これを受けて両水門は自動閉鎖を開始し深夜に閉鎖が完了したが、運悪くこの日は千葉市に大雨・洪水注意報が発令されており、千葉市は早朝にかけて管理会社に現地の状況を確認するよう指示したというのだ。その後朝になると市民から川があふれそうだと通報を受け、管理会社に再度現状を確認するよう指示したという。しかしこの時点で管理会社の社員が現場に向かっていないことが分かったというのだ。都内にある管理会社の社員が指示を受けて2カ所の水門に到着したのは市民からの通報があった後で、現地で水位が上昇しているのを確認していったん両水門を開いたというのだ。その後満潮に向けて下流側の水位が上昇することを見越して浜野水門では水門を閉じて排水機場のポンプを始動したというのだ。
ところが水門付近は停電していたので排水ポンプを始動できず、水門を開いたままにして水が流下するのを待っていたのだが、これらの対応では間に合わず、朝になると水門付近で浸水が発生してしまい。床上浸水と床下浸水を合わせて12棟が浸水し車両11台が水没するといった被害が起こったそうなのだ。千葉県は自動閉鎖後の水門の操作と排水機場のポンプ始動が遅れたことが、浸水発生の主な原因と考えられると指摘している一方、千葉市では管理会社職員の現地到着が遅れた原因などを調査している。この件で千葉葉県は9月に千葉市や有識者を交えた検討会を設置して、10月末から来年3月末までの期間で浸水のメカニズムを明らかにしたうえ再発防止策を検討すると発表したそうなのだ。
水門操作などの遅れが原因とみられる浸水被害を巡っては訴訟に発展したケースもあって、京都市で発生した浸水被害では最大水深が約2mに及ぶ浸水被害が起こったというのだが、この浸水被害に関して管理を委託した会社に7億1千万円の損害補償を請求して現在も係争中だというのだ。京都市の畑川若しくは山科川の水位が上昇し「水位監視水位」になると、「委託管理業者は『水位監視体制』を敷き30 分以内に委託職員1名を本排水機場に派遣し水位監視を行い、現地到着の旨を京都市に報告することになっている。さらに水位が上昇し運転監視水位になると、委託業者は『運転監視体制』を敷き30 分以内に委託職員1 名を本排水機場に追加派遣し合計2 名で運転監視を行う」という管理契約となっているそうなのだ。
その後「委託職員は水位監視時には水位の監視・事故・異常の報告等を行い運転監視時には、水位・運転の監視や事故・異常の報告と排水機場の状態把握・スクリーンの除塵等を行う」という事になっているそうなのだ。この実地検証の中で当日作業に従事していた委託業者の職員が「1号・2号ポンプ」の非常停止ボタンを押したとの供述があり、その非常停止を自動運転に復帰させることができずに、けがと疲労により倒れていたことが今回のポンプ停止の原因であることが明らかとなったというのだ。また本来2名体制で管理を行うところが1名体制であったことから、約4時間にわたりポンプの再稼働ができなかったということなのだが、京都市も今まではそのことを黙認していたという事のようなのだ。
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