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2008.07.25
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島田荘司『嘘でもいいから誘拐事件』


『嘘でもいいから殺人事件』 に続く、シリーズ第二弾です。今回は、二編の中編が収録されています。それでは、それぞれについて内容紹介と感想を。

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「嘘でもいいから誘拐事件」
 1981年8月。
 「こんばんワン」と鳴く犬を撮りに行こう!また「やらせの三太郎」の変な企画が立ち上がった。舞台は、宮城県鳴子町鬼首。ゴンドラで上がったところにあるペンションにその犬はいるというが、ゴンドラで事件が起こる。ボク―タックと、ターボの次に乗ったはずの、タレントが消えてしまったのだ。心配しながらもペンションで過ごすボクたちの前には、赤い顔の鬼が現れて…!?

 鳴子町鬼首、懐かしいです。仙台にいた頃、年に何度か県北に行ったことがあるのですが、その中で行ったことがあります。私が、三太郎さん同様に「鬼首」の地名にテンション上がっていたことはいうまでもありません…。
 さて、本作。あんまり深くは言えませんが、ある意味では前作がミスディレクションになり(私が勝手にある思いこみをしただけですが)、私の予想は外れてしまいました。…事件はともかく、今回もかなり笑えました。

「嘘でもいいから温泉ツアー」

 三太郎はプロデューサーに昇進したもののまったく変わらず(むしろ、タイアップしまくるという新たな技?も獲得)、ボク―タックはディレクター、ターボはアシスタント・ディレクターとなったものの、結局3人は相変わらずの関係だった。無口なミキシング・エンジニアに、喋りまくりの小朝田サードADと、新たなメンバーも加わって、軽石組が向かうのは五色温泉。温泉の色が急に変わるなど、やっぱり三太郎のやらせはとどまることを知らないが…。
 今回の旅も大雨におそわれ、パトカーがスピンして転落する現場に居合わせたり、そして宿では恐ろしい事件が待ち受けていた。

 今回もまた、テンション高いです。謎は小振りですが、とにかく勢いがあって楽しくて、どんどん読み進めました。
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 前作はミステリとしての謎もなかなかに魅力的でしたが、今回は謎自体は前作ほどでないにしても、その分ユーモアが押し出されているようにも思います。
 本作以降このシリーズは出ていませんが、果たしてタックたちはどうしているのでしょうか。





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Last updated  2008.07.25 06:43:25
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