いろいろなことがあり過ぎて・・・・昨日は眠れなかった。
なにがあったか?・・・・そんなことは口に出して言えることではない。
とにかく・・・どうにも眠ることが出来なかったのである。
しょうがないから本棚まで行き・・・何でも良いからと本を手に取ったのだが、それが何度か読み返した「鬼平犯科帳」であった。
江戸時代に理不尽な犯罪者を懲らしめる物語は・・・「必殺仕置き人」のシリーズもあるが・・・同じ「池波正太郎」の小説でも、私は「鬼平犯科帳」が好きである。
いかに悪逆非道な犯罪者だとしても、金を貰ってその悪人を殺すっっていう集団は・・・・それこそ犯罪者集団じゃないかっていう気持ちがぬぐえない。
そこへいくと「鬼平・火付け盗賊改め方長官・長谷川平蔵」はあくまでも法律にのっとって犯罪者を懲らしめるのだが・・・奉行所とは違いときどき超法規的な措置をとる権限も持っていた。
その辺が好きな理由である。
たまたま手に取った「鬼平犯科帳」・・・・正確には「鬼平犯科帳」のシリーズには入ってない・・・・シリーズ化される前に「池波正太郎」が初めて「鬼平」を登場させた物語であったが・・・・
「葵小僧」という・・・・大胆不敵な盗賊の物語であるが・・・この盗賊・・・・徳川将軍家の家紋である「葵の紋」を大胆にも用いて、大名行列のように徒党を組み・・・商家に忍び込む盗賊団の首領であった。
どうやら以前は役者だったらしい。
だから芝居じみた盗みを働くのだが・・・・役者としては鼻が低く・・・あまり売れた役者ではなかったのだ。
役者になるなら二枚目の花形役者になりたかっただろうが・・・まるで人気が出なかったおかげで・・・逆恨みというか・・・・盗みに入った商家の妻や娘を手込にするという・・・ホントに鬼畜な所業を働くのだが・・・・それが「鬼平」に捕まると・・・その所業を全て白状するのである。
全て白状したならそれで良いじゃないか・・・・そう思われるかもしれないが、それじゃ手込にされたことを必死に隠している被害者が可哀そうだ。
奉行所なら・・・官僚主義的っていうか・・・・その被害についても徹底的に調べるところであるが、「鬼平」は・・・その「手込にした」という報告書を握りつぶすのである。
そして・・・あまり取り調べもしないまま・・・3日の後に「葵小僧」の首をはねてしまった。
幕府や奉行所からは・・・すべての資料を提出するようにやいのやいのと言われるのだが・・・・「火付け盗賊改め方は・・・超法規的な措置をとっても良いことになっている。」と・・・その報告を拒むのだ。
このことによって「手込にされたことをひた隠しにしている被害者」はホッとするのである。
なんだ・・・法律を守らないのなら必殺仕置き人も火付け盗賊改め方も同じじゃないか。
そうおっしゃる方も多いと思うけど・・・・
でも私はこちらのシリーズの方が好きなのである。
最近の日本は、この超法規的な措置を講ずる「火付け盗賊改め方」の「人情」みたいなものが必要じゃないのかな?
なんとなくそう思いつつ・・・・明け方まで本を読んでいたのである。
間違っているとは知ってるけど・・・・
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