川端康成『みずうみ』
~新潮文庫、 1991
年(改版)~
川端康成さんによる長編小説です。
ある日、つけていた女性にハンドバックをぶつけられ、返そうとするも女性は逃げてしまいます。銀平は、ハンドバックに大金が入っているのを確認し、その大金を持って逃亡します。
そしてトルコ風呂で、声の美しい女性のマッサージを受けながら、過去の様々なこと―母の里のみずうみ、いとこの女性との関係、教師時代に教え子と持った関係など―を思い出していきます。
犬の散歩をしていた女性にも惹かれ、そのあとをつけていくのですが…。
中村真一郎さんによる解説がわかりやすいのですが、本作は、銀平さんの一人称で物語が進行するというより、なにかのきっかけで思い出す過去のエピソードや空想が、つまり銀平さんの「意識の流れ」が描かれます。なんとも不思議な物語です。
発表当時はなかなか衝撃的で、解説によれば、「それまでの川端文学の追随者たち、理解者たちの何人もが、この新作に接して困惑し、嫌悪を表明した」 (150
頁 )
とのことです。
(2021.07.19 読了 )
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