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2009.10.08
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~講談社ノベルス、2002年~

 秋月涼介さんの第二長編です。ノンシリーズ作品です。こちらも、先日紹介した佐藤友哉さんの 『クリスマス・テロル』 と同じく、密室本のかたちで刊行されました。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
 7年前に起こり、迷宮入りになった事件がある―。 若槻恭太郎が下宿している北龍館のオーナー、北条霞美は、下宿者たちを呼び集め、そんな話を始めた。有名な建築家、東間真介の建てたその屋敷は、迷路のようになっていて、地下には迷宮があるという。屋敷では、真介の妻が首を切断されて絶命されており、密室状態になった迷宮の中心には、赤子の死体があったという。一部の週刊誌などでは、左手を失い、再生を願っていつも迷宮に入っていた真介が、赤子になって発見された、などという荒唐無稽な話まで作られているようだった。
 霞美はその行動力から、事件関係者にアポをとり、関係者に話を聞いてまわるとともに、その屋敷の見学をさせてもらうという。そして、そこに下宿者たちも同行するようにと求めるのだった。
 真介の養子にされるはずだった、当時屋敷に同居していた画家は、精神がどこか錯乱したようになっていた。

 そして、屋敷の地下には、真の闇に満ちた迷宮があった。
 七年前の密室事件の真相が、次第に明らかにされていく…。
ーーー

 シンメトリーになった屋敷の構造と同じく、章立てもシンメトリーになっていて、なんというかすっきりとした綺麗な構成だなぁと思います。霞美さんたちは過去の事件について、おおまかにしか知らない(それこそ新聞記事や週刊誌の記事程度の情報くらいの)状態から始まり、次第に事件の状況を知っていくという、往路の章。そして、迷宮の中心で事件解決の糸口がつかめた後、次第に事件が解明されていく復路の章。綺麗だなぁと思います。
 復路の章で事件が解明されていく過程を、わくわくしながら読みました。

(2009/10/04読了)





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Last updated  2009.10.08 06:51:52
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