今日から二日間・・・・小学校では「釜伏山スキー場」でスキー教室が行われます。
ジュニアの学年は、朝から滑って午後3時くらいまで・・・・・
だけど、ジュニアは夕方6時から、スキークラブの練習もあるんです。
スキー三昧の一日となりますが、体力は大丈夫かな?
それでは・・・・・
「花さか爺さん」(12)
盗賊団の親分の前に引き出された嫁さんと若い男・・・・・・
二人は、恐怖でがたがたと震えだしたそうじゃ。
「お前たちは何者だ?」
親分にそう聞かれると・・・・・怖いながらも、まず嫁さんが答えたんじゃと・・・
「あ、あたしは・・・・その喜助という男の女房で・・・・・」
「そっちの男は?・・・・・」
見た目には「息子」と見えるこの男じゃが・・・・本人は震えながらも引け目がある。
まさか…「この嫁さんの若いツバメで・・・」なんて答えられないものじゃから、しどろもどろしておったそうじゃ。
「お前の人相・・・・いっぱしの悪党面だが・・・・もしかして御用聞きか?」
「御用聞き」というのは・・・・正式な役人ではないんじゃが・・・・役人の手下として、悪党を捕まえる役目・・・・
しかし、生活できるだけの給金が貰えるわけじゃなし・・・・自分の縄張りの商家を回って、ゆすりたかりの類で飯を食っていたやつが多かったんじゃ。
銭形平次?
あんな御用聞きは、いるわけがねえ・・・・・
みんな悪党崩れの御用聞きばかりで・・・・田舎のほうだと、代官所の御用聞きなんてのは、やくざの親分をしながら役人の手伝いをし・・・・自分の悪さを目こぼししてもらう・・・・いわば「二足のわらじ」っていう手合いが多かったそうじゃ。
実はこの若い男も・・・御用聞きのはしくれで・・・・今も、嫁さんから話しを聞き、宝物を「十手」のモノを言わせてかっさらってくる算段じゃったんじゃ。
必然・・・懐には十手があったから・・・なんとかせんといかんと、いろいろ考えたんじゃが・・・・・・
それ以上考えることもなかった。
なぜなら、考える暇もなく…・首がごろんと地面に落ちた。
それを見た嫁さん・・・・腰が抜けたのかと思ったらそうじゃねえ・・・・
こんなとき女っていうのは度胸が良くなるらしい。
「親分・・・あたしは勘弁してくださいな・・・・・あたしゃここには来たくなかったんだけど・・・・この喜助が宝物を役人に届けたおかげで・・・・役人は何の疑いも持たなかったんだけど・・・・この御用聞きがね・・・・残りの宝物もあるはずってしつこくあたしに聞くんですよ。・・・そしてここまで引っ張ってこられたんで…・・」
その時、若い御用聞きの懐を探っていた子分が、声を上げたんじゃ。
「親分・・・・こいつ十手を持っておりやした。・・・・親分の思った通り、こいつ御用聞きですぜ」
その言葉を聞いた親分・・・・嫁さんのほうをむき直って、こう尋ねたんじゃと。
「喜助ではなくて、なんでお前に聞くんだ?・・・・宝物のことを・・・」
「そりゃあ・・・・」
嫁さんは、色っぽい流し眼で・・・・親分のほうを見たんじゃと。
「この御用聞き・・・・あたしのことを狙ってたのさ」
親分もゾクっときたらしい・・・・・
「でもね・・・・あたしゃ、強い男が好き・・・・・どうせ女と生まれたからには、親分のような強い男の女房になりたいもんさね・・・」
親分も悪い気持はしなかったらしい・・・・
「おお・・・・それじゃ・・・・」
親分は座り込んでいた、嫁さんの手をひっぱりあげて、抱き寄せた。
「親分・・・・ここじゃ…だって喜助が見てますよ」
「ああ・・・そうだったな…これでもお前の亭主だ・・・・・邪魔ものになったからには、消えてもらわにゃな・・・」
さっき若い男の首を斬り…まだ血の滴り落ちる刀の切っ先を・・・・親分は、喜助の喉元に向けたんじゃ。
「ワン・・・ワンワン・・・ワン」
ご主人様が危ないと思ったのか・・・・犬は吠えた。
「おい…お前のところの飼い犬がウルセイ・・・・お前飛びかかってこないようにしっかりと押さえてろ。」
親分は嫁さんに言いつけたんじゃと。
おっと時間じゃ・・・・またあとでな・・・・
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