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2014年02月13日
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カテゴリ: 食事
 ごま油、大豆油、コーン油と日常的に接する油の多くが種から採られている事に対し、種ではない果肉の方から採られる珍しい油もあります。オリーブ油とパーム油はそんな珍しい果肉から採られる油で、含まれる脂肪酸の性質の違いから大きく異なる採油方法で精製されています。

 オリーブ油は不飽和脂肪酸を多く含む事から常温では液体であり、生の果肉から果汁を搾って放置しておくと自然に油分だけが分離して表面に浮き上がってくるので、それを水分と分離すると得る事ができます。

 それに対しパーム油は飽和脂肪酸が多く常温でも固形の状態にあるため、砕いた果肉を煮沸するなどしなければ分離する事ができません。採油に熱を必要としない事もオリーブ油の特徴の一つで、酸化率を低くする事に貢献している考えられます。

 収穫したオリーブの実から少しでも多くのオリーブ油を得るために、すりつぶして搾った果汁を遠心分離機に掛けて採油するという工夫も行われており、そうして直接得られた油はヴァージンオイルと呼ばれています。

 ヴァージンオイルの中でも特に品質の優れた物がエクストラヴァージンオイルと呼ばれ、品質の悪いヴァージンオイルは脱酸や脱臭、脱色などの精製工程を経て、酸度が0.3%以下に調整された物が精製オリーブ油として出回る事になります。

 日本で安価なオリーブ油として親しまれるピュアオリーブ油は、この精製オリーブ油に中程度の品質のヴァージンオイルを加えて酸度を1%以下に調整したもので、くせが少なく使いやすいという特徴があります。

 果汁を搾った後の果肉には、まだ若干の油分が残されている事から、石油系の有機溶剤を使って残った油分を抽出し、そうして得られた油脂はポマースオイルと呼ばれ、本来のオリーブ油とは成分的にも異なる部分がある事から、国際オリーブ協会ではポマースオイルをオリーブ油と表示してはいけないと規定しています。

 そのため工業用原料として扱われる事が多いポマースオイルですが、精製して酸度を0.3%以下にするなどしてJASをクリアすると日本国内で食用として販売する事が可能となり、格安の価格で販売されるオリーブ油の多くが精製ポマースオイルであるともいわれます。

 最近ではオレイン酸を多く含むヘルシーな油として完全に定着した感があるオリーブ油ですが、本場のイタリアを見ると単なる油脂としてだけでなく、万能調味料としても扱われていたりしてオリーブ油との接し方の違いを感じてしまいます。油分としてだけでなく、果汁の一部という発想も必要なのかもしれないと思えてきます。





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最終更新日  2014年02月13日 07時46分46秒
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