いやあ・・・WBC決勝・・・・疲れちゃったね。
5-3で勝ったからよかったものの・・・延長になった時は、正直ダメかと思っちゃった。
会社の従業員には、
「先発は岩隈で・・・9回に藤川で決まり・・あ、東京ラウンドの初戦のようにコールドゲームになると・・・藤川は見られないか・・わははは」
なんて言ってたけど・・・まあ韓国戦がこんな状態になるのは・・・なんとなく皆さん、予想してたでしょうね。
ところで・・・・昨日の地元の夕刊に・・・・学校の先生の人事が発表になってて・・・・私は真っ先に、うちの小学校の校長人事のところを読んだんです。
新しいうちの小学校の校長・・・・・「森 隆夫」って書いてありました。
実はこの校長先生ね・・・・・
私の小学校時代の同級生なんですよ。
それも・・・今うちの子たちが通っている「むつ市立第二田名部小学校」がまだ、「代官山」という小高い丘の上にあった時の・・・あ、入学当時は「田名部町立第二田名部小学校」だったかな?
その「1年4組」の同級生で・・・・その後・・・中学校、高校までずっと一緒だったんですよ。
そいつが・・・また同じ小学校で一緒になっちゃったんですから・・・くされ縁なんでしょうかね?
校長先生とPTAの会長(まだ選挙もあることだし・・・決まったわけじゃありませんが・・・・)
なんとなく楽しみでもありますけどね・・・・
「帰り道(9)」
「カチューシャ」という歌声喫茶は・・・歌舞伎町のど真ん中にありました。
外観がなんとなくどっしりとしているような・・・
お店に入いり料金を支払って・・・歌集をもらう・・・そんなシステムだったように思います。
中は思いのほか広く、二階席もあったように記憶していますが・・・真中にステージがあって・・・そこに「リーダー」と呼ばれる人たちが立ち・・・お客さんたちに歌唱指導しながら進めていくのです。
当時はベトナム戦争末期のころで・・・・中で歌われる歌は・・「反戦歌」・「フォークソング」・「労働歌」・「ロシア民謡」などなど・・・・・
どちらかというと、私には暗い感じに思われたんで・・・「A子」が行きたいといわなければ・・・絶対に足を踏み入れたいとは思わなかったでしょう。
この日は日曜日なので、かなりの混雑・・・・体の大きな私は、狭い場所に押し込められ・・・横に座った「A子」と肩が触れ合っていました。
ステージでは背の高い男性が・・・私の知らない歌を歌っていたのですが・・・客はその男性のあとをついて歌っています。
私は・・・前に一度来たことがあるくらいで・・・それは、コーラス部のコンパの後、先輩に一度連れてこられたのですが・・・・歌集に載っている歌も・・・あまりよく知らないものでしたから・・・・しばらくはその歌集を眺めていたのです。
「A子」も同じように、歌集を見ていたのですが・・時折、ステージや周りを興味深げに眺めています。
「ねえ・・・知らない歌ばかりですね?」
「ロシア民謡やフォークソングは少しラジオなんかで聞いたことはあるんだけど・・・反戦歌とか労働歌なんて、コーラス部で歌わないからね・・・」
「なんとなく、ナイト先輩の好みじゃないのがわかります。・・・・でもせっかく入ったのだから・・・なんか歌いましょうよ。」
その時・・・・
アコーディオンが、ある曲の前奏を弾き始めたのです。
それがなんだったか・・・・記憶が定かではないのですが・・・とにかく知っている歌でした。
「あ、これなら歌える・・・」
私は歌集のそのページを開き・・・・ほかの人と同じようにリーダーのあとをついて歌ったのです。
それから・・・数曲・・・・最初に声を出せたおかげで・・・・リーダーの指導も良かったのでしょうが・・・知らない歌まで大きな声を出して歌っていました。
しかし・・・・突然・・「A子」が・・・「出ましょうよ」と話し掛けてきたのです。
「え?・・・・つまんなかった?」
そう言いながらも・・・私は立ち上がっていました。
外へ出ると・・・・「A子」が・・・「フーッ」と・・・大きなため息をひとつ・・・・・
「人に酔って・・・気持ちが悪くなったのかい?」
私は、彼女の顔を覗き込み尋ねたんです。
「それもあるんだけど・・・・・どうも同じ歌を歌うにしても・・・あたしたちと違うみたい。・・・だって悲しい歌なのに・・・笑いながら歌うのって・・・・ナイト先輩もそう思うでしょ?」
そう問われましたが・・・私は大きな声で発散することが目的なら・・・・これはこれでありだな・・・と思っていたのですが・・・・
「そうだね・・・」
妥協したというか・・・・わざわざ、「A子」の意見に反発する必要もないので・・・そう答えたのです。
「でも、ナイト先輩の声・・・久し振りに聞いたけど・・・やっぱり良いですよね?」
「そうかな?」
「うん・・・だって・・・あたし・・・先輩も声が好きなんだもん」
これは・・・このお話しに全く関係のない話ですが・・・大学の心理学の先生から頼まれて・・・・これはコーラス部の部長が依頼されて、私が選ばれたのですが・・・人の気持ちをよくする声の波長を測定するというもので・・・・・
よくはわかりませんが・・・・
「あなたの波長はほかの人とは違うけど、確かに気持ちよくさせる要素は持ってるな」・・・・・っと言われたことがあるんです。
「1/fの揺らぎ」というものが・・・・何か関係してるらしいのですが・・・私にはよくわかりませんでした。
「じゃあ・・・これからどうする?」
「お酒を飲みにつれてってくれませんか?」
「え?飲めるの?」
「あたしこれでも・・・父の晩酌のお付き合いしてたんですよ?・・・少々なら・・・」
彼女が言うには・・・高校時代も・・・父親の酒の相手をしていたらしいのです。
「じゃあ・・・君の住んでる吉祥寺の駅前に・・・・居酒屋さんがあるから・・・そこへ行こうか?」
新宿にも数軒・・・何度か行ったことのあるお店がありましたが・・・それは、かわいい女の子がカウンターの中にいてサービスしてくれる・・・当時はやりの「コンパ」という形式のお店で・・・・なんとなく女の子と一緒ではまずいんじゃないかと思ったんです。
中央線の赤い電車に乗ったのは・・・7時半ぐらいだったと思います。
予定通りなら・・・・中央線ではなく井の頭線に乗らなくちゃいけなかったのにな・・・・私は「K子」の顔を思い浮かべていました。
「あれから・・・お酒を飲みにつれてってもらったんですよね?・・・なんとなく美味しいお酒だって思いました。・・・山形の樽平ってお酒でしたよね?」
「そうでしたっけ?・・・・私はもう忘れてしまいました。」
「女って・・・変なことを覚えてるもんなんですよ・・・私、あの時のことは忘れたことがありませんから・・・・」
新幹線の中で・・・「A子」は、じっと私の目を見ながらそう言ったのです。
つづく
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