のぽねこミステリ館

のぽねこミステリ館

PR

Profile

のぽねこ

のぽねこ

Calendar

2009.02.16
XML

森博嗣『人形式モナリザ Shape of Things Human』
~講談社ノベルス、1999年~

 Vシリーズ第2作です。今回は、夏休みに遊びに行った長野県で、紅子さんたちが事件に巻き込まれます。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
瀬在丸紅子、29歳/保呂草潤平、28歳

 7月。
 小鳥遊練無と友人の森川素直は、長野県の別荘地、蓼科にある美娯斗屋というペンションでバイトをしていた。そこに、練無の友人の香具山紫子、保呂草潤平、瀬在丸紅子がやって来る。
 3人がペンションに訪れた日、保呂草と紫子は霧ヶ峰美術館を訪れる。ところがそこでは、絵画の盗難事件が発生していたという。紫子は、その絵画を描いた画家、中道豊と話をする機会を得た。犯人は凄い盗み方をしたというのだが…。


   *

 そして、保呂草たちが、ペンションの人々とともに「人形の館」を訪れ、観ていた人形文楽の舞台で、事件は起こる。文楽で有名な岩崎雅代が、麻里亜をまるで人形のように扱うその舞台の上で、とつぜん麻里亜が血を吐いて倒れた。林と祖父江も訪れており、観客の足止めなどの措置はとられたものの、「人形の館」の中は騒然とする。さらに、紫子たちが雅代の安否を確認に行くと、彼女もまた背中をナイフで刺されて死亡していた…。
 保呂草たちは、6月の事件に続き、この事件の謎に挑む。
ーーー

 数年ぶりの再読でしたが、シリーズ第2作から、祖父江さんも登場し、美術品の窃盗事件も起こっていたのかと、新鮮な気持ちでした。
 『黒猫の三角』も衆人環視状況での密室殺人事件でしたが、今回は密室の要素は薄いものの、衆人環視状況という点は共通します。そして、殺人はいかに行われたか、という点も興味深いですが、今回はその動機も興味深いです。S&Mシリーズ以上に、動機はどうでも良い、という論調は強いですが、逆説的に(?)、動機も重要な要素になっている、というか。

 さて、今回は、主要人物についていくつかのデータをメモにしておきます(そろそろ、人物関係を把握して、次シリーズ以降の再読に備えなくては)。

(年齢はこの事件時点=某年7月)
・保呂草潤平(28歳)…探偵。なんでも屋。
・小鳥遊練無(19歳)…国立N大学医学部2年生
・香具山紫子(19歳)…私立大学文学部2年生

・瀬在丸紅子(29歳)…科学者。「桜鳴六角邸」離れの「無言亭」に住む。
・へっ君(小学6年生)…紅子の息子。
・根来機千瑛(?)…瀬在丸家の使用人。練無が通う道場の世話役。
・林(39歳)…愛知県捜査一課の警部。紅子の元夫。12年前に結婚(当時27歳)。6年前に離婚。
・祖父江七夏(28歳)…林の部下、愛人。離婚歴あり。林との間に娘あり。




失われることは、悪いことではないのだ。

 万が一にでも、美しい形が生まれることがあれば、尚更だろう。
 その希望こそが、生きる動機ではないか。
( 42 頁)

(2009/02/11読了)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.02.16 06:35:40
コメント(4) | コメントを書く
[本の感想(ま行の作家)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 第2部第…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 脳科学に…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: