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リアルタイムでは見れなかったというか、放映後、かなりの時間が経過してから存在を知ったのですが、知り合いから「とにかく面白いので観るべきだ」と薦められて観たアニメに「未来少年コナン」があります。その中で未来の大都市に住む人々が発掘されたプラスティックを分解して作られたパンを食べているという設定が衝撃的で、廃プラスティックの問題や持続可能な食料生産など、未来の問題を先取りしていた作品だと思えました。
プラスティックごみは「サーマルリサイクル」と呼ばれる燃焼させて熱を利用するという再利用法があるとされますが、多くは埋め立て処分が行われています。海洋を漂っているものと比べると、埋設した場所や量が把握できている事から少しはましだと思えるのですが、遠い未来、誰かが発掘してパンの原料にするのかと想像してみると、プラスティックごみの削減は大切な課題のようにも感じられます。
世界的にプラスティック製品を減らすという取り組みが浸透していっていますが、プラスティックごみはこれからも増え続けるとされ、プラスティック製品の生産量は2030年までには2倍、2050年には5倍になるとも予想され、それらはいずれごみとなって何らかの処分が行われる事になります。
使用済となったプラスティックをごみとはせずに、確実にリサイクルに回るような仕組み作りが重要とも思えてきますが、汚染されたプラスティックはリサイクルが難しく、コスト高となる上にリサイクルできる回数にも限りがあるとされます。
最近、開発されたDMG(分散モジュラー生成)と呼ばれる技術では、プラスティックごみから水素を取り出し、燃料とする事が可能とされます。DMGでは廃棄物を酸素のない状態で高い熱にさらし、ガス化する事で熱分解を行うとの事なのですが、廃棄物となったプラスティックを約1000度に加熱した炉に投入し、瞬時に溶かす事でガス化して酸化剤と反応させると一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、水素を含んだ合成ガスを得る事ができます。
メタンや合成ガスは炉の稼働を維持するために使う事もでき、ガスエンジンを動かす燃料としても使用可能とされますが、精製する事で純粋な水素を得る事が可能で、そうして得られた水素は燃料電池として利用する事ができると考えられています。40トンの廃プラスティックから2.7トンの純粋な水素を得る事が可能とされ、未来の動力源とされながら水素の確保が疑問視されていた燃料電池の未来を開く技術の登場のようにも思えます。
現在主流となっている埋設処分は、分解しにくいというプラスティックの性質を考えると問題の先送りのようにも思えます。積極的に分解して必要なものを取り出し、量を減らしていくという事が何より大切なように思えます。
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