私は毎朝JRを使って長距離通勤をしているのだが、12月になってJR松山駅前にはおすすめバスツアーに乗る人たちが大勢待っているのだ。今日私が見たバスツアーは四国八十八ヶ所第一番札所の霊山寺で、四国霊場会公認先達とお寺の住職さんによる法話を聞いて、お遍路を始める目的を知るツアーのようだった。四国八十八箇所参りの目的といったら、"ご先祖供養"や"心願成就"、このごろでは"自分探し"や"ストレス解消"などが多いのだが、遍路の目的から教えてくれるバスツアーは、私も初めて聞いたのだ。(バスを待っているオバちゃんたちの話を聞いているほうが、私的にはよっぽど面白いと思うのだが・・・)
四国遍路は、弘法大師が四国を修行された際のゆかりのお寺・八十八霊場を巡る全長約1,200kmに及ぶ巡礼の旅で、この霊場を巡ぐって修行をすることで、「八十八の煩悩を除き、八十八の功徳を積むことができる」と言われているのだ。巡拝する時には木の札を霊場に打ち付けたことから霊場参りのことを「打つ」と言い、霊場を回る人々は今でも親しみを込め「お遍路さん」と呼ばれているのだ。このお遍路さんをもてなす地元の文化を「お接待」として、今でも霊場のお寺ではお茶などをいただくことが出来るのだ。そんなこともあってけっこう格安で、色々なところに行けて人気だそうだ。
これらのバスツアーはなかなかの盛況で、先の総選挙で大敗した自民党などは、党勢回復の一環として、所属国会議員を案内役に社会見学ツアーを始めるみたいで、来週から始まる第1弾には、小泉純一郎元首相の次男である小泉進次郎衆院議員を起用するそうで、神奈川県横須賀市にある海上自衛隊基地を訪ね艦船を見学するほか、地元名物「海軍カレー」を食べながら、安全保障問題をはじめ自由に意見交換を行う予定をしているというのだ。自民党では年明けの第2弾で、小池百合子元防衛相を起用する予定だそうだが、予想以上の手応えにホクホクしているそうなのだ。
私が毎朝この光景を見て思うのは、ちょうどバスに乗客が乗り込み時間帯は、駅で生活しているホームレスのおばちゃんやおじちゃんたちが活動を始める時間帯なのだ。片方では格安とはいえグルメツアーに行くオバちゃんたちがいるところで、駅舎などの公共の場を一定期間占拠して、段ボールと汚い毛布1枚で生活している人がいるのだ。この状態を見てみるとやはり日本にも貧富の差があると思うだが、他の途上国と違って圧倒的に富の人のほうが多いのだ。バスに乗って遊びに行く人は40人以上いるのだが、駅で生活しているホームレスは、その十分の一くらいしかいないのだ。そう双考えると私の住む日本国は、けっこうよい国にだと思ってしまうのだ。
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