やっぱり本が好き♪

やっぱり本が好き♪

August 19, 2009
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カテゴリ: ♪本の覚え書き♪


鳥になりたいと祈る老女。彼女に何をしてあげられるだろうか…穏やかに暮らす“主役”の生活に忍びこむ、ミステリアスな“脇役”たち。
騒音とともに消えた女、真夜中に廃屋でひとり眠る少女、前世を占えると告げる美女─すべての謎が解決したとき、あなたの胸に浮かび上がる“脇役”の本当の姿とは?いつもは主人公のあなたも、他人の人生では、脇役。傍らに立ち、手を差し伸べるか、あるいは─。

再読必至の連作短編ミステリー。

類憧憬/迷ったときは/聴覚の逆襲/裏土間/人事マン/前世の因縁/脇役の不在



触れ込み通り再読必至です

以前沢村さんの『カタブツ』を読んだ時も異色さ、うまさは感じていましたがこの本は読み終えてもう一度ページをめくりたくなるうまさでした!


『鳥類憧憬』『迷ったときは』『聴覚の逆襲』『裏土間』『人事マン』『前世の因縁』
どれも日常の何気ない風景の中からおこる事件。この目の付けどころがおもしろい。

どの主人公も普通の人のようでいてひと癖あるタイプ。
そしてどの話にも心惹かれるフレーズがありました。



『鳥類憧憬』では、慣れ親しんだ家を改築したことをきっかけにふさぎこみ、歳をとったから動けない、歳だから歳だからと愚痴を言うおばあさんは重力をものともせず自由に飛び回る鳥に憧れます。心の病で仕事を辞めた主人公がふと思いついてこのおばあさんにいう一言がちょっといいんです。


『迷ったときは』では、主人公が師と仰ぐ三人がいて、人生で困ったときや迷ったときは彼らの言葉通りに行動します。少女ポリアンナの「よかった探し」、ドイツの哲学者の「妥協することなく適応する」、網坂先輩の「迷ったときはツモ切りだ」の三つです。
これは本当にいいことを聞いた。日々これを基本に生きてみよう!と思わずにはいられませんでした(笑)。


『裏土間』では、自分の生きざまに満足して世を去った人。自分があんな写真を残すためにはこれからどんな生き方をしたらいいのだろうかと考えていた。とか


『人事マン』の「体温の移った毛布にしがみつきたくなるものらしい」という表現。
などなど。。。


どれも読んだからこそ胸に響く言葉なのでした。
そしてどの話しにも刑事の脇田さんの助言や助けがあります。

ですが6話目の『前世の因縁』においては脇田という二文字しか出てこないのです。しかし多くが語られないことによって多くのことを想像させられ、この一行を目にするや「そんなはずはない!」と心で叫ぶ私がいました。

そう、これこそが作者の思うつぼだったのです。


そして最終話の『脇役の不在』を読んでもう一度最初のページをめくりたくなってしまうのでした


『カタブツ』に続く大当たりの異色本とでも申しましょうか。
沢村凜…他の本も手にしてみたくなるのでした。






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Last updated  August 26, 2009 06:48:10 PM
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waxmax1967 @ 黄金柑 こんにちは。はじめまして。 「蝶々喃々…
Re-ka @ Re[1]:音訳って知っていますか?(09/24) 柊♪さんこんばんは☆ 仕事も忙しくなった…
柊♪ @ Re:音訳って知っていますか?(09/24) わ、すごい!素晴らしいですね! 好きな…
Re-ka @ Re[1]:文化祭(09/12) kayokorinさんこんばんは~★ 日々家族そ…
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