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しばらく前に朝のニュース番組をテレビで見ていると、「常識チェンジは何故起こる?」という興味深い特集をしていました。
この中では新しく常識になった例として、ハチに刺されたらおしっこをかけるのではなく冷やして病院へ行くこと、鎌倉幕府が開設されたのは1192年(イイクニ)ではなく1185年(イイハコ)に変わったこと、などが紹介されていました。
私も「へーえ」と思いながら見ていたのですが、その中で偶然眼科の話がありました。それは、「水泳後の目の洗浄はほどほどに」というものでした。その内容を具体的に見てみましょう。
番組ではあるスイミングスクールで、子供たちが水泳後に目を洗わないことが常識となっていることがまず報告され、それに出演者が驚いて「どうして?」と疑問を持つという流れでした。
そこで眼科学会の偉い先生が登場し、
プール後の目の洗いすぎが良くない理由を説明しました。
我々の眼の表面と言うのは、上から油層、水層、ムチン層(分かりやすく言うと納豆のネバネバのような層。眼の表面を守るのに重要な役割をしている)の3層があるのですが、目を洗いすぎるとこのムチン層が剥がれ落ちてしまい、
そこにバイキンが付きやすくなってしまうのです。
そのため大切なことは、水泳をする時には必ずゴーグルをつけて雑菌の多いプールの水が目に入らないように予防した上で、目の洗浄はほどほどにする、ということなんですね。
ただこの話で難しいのは、実は学校の教育現場では「水に慣れさせる」目的でゴーグルの使用を禁止し、付けずにプールの中で目を開かせる、という我々眼科専門医からすると卒倒しかねないような、危険で野蛮な行為が平気で現在でも行われているという事実があるからなんですね。ゴーグルを付けずにプールに入るのであれば、その後に軽く洗眼することは理にかなっている部分があります。
本当はゴーグルさえしていれば「水泳後の目の洗浄は不要」が正解なのですが、学校現場の実態を踏まえて「水泳後の目の洗浄はほどほどに」を正解としているのです。
ちなみに、私の日記ではすでに2009年の4月に、 プール後の洗眼は悪影響 という題で、水泳をした後に目を洗うことは効果が無いばかりか逆に危ないということをお伝えしています。
以上をまとめると、
1. プールに入るときは必ずゴーグルをする。その場合は洗眼は不要。
2. 学校の先生が「ゴーグルしたらダメ!」と言うときは、仕方が無いのでプールを出た後に軽く目を洗う。
のが正解ということになります。皆様もこの「眼科の新常識」、是非覚えて置いてくださいね。
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