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緑内障で眼圧を下げる目薬を点して頂いている患者様から、
眼圧を目薬で下げすぎたらヤバくないですか?
と言う質問を頂きました。
なかなか鋭い視点ですね。今日はこの問題について考えて見ましょう。
私たちの目の玉はボールのようなものなので、眼圧が低すぎるとペコペコになってしまいます。そうですね、最低でも5mmHg(単位はミリメートル水銀柱)程度はないと、「低眼圧黄斑症」といって視力が下がってしまいます。その意味では確かに「眼圧は下げ過ぎたらヤバい。」のは事実なんですね。
ところで緑内障の方の眼圧についてですが、12mmHg(単位はミリメートル水銀柱)以下にコントロールできると視野障害の進行がグッと抑制できることが知られています。そのため私達眼科専門医は常にこの数字を念頭において患者様の治療に当たっていますが、現実的にはそこまで眼圧が下がらない方が多いです。
その理由ですが、実は目の中の水の出口(上強膜静脈)の眼圧が大体8mmHgなので、目薬だけの治療では理論的には最大でもそこまでしか下がらないのです。
なので、目薬の治療だけでペコペコになるほどに眼圧が下がり過ぎるということはほとんどないと考えて頂いてよいと思います。つまり、
目薬だけでは(悪い意味で)ヤバいレベルまでは眼圧は下がらない
ということなんですね。