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2017.08.23
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~教文館、2010年~
(John Harper, The forms and Orders of Western Liturgy , Oxford, 1991)


 キリスト教といえば、ミサなどでの祈り、そして音楽が切っても切り離せません。
 本書は、邦題どおり、「キリスト教の典礼と音楽」が、中世にはどのようなものだったのかを示す、教科書的な一冊です。たいへん丁寧な作りで、訳も素晴らしいと思います。
 原著者のハーパー教授は、バーミンガム大学で博士号を取得後、同大学講師やウェイルズ大学での音楽家教授などを歴任し、(邦訳刊行当時は)ロイヤル教会音楽校校長として教会音楽振興のために活動されているそうです。
 訳者の一人、那須輝彦先生は、本ブログで紹介したことのある文献でいえば、 堀越宏一/甚野尚志編『15のテーマで学ぶ中世ヨーロッパ史』ミネルヴァ書房、2013年 の第15章「ヨーロッパ音楽の黎明」を担当されています。
 さて、本書の構成は次のとおりです。

―――
謝辞
はじめに


 序章 典礼とはなにか
 第一章 キリスト教会の典礼の形成―歴史的概要
 第二章 中世の教会と典礼
第二部 中世の典礼
 第三章 典礼暦年と教会暦
 第四章 典礼のための諸書
 第五章 詩篇と詩篇唱集
 第六章 聖務日課
 第七章 ミサ
 第八章 行列とそのほかの付加的な儀式
 第九章 聖週間と復活祭

 第一〇章 トリエント改革
 第一一章 英国国教会の典礼(1549-1662年)

付録1 教会暦上の主要な典礼季節と祝日
付録2 詩篇唱集
付録3 頻出する聖歌の歌詞対訳


参考文献一覧
教会用語集
訳語対照表
索引
―――

 付録が充実しています。なかなか定訳のない言葉もある中で、原語と本書での訳語の対照表があるだけでなく、教会用語集も付けられていて便利です。本文中にも、適宜訳者による補足がなされていて、とても丁寧に作られています。
 本書はもともと、ハーパーが中世音楽の入門クラスを教えることになったとき、中世の典礼に関する手引書がなかったため、自分で書こうとされたことで生まれた一冊だそうです。ということで、教科書的で、基本的なことが丁寧に記されています。
 内容についてメモすることは省略しますが、手元においておき、適宜参照するのに便利な一冊です。

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Last updated  2017.08.23 22:28:03
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