高田崇史『試験に出ないパズル 千葉千波の事件日記』
~講談社ノベルス、 2002
年~
千葉千波の事件日記シリーズ第3弾。5つの短編が収録されています。
「《9月》 山羊・海苔・私」
川渡しの問題が現実に…。鞄を奪って逃げた犯人は川の向こう岸へ。こちらには二人しか乗れない舟が一艘あるだけ。いろんな人間関係などから、ダメな組み合わせがあり、千波くんは一生懸命組み合わせを考えますが…。
「《 10
月》 八丁堀図書館の秘密」
図書館で関連のなさそうな3冊の本を読む男。彼は警察にマークされた密売人で、本は引き渡し人を示す暗号となっているようだが。
「《 11
月》 亜麻色の鍵の乙女」
千波くんの学校の文化祭に参加した僕たち。7人の乙女を探し、キーワードを聞き出して暗号を解読すれば、景品がもらえるとのことで、奮闘するが、最終的に、8人の乙女からキーワードを聞いてしまった。偽の乙女は誰なのか、その正体は。
「《 12
月》 粉雪はドルチェのように」
千波くんがクリスマスにフルートを演奏することになっていた教会で起こった事件。ろうそくがなくなったと思えば、意外な形で戻ってきたり、子どもたちのパレードの予定順路を邪魔する形で雪だるまなどが作られていたり、また夜には奇妙な光景も目撃されていて…。
「《1月》 もういくつ寝ると神頼み」
初詣で、3組の老夫婦に話しかけられた千波くんたち。老人たちは、決して相手の名前を正しく言わないという特性がある中、その中の誰かが荷物を盗まれてしまった。
―――
9月、1月はパズルが小説になった体裁が強く、かなりシュールな感じです。有栖川有栖さんの解説にもありますが、そんな中でも 11
月と 12
月は物語性があり、特に 12
月は風情もあってよかったです。9月、 10
月に顕著な、パズル的解決への皮肉のような描写も印象的です。
また9月には、桑原崇さんと思しき人物も登場するのが嬉しいです。QEDシリーズと千葉千波シリーズと、カンナシリーズの一部しか読んでいませんが、シリーズごとにリンクしていますね。
(2021.11.27 読了 )
・た行の作家一覧へ 知念実希人『祈りのカルテ』 2026.06.14
高田崇史『QED 天河伝説、桜舞い』 2026.02.14
俵万智『生きる言葉』 2025.12.29
Keyword Search
Comments