nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

Jun 8, 2005
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テーマ: 囲碁全般(752)
カテゴリ: 囲碁
 週末に、恒例の県別対抗団体戦である第51回の関東甲信越静囲碁大会に参加してきた。この大会には20年ほど前から何度も参加しているが、今回ほど面白かった大会はなかった。それは、「若さ」というものの素晴らしさを目の当たりにしたからである。

 この大会は、ほとんど温泉旅館で行われていて、当初からは大人の社交という要素が強かったようだ。原田実先生が第一回大会に参加した時も、「若い人が少なくて気恥ずかしいような気分だった。」と以前に仰っていた。
 私も、故郷の代表として初めて参加したころは学生だったのだが、このころは自分と近い年の人はほとんど参加していなくて、何とも心細い気がしたものである。当時は、舞台の出し物にストリップショーがあったり、際どい姿のコンパニオンが呼ばれたりしていた。若い人の参加が多い近頃だったらチョッとまずいような、心身ともに大人の大会であった。今回、我がチームは13歳と15歳の少年を連れて行ったので、そのへんを心配していたが、健全な前夜祭でありほっとした(公式発言)。

 この大会は1チーム5人編成で、通常は県代表の常連が参加するのだが、今回はなぜか人が集まらず、どうせ負けるなら思いっきり若手を連れて行こうという事になったのだ。最近は、カトケンさんやエイジさんなどの強豪を揃えて行っても1~2回戦で負けることが多く、ましてや今回のメンバーでは最下位かもしれないと思っていた。

 ただ一つ、私はある秘策を考えていてこれを実行した。前夜祭後に親善対局を設定して、他県の顔なじみの選手に頼んで我がチームの少年と打ってもらったのだ。この時に、本来なら3子の手合いの相手には2子、2子の手合いの相手には互先で打つように私が強引に設定したのだ。相手は酔っ払っているのに対して、少年は全力で向かっていける。結果は負けはしたが、互角の勝負をして大いに自信がついた様子であった。勝負の世界において、錯覚ほど怖いものはない。大人の錯覚はたいてい惨めであるが、少年の錯覚は奇跡を生む。


 出足が悪く気持ちが落ち込み気味だった他のメンバーも、少年達に引きづられるように調子を取り戻して3局を終わって、チームとして勝ち越していた。スイス方式なので、予測が難しかったけれど、最終の4局目の結果次第で半分より上に行けるかもしれないという状況になった。
 好ムードの中で、最終局は何と5人で4勝と最高の結果が出た。特に、少年二人は、いずれも相手の大石を仕留めて快勝していた。それぞれ四将五将の中で上位に食い込み、チームも何と16チーム中4位と奇跡的な成績を収めた。

 大人なら予測がつくと諦めムードになったりするが、少年は常に無心で全力でぶつかることができる。大人の方が少年のひた向きさに完全に引きずられた。少年の勉強のためになどと考えていたが、勉強させらたのは大人の方であった。
 そして、彼らは間違いなくこの大会中に実力を上げたはずである。この団体戦が終わって、一転して彼らは私の敵になる。なんとも、恐ろしいことになったものである。





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Last updated  Jun 8, 2005 12:29:37 AM
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Comments

nipparat @ Re[1]:追悼 畑正憲氏(04/08) GO!さんへ  ぜひお楽しみください。今回…
GO!@ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) 11/11にしずおか囲碁まつりでまた伺う予定…
GO!@ Re[2]:追悼 畑正憲氏(04/08) nipparatさんへ 久能山東照宮は行ってみ…
nipparat @ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) あまり確認しておらず、返事が遅くなりす…
GO!@ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) しばらくご投稿がなかったので、案じてい…

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