・・今の計算方法だと中国の人口も多いし・・・信者もそれだけ多いっていうことで・・・・道教の仙女”西王母様”がふさわしいだろうということになって・・・・」
「そうですわねえ・・・今まで中国の方が”天帝様”にならなかったことが不思議なくらいですものねえ」
「今までは中国も、共産党が宗教を認めないっていってたから良かったんじゃが、最近は北京オリンピックも控えておるから・・いくぶん穏やかに宗教も認めておるんじゃろう」
そんな話しをしながら歩いておりましたが・・・・
「神様・・・・そろそろ休憩しませんか?・・・・いくら暑くないといっても・・・これだけ歩くとさすがちょっと暑くなってきました。」
「そうじゃのう・・・ああ・・ちょうどあそこに茶店がある・・・・あそこで休んでいこう」
こうして、ふたりは茶店に入ります。
しかし、茶店にしては賑やかです。
「ここはなんじゃな?」
「神様」は大声を出してそこにいた若い男に尋ねました。
「え?・・何?・・・聞こえねぇよ」
この若い男は、「難聴」というわけではありません。
すさまじい大音響があたりを揺るがすぐらいですから・・・・普通にしゃべってる声が聞こえないんです。
「ここは・・・何の建物なんだね?」
「神様」はその男の耳元で、もう一度より大きな声を出して尋ねました。
あごめん・・・時間がないや・・・・・続く
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