江國香織『泣かない子供』
~角川文庫、 2000
年~
江國香織さんのエッセイ集です。
印象に残ったエッセイをいくつかメモしておきます。
唐突に学校を休み永平寺に座禅を組みに行った思い出を記す「俊英さん」。雲水さん(修行僧)たちがまるで体育教師のようだったことから始まり、タイトルの「俊英さん」とのほろ苦い思い出が語られます。人を思うとはこういうことか、としんみりします。
残酷な描写を含む、たとえば『グリム童話』などを子供に読ませて良いか、という議論への江國さんなりの回答を示す「人喰いよりもこわいこと」も印象的です。ここで紹介されている、野村滋『グリム童話―子どもに聞かせて良いか?』という本も気になりました。
どこまでがオリジナルでどこまでがフィクションか、という問いは「頭悪い」という率直な意見が書かれた「虚と実のこと」は、リアリティやファンタジーへの思いも記す「なぜ書くか」と併せて印象に残りました。
その他、5部構成となっている本書のうち、第3部はまるまる本の紹介(2つの読書日記も含む)になっていて、どれも興味深く読みました。
(2020.12.22 読了 )
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