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何も予定がない休日の昼下がり、普段は家の中から眺めるだけの庭に出て目の届かない場所の様子を見に行きます。辺りがとにかく静かという事もあり、風があれば庭の内と外を隔てる笹の葉の音が聞こえ、風がなければ家の前の長いコンクリートの坂を登り切った先にある県道のバイパスを、時折通る車やバイクの音くらいしか聞こえません。
そんな中、よく耳を澄ますと聞こえてくるのが浄化槽に空気を送り込むポンプの音で、浄化槽内のバクテリアを活性化するために休む事なく空気を送り続けてくれています。我家では、地下深くから汲み上げた清浄な水を生活排水として流してしまう事になるので、浄化槽のバクテリアにはしっかり頑張ってもらわなければと、稼働し続けるポンプを見るたびに思ってしまいます。
これまではポンプで空気を送り続けて排水をきれいにする事だけを考えてきたのですが、最近の考え方ではポンプを稼働させ続けるための電力を作り出すために、二酸化炭素を発生させているという事も意識しなければとも思えてきます。
最近、耳にしたところでは、排水に含まれる有機物を微生物が分解する際に発生する電気をエネルギーとして取り出す「微生物燃料電池」というシステムがあるらしく、これまで排水処理の効率、発電効率、性能の長期安定維持や規模的な問題から実用化ができていなかったのですが、先月には実規模サイズへのスケールアップに成功したと発表されていました。
微生物燃料電池では、発電菌と呼ばれる微生物が排水中の有機物を分解処理すると同時に、これまでの浄化槽では汚泥となっていた有機物を電気に変換できるそうで、発電した電気を使って浄化槽に空気を送り込むポンプを稼働させる事も可能な事から、二酸化炭素の排出量を削減する事ができるといいます。
数年以内には二酸化炭素の排出が実質ゼロの排水処理技術として登場するともいわれていて、阿蘇の大自然から借りた水を汚して排出している身としては、一刻も早く我家にも取り入れたいと思ってしまいます。
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