2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
全7件 (7件中 1-7件目)
1
あまりにも 早く 目が醒めた。窓を 開けると ひんやりとした外気が 気持ちいい。籐椅子に 横たわり 暗闇の中で 朝を待った。赤い満月が 西の森へ 沈もうとしていた。淡い水色の空が 東の方から 少しづつ 広がり始めた。そよ風すらなく 森は まだ 闇の中で 眠っていた。混沌の 天と地が 別れ始め遠い山脈の 稜線が 影絵の様に 浮かび上がってきた。空は 刻々と 明るさを増し森が 目覚め始めた。うぐいすが 優美な声で 歌いだしたしばらくすると ヒヨドリたちも 甲高い声で 歌に加わり 不思議な 合唱が 続いていった。突然山の稜線から 太陽が 顔を出し暖かい 金色の 光が 全てを 包み込んでいった。光は 風になり森の若葉が 命のダンスを 踊り始めた。
2005年04月26日
コメント(4)
もしも 人とは何かと 問われたら「思考を持つ生き物」 あるいは 「思考そのもの」 と 答えるだろう。思考 は 芸術や医学を 作り上げ 人の 心と 体を 癒してきた。けれども遥かに 多くの 傷を 残してきた。永い永い 歴史の中で人は 思考 に あやつられ 自分と 他人を 傷つけてきた。傷は 辛い経験の 記憶と感情だ傷は 苦悩 そのものだ。だけど思考 は 決して 傷と共に 生きようとは しない 娯楽 芸術 セックス ドラッグ 精神分析 皮肉 反抗 暴力 嘘 宗教 思想 主義 戦争・・・ ありとあらゆる 行為で 傷を 癒し あるいは 逃避する。たとえ今日 癒され 逃れえたとしても 明日には その行為 自体から あるいは 周囲の 行為から新たな 無数の 傷が 生まれてくる。終わりなき 傷と行為の 無限ループこれこそが 破滅への 螺旋階段これこそが 恐るべき 心の メカニズム。思考 は 最初から 間違えていたのだ傷が 原因でありそれを 癒せば 苦しみは 終わると。思考 は 一度も 気づかなかったのだ思考 そのものが 原因であるとそのメカニズム こそが 原因であると。このことに思考自身が 完全に 気づいたとき初めて 自身の限界を 思い知るそして初めて 謙虚さを 身につける。この謙虚さ のみが傷と共に 生きることを知り 苦悩を 終わらせる。
2005年04月20日
コメント(0)
朝から 抜ける様な青空だった。公園の奥にある 小山の 細く急な階段を 数分で上りきると小さな あずまやに 辿り着く。木製の 簡素なテーブルとベンチが しつらえてありそこに座って 乱れた息を整えた。小山は 全体が草地になっており 見晴らしがとてもいい。公園の境界を走る 道路の向こう側は10年以上も前に造成された 広い宅地が拡がっている。しかし 一人の買い手もつかず今では 白砂と新緑の草原となってしまった。町の議員と役人たちの計画だった。昔 この土地には 黒々とした ボタ山が そびえていた。彼らは それを 全て けずり取ったのだ。心の中にしか存在しない ボタ山が幼いころの 記憶の断片を よみがえらせた。あの日 落盤事故が起きた。いつまでも続く 太くきびしい サイレンの音。女たちの こわばった顔と 祈り声。坑口から 続々と 引き上げてくる鉱夫たちの真っ黒な顔と 悲しげな まなざし。それらが あの日の 記憶だった。貧しく 正直で まっすぐな 男と女たちがこの地で 命を懸けて 生きていたのだ。あれから 永い時が過ぎあの懐かしい香りは 消え失せ黒一色だった色彩も 今では 明るい新緑となっている。空の上には 一羽の ひばりが いつまでも 楽しげに 歌っていた。
2005年04月17日
コメント(0)
宗教者は 残酷だ民衆よりも 信仰を 愛している。科学者は 無責任だ未来よりも 名声を 優先する。資本主義者は 強欲だお金で 買えないものはないと 思っている。共産主義者は 嘘つきだ真実を プロパガンダで 作ってしまう。民族主義者は 子供の様だ自民族が 世界で一番 優れていると 思い込んでいる。平和主義者は 偽善的だ自分だけには 暴力性はないと 思っている。彼らは それぞれに 理想家であり人間よりも 理想の方がずっと ずっと 大事なのだ。目を開けて あるがままに 見るがいい数十万年の 時をかけ幾百万の 理想家と幾百億の だまされやすい 民衆が嘘と 服従と 殺戮を 数限りなく繰り返し この狂った世界を 築き上げたのだ。
2005年04月16日
コメント(1)
町外れの きれいに手入れされた小さな公園が 好きだ。雨でなければ 毎日のようにここに来て 散歩する。中央には 少し広い池があり晴れた日には 亀たちが 池のふちに上陸し 首をいっぱい 伸ばして ひなたぼっこする。昨日までの 雨と風は すっかり止み上空は ひたすらに青い。陽光が新緑に 降りそそぎ 眩しい。朝露が キラキラし世界は 悲しいほどに 美しい。
2005年04月15日
コメント(2)
世界中の 古傷が 疼き始めた。傷は 狂信や 民族主義という 炎を発し周りと 自らを 焼き尽くすだろう。数十万年ものあいだ 繰り返される火炎地獄への 螺旋階段これが 人間の歴史だ。宗教は 数千年にも渡って主張し続けてきた。傷を癒やすことは可能だ・・・と。しかし 何一つ癒せなかったただ 傷を益々大きくし 腐臭を放つまで 悪化させた。哲学も 科学も 共産主義も あらゆる思想も 政治も傷を癒すことはなかった。ただ 大量の技術と 殺戮兵器を作り出し新たな傷を 増やし続けた。腐臭は 世界を覆い皮肉と偽善 快楽と暴力 嘘と野心が 文化となった。数百万年という 永い永い旅路の果てにようやく人間の限界が見えてきた。人々は 気づいているだろうか袋小路へ はまった事に。
2005年04月15日
コメント(0)
朝から 強い西風が吹き荒れていた。東に見える 小山の常緑樹たちは 真正面からの風を受けて大きく首を振り 悲鳴をあげながら 銀と濃緑のウエーブを 繰り返していた。空には 太陽も 青空もなかった。べっとりと重い 鉛色の雲たちが 小山のすぐ上を 獣に追われるように 走り去っていった。昨日まで 美しく咲き誇っていた 桜の木々は 嵐の一部となり もはや見る影もなかった。はるか西の空では 雷鳴が 遠く低く 憎しみをこめて うなっていた。暗い予感が 海を越え 島々を 覆い始めた。
2005年04月15日
コメント(0)
全7件 (7件中 1-7件目)
1


![]()