京極夏彦『巷説百物語』
~角川書店、 1999
年~
小股潜りの又市さん、山猫廻しのおぎん、事触れの治平、考物の百介さんが活躍するシリーズ第1弾です。
―――
「小豆洗い」
大雨の夜、御行に声を掛けられ、小屋に避難した僧は、そこに集まる人々の百物語に参加することとなった。しかし、話が進むにつれ、僧は様子がおかしくなり…。
「白蔵主」
狐狩りをしていた弥作がある寺に向かう途中、奇妙な女につきまとわれる。意識をなくした弥作を助けた男たちが語ったのは、狐が和尚に化けるという話で…。
「舞首」
天下無双の腕前の悪五郎が、珍しく賭博場で暴れてしまう。賭博場の黒達磨の怒りがおさまらない中、殺人剣の又重郎も近くを訪れ、三すくみの状況が生まれるが…。
「芝右衛門貍」
村で人徳者として評判の芝右衛門は、芝居を見に行った際、孫娘が何者かに殺害されてしまう。その後、芝右衛門のもとに狸を名乗る男が現れ、風流を好む芝右衛門は貍に心を開いていくが…。
「塩の長司」
馬飼長者と名高い加賀の富有の評判が江戸まで届き、その近親者と思われる女性が見つかる。一方、馬飼長者をめぐる噂は、彼をたたえるものと批判するものの両極端で…。
「柳女」
ご神木と呼ばれる大きな柳のある土地にひらいた旅籠は繁盛していたが、現当主は、柳の枝に子供の首がからまって子供を亡くすなど、柳のたたりと言われていた。何人も妻がかわった当主のもとに、おぎんの知人が嫁ぐことになり…。
「帷子辻」
ある辻で、とつじょ、腐敗した女性の遺体が現れるという事件が起こり始めた。又市は真相解明に乗り気でなかったが…。
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おそらく刊行当初くらいに読んでいるので、 25
年ぶりくらいの再読ですが、あらためて、面白かったです。
それぞれの物語の主人公にまつわる謎と、主に百介さんの視点から語られる中で、又市さんの仕掛けのからくりの理屈もよく分からないという、いわば二重の謎解きが楽しめます。百介さんが理屈が分からないままに仕掛けに関わる様子は、どこか 『百器徒然袋―雨』
『百器徒然袋―風』
に登場する「僕」に通じるところがあると感じました。
本作で特に好みだったのは「芝右衛門貍」です。風流を愛する主人公の人柄が素敵でした。
(2025.02.08再読 )
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