にしわき眼科クリニック。

にしわき眼科クリニック。

2013.11.15
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カテゴリ: 外来診療一般
さて次は日本でも患者様数が激増の一途を辿っている加齢黄班変性(AMD)の最新の話題の中で印象に残った話です。

 病気は何でもそうですが、「未病」の状態で進行しないのが一番です。その意味でAMDは初期であれば進行予防の専用のサプリメントが一番お勧めです。もちろんある程度進行してしまっていてもサプリメントは非常にお勧めできます。というのは、 AMDに関しては「サプリメントが効く」ことが実証されている  からです。

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 2001年にアメリカで画期的な大規模なスタディ、AREDS1(エーレッズワン)が行われました。そして上記のスライドのように、

抗酸化ビタミン(ビタミンA+C+E)+亜鉛 を投与するとAMDの発生が約25%少なくなることが分かった

のです。これは「レベル1エビデンス」の凄いデータでした。そしてこのことよりAMDの患者様は専用のサプリメントを飲んだほうが良いと我々眼科専門医は自信を持ってお勧めできるようになりました。

 そしてその後サプリメントの内容を更に改善するべく、

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 AREDS2が進行中でした。これは分かりやすく言うと  ルテインとEPAの効果を見よう  というものでした。

 ルテインは、ほうれん草やブロッコリーなどの色の濃い緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドの一種で、目の「水晶体」と「黄斑部」に多く存在しています。ルテインの働きとして、まずは光そのものを遮る働きがあります。また、紫外線などの有害な光の一部が網膜に達してしまいそれにより酸化ダメージを受ける危険性が生じた場合でも、抗酸化作用によってそれを防止します。ところが体内のルテインは、加齢や、紫外線を浴びたり、煙草を吸ったりすることで少しずつ消費され、減少していきます。そしてルテインは体内で自力では生成できないため、日々の食事を通じて継続的に摂取することが大切なのです。

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 逆に言うと、最近の我々日本人は食生活の欧米化で慢性野菜不足に陥り、目にとって大切な成分であるルテインが足りなくなっているせいでAMDが激増している可能性があるわけです。ルテインは具体的には網膜にAMDを引き起こす新生血管(CNV)の発生を抑制してくれます。

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 ちなみにこのルテイン、まずいことで有名な青汁に大量に含まれています。私は眼科専門医として末永く八幡浜地域の皆様のお役に立てるよう、毎日2本ずつ宅配してもらってクリニックで飲んでいます。本当はクリニックのスタッフの皆にも目の健康維持のために強く勧めているのですが、「臭いから絶対イヤ。」と言って誰も飲んでくれないので、仕方なく毎日1人で飲んでいます。(笑)

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 次にEPAですが、ブリやマグロ、カツオ、サバなどの青魚や、ウナギ、アナゴに多く含まれる栄養素です。このEPAは血液をサラサラにして血行を良くして、血栓症や動脈硬化を防ぐ効果があります。また、炎症が起こりにくい体質になる効果があり、これがAMDの進行予防に大きな効果があると考えられています。

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 以上をまとめると、

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 ルテイン摂取で新生血管(CNV)を抑制し、EPA摂取で目の中に炎症を起こさない体を作ることで、怖い病気AMDの進行をより強力に抑えるサプリメントが出来るだろうと期待されていたわけです。

そして今回のセミナーではこの期待の「AREDS2」の結果がついに発表されました。その驚くべき内容は、、、、(続く)






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最終更新日  2013.11.15 20:25:17


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