「小説もどき」に官能シーンを・・・というご要望にお答えしようと思って・・・・なんとか女性とデートするシーンまでやっとこさこぎ付けたんですが・・・問題はここからですよ。
こんな時・・・私のような「もてない男」は・・・・経験不足が露呈するのです。
「子供が二人いるくせに・・・」って言ってるのは誰ですか?
うちの子供は・・・「コウノトリ」が運んできたんですからね!
ということで・・・・ぜひ皆さんからの教えを請いたいと思います。
取材にうかがいますから・・・官能シーンを見学させてください。
それでは続きをどうぞ・・・・・
《歌手になるつもりが・・・(18)》
「入部して1か月たつけど・・・どう?コーラス部は?」
「うーん・・・・正直に言っていいですか?」
酔っ払っていたせいもあって・・・・私は日頃の鬱憤をここで吐き出した。
「まず基本ができてない。・・・・・女声で腹式呼吸ができているのはほんの数人・・・・腹筋が弱いんだから・・・・腹筋を鍛えることをしなくっちゃ。・・・腹式呼吸ができてないから・・・鶏の首を締めあげたような・・・・のどに力の入った声しか出せてないでしょ?・・・・そこからまずやらなくちゃ。」
「あなたがおっしゃる通り・・・・うちのクラブは基本からできてないもんね」
この言葉に・・・私はどきっとした。
今まで・・・・「君」とか「ナイト君」としか呼ばれたことがないのに・・・・「あなた」と呼ばれ・・・・「おっしゃる」なんていうのは尊敬語じゃないか?
彼女もけっこう酔ってきたんだろうか?
「あなたが指導者なら・・・・これからどんな訓練をすればいい?」
私はこの質問に・・・様々な練習方法を説明した。
かなり・・・情熱的な話し方をしたのも・・・きっと酔った勢いだったと思う。
「あなたって・・・・T崎君に似てるね?」
突然・・・・「キリン先輩」がポツンとつぶやく。
その瞬間・・・私は息が詰まった。
ゆうべの「T崎先輩」の顔がまざまざと蘇って来たのだ。
「僕は昔・・・・N田と付き合っていたんだ」
「T崎先輩」の言葉がじわじわと・・・・頭の中に広がってゆく。
「似てませんよ・・・」
あんなにカッコよくないし・・・あんなにキザじゃない・・・・そう続けようとしたが・・・
「昔は彼も・・・・コーラス部をこうしてレベルアップしたいって・・・・良く言ってたなあ・・・・」
思い出すように呟く彼女・・・・独り言のようだったが・・・・彼女の眼はしっかりと私を見ていた。
2時間ほどいただろうか・・・・・
「ああ・・・そろそろ帰ろうか?・・・・もう9時だし・・・・」
「そうですよね・・・」
私はモッと一緒にいたかったのだが・・・若い女性・・・しかも両親と一緒に暮らしているとなると・・・この辺がタイムリミットだと思った。
彼女が御馳走してくれるという話だったが・・・男のメンツっていうか・・・奢られるわけにはいかない。
「先輩・・・私が払いますよ」
そういうと彼女は・・・
「やッぱり君ってあいつに似てるよ・・・・」
そう言って自分の財布をあっさりバッグの中にしまいこみ・・・さっさと外へ出て行った。
私が支払いをするということは・・・・それは男として当たり前のことだと思ってはいたが・・・それより・・・・
さっきまで・・・・「あなた」と呼ばれていたものを、また「君」に逆戻りされていることが少しさびしかった。
「麗ちゃんの方が年上でしょうに・・・あの子金持ちのお嬢さんよ?・・・支払ってもらえばよかったのに?」
女将は気の毒そうにそう言った。
「いいんです。・・・・このお店紹介してもらっただけで・・・・青森が恋しくなったら、また寄せてもらいます。」
店を出ると・・・彼女が待っていた。
「じゃ、駅まで送って行ってあげる」
「いいですよ・・・・子供じゃないんだし・・・駅ぐらい一人で行けますよ」
「なに言ってるの?・・・・まだ未成年のくせして」
「それより・・・今日は楽しかったです。・・・まだまだ先輩といろんな話がしたかったな?」
そう言うと彼女はきょとんとした顔をして・・・・
「それだったら・・・もう一軒どこかに行く?」
「えっ?・・・・だって先輩・・・門限が・・・・」
「なに言ってんの・・・・君が未成年だから早く帰してあげなくちゃと思ったから帰ることにしたのに・・・・言っちゃなんだけど・・・あたしは成人式が済んでるから立派な大人・・・君はまだ18歳の未成年じゃないの。」
そう返事が返ってきた。
「ねえ・・・じゃ、喫茶店にでも付き合ってくれませんか?」
私から誘ってみた。
「時間大丈夫?・・・・あたしならいいけど・・・」
正直・・・・小料理屋で支払ったから財布の中にいくらも入ってない。
喫茶店ぐらいしか入れないのだ。
ふたりは並んで歩きながら喫茶店を探す。
その時・・・・向こうから酔っ払いの二人組がふらふらと上機嫌で歩いて来る。
「キリン先輩」はその酔っ払いから逃げるようにして私の腕にしがみ付いてきた。
ワンピースを通して、彼女のやわらかな胸のふくらみを感じた。
つづく
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