にしわき眼科クリニック。

にしわき眼科クリニック。

2011.08.25
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カテゴリ: 外来診療一般
 いまや日本人の国民病とも言われる緑内障、これは見える範囲(視野)が欠けてくる病気なのですが、その治療には眼圧(目の底の血圧)を下げる目薬を主に使用します。

 ところがこの緑内障の目薬というのは、大体において「しみる、さしにくい、おまけに値段が高い」の3重苦が伴っており患者様に大変不評です。更に悪いことには目薬には「緑内障を治す・良くするまでの効果は無く、ただ進行を食い止めるだけ」なのです。

 そのため、最初は目薬をさしていてくれた患者様でも段々と「頑張っても治らないならつまらない。元々自分では全く自覚症状もなくて健康だと思うし、もう治療はやめたい。通院も今日で最後にして欲しい。」と言われてしまうことがたまにあります。言わないまでも心の中でそう思っている患者様はきっと多いと思います。。。。

 でも、この緑内障、 どうしても絶対に治療を続けて頂かなくては困る  のです。以前にも書いていることなのですが、とっても大切なことなのでその理由を今日も改めて説明しましょう。

 まず繰り返しになりますが、緑内障とは「眼圧(眼底血圧)がその人にとって高いことで目の神経が壊され、その結果として視野の中に見えない部分や見えにくい部分が出来てくる病気」です。

 この緑内障による見え方を表す図としてパンフレットなどには、

R0050246.JPG

 よくこのような説明図が載っています。「こんな風に見え方が欠けていたら誰でも自分で気付くはずだろう。私は全然そんなことないし、先生は緑内障っていうけどほんとなのかな?」と疑っている緑内障の患者様がたくさんいらっしゃいます。

 でも、実は、 緑内障での実際の見え方はこのようなものでは全く無い  のです。。。

R0050236.JPG

 上の図では道路に飛び出してしまったボールを拾おうとして、車の陰から子供が2人猛ダッシュしてきています。正常な方なら上記のように見えるのですが、もしも緑内障があると、、、、、、

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初期でも車と子供達が消えてしまっています!

 緑内障が進行すると見え方は更に次のように変化していきます。

R0050240.JPG

R0050242.JPG

↑ このくらいの見え方でも自分では正常と思っている患者様はたくさんいらっしゃいます。

 お解り戴けたでしょうか? 実は緑内障というのは、

よほどの末期にならない限りは自分ではなかなか気付けない病気なのです。だから恐ろしいのです。

 どういうことか別の角度から説明しましょう。

R0050244.JPG

 我々の頭というのは物凄く良く出来ています。視野が欠けてしまっても、頭でそれを補正することが出来るのです。そのため、上の図では本来見えていないはずの花びらがなんとなく見えるように感じてしまうのです。

 そしてこの緑内障、 良くはならないが悪くはなる  のです。なので、出来る限り初期から治療を始め、その進行を食い止めて生活に支障が出ないようにする、ことはとっても大切なことなのです。

 今でも毎月のように、「急に目の異変に気付いて我々眼科専門医のところに大慌てで駆け込んできたけど、すでに失明寸前で手遅れ!」 という患者様が多くいらっしゃいます。

 現在緑内障を発見されて治療中の患者様は、実は病気をコントロールできているわけなので とってもラッキー  ということも出来るのです。なので、イヤになって通院をやめたりせず、是非我々眼科専門医と一緒に頑張ってくださいね。






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最終更新日  2011.08.25 15:05:43


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