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2009.02.22
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~中公文庫、2006年~

 筒井さんのエッセイ集です。断筆宣言後に書かれた100のエッセイが収録されています。
 本書は、以下のように、9部構成となっています。

I.現代世界と文学のゆくえ
II.表現の自由に関する断章
III.予想がつかぬ意外性
IV.すぐそこにある豊穣
V.時代を見る眼と通時性

VII.約1トンのコーヒー
VIII.筒井家覚書
IX.映像化された哲学的思考

 簡単に、それぞれの部に収録されたエッセイの傾向について書いておきます。
 第I部は、筒井さんが監修を手がけた、岩波書店『21世紀 文学の創造』への寄稿文など、文学論を扱ったエッセイを集めています。

 第II部は、標題通りですね。断筆のきっかけとなった、日本てんかん協会の会長への回答や要望、あるいは断筆解除の際の覚え書きなどが収録されていて、興味深く読みました。

 第III部、第IV部は、書評集といえます。第III部はいろんな作家の作品への推薦文、第IV部は三島由紀夫賞選評など、選評集となっています。

 第V部は、筒井さんと親交のあった星新一さんや半村良さんの思い出や、思い出の本、ミステリなどについてのエッセイを集めています。

 第VI部は、自作についてのコメントを集めています。筒井さんによる『悪魔の辞典』の邦訳も未読ですが、ここでは『わかもとの知恵』という本が気になりました。子供向けの雑学本とのことですが、面白そうです。

 第VII部は、食事に関するエッセイが中心です。

 第VIII部は、筒井さんご自身に関するエッセイを中心に、雑多なエッセイを集めた感じです。ここに収録された「読み、語り、聞かせること」というエッセイを、とても興味深く読みました。子供に読み聞かせをする大切さを説いた文章ですが、今後も大切に読み返したいと思いました。私は子供の頃は読書が嫌いだったのですが、アンデルセン童話やグリム童話、あるいはギリシャ神話などなど、主要な物語を知らないことが現在とても悔やまれます。もちろん、童話や寓話、神話は、年を重ねてからもあらためて見えてくることがあるわけですが、将来子供をもつことがあれば、いろんな物語を聞かせてあげたいと思っています。




 職場でのお昼休みの友に少しずつ読んだのと、最近記事を書くのが疲れ気味のこともあり、簡単ではありますが、このあたりで。記事を書くのも無理なく、ゆったりのペースにするとしましょう…。

(2009/02/20読了)





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Last updated  2009.02.22 07:34:09
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