気がついたら、今日は13日の金曜日・・・・・・なんか問題が起こりそうな予感がしています。
昼から雨が降り始め・・・・小学校のスキー教室も、この分じゃ中止になったかもしれません。
この時期なら雪が降っているはずなのに・・・・
それなのに・・・・冷たい雨です。
「花さか爺さん」(13)
もう何人も殺し慣れているんじゃろうなあ・・・・この親分は・・・・・
喜助の顔をにやっと笑いながら見たんじゃ。
「ワン・・・ワンワンワン!」
「シロ」はご主人様の危険を察知して・・・・親分に何度も吠えかける。
「おい、そのうるさい犬を抑えておけ」
親分は嫁さんに命じたんじゃと・・・・・
嫁さんだって自分の命が惜しい・・・じゃからニコッと笑って「シロ」を抑えたんじゃが、・・・・しかし女というのは恐ろしいのう。
さっきは自分の若いツバメを殺され・・・・今は、別れたとはいえ、元旦那が殺されそうなのを見ておる。
それなのに…その親分の言いなりになって犬を抑え付けている姿は、芝居とは思えないほど嬉々としているように見えたんじゃ。
もしかしたらこの嫁さん…心底生まれながらの悪党じゃったかもしれんのう・・・
こういう言葉があてはまるかどうか・・・・
親分とこの嫁さん・・・・「破れ鍋にとじぶた」というか・・・・なんとなく似合いの夫婦に見えたもんじゃ。
「さあ…覚悟しやがれ!」
ここで親分が、喜助に向って刀を振り下ろしたと思いねえ・・・・
ところが親分が足を一歩踏み出したそこへ…石つぶてが飛んできた。
危うくよけたが、親分は叫んだね。
「誰だ!」
そして、その時・・・・どこからか叫び声がしたんじゃ。
「大変だ!!・・・役人だぞ!…みんな逃げろ!!」
その声に浮足立った盗賊団は、てんでバラバラに逃げ出し始めた。
こうなるともう、どんなに脅しても透かしても・・・誰も親分の言うことなんざ聞かねえ・・・・
「チッ!」
親分は舌打ちをして、嫁さんを怒鳴りつけた。
「お前も一緒にくるんだ・・・・その犬も一緒に連れて来い」
嫁さんは、その声を聞くと同時に、犬を抱えて親分の後を追うようについて行ったんじゃ。
危うく難を逃れた喜助・・・・・急に腰が抜けたそうじゃ。
つづく
「
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