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ヴァイオリン:小池彩織ヴィオラ:徳高真奈美チェロ:渡邉辰紀コントラバス:小笠原茅乃ピアノ:小埜寺美樹クラリネット:エマニュエル・ヌヴー(ゲスト)ミヨー/ヴァイオリン・クラリネット・ピアノのための組曲ボッテジーニ/クラリネットとコントラバスのためのグランデュオピストン/ヴィオラとチェロのためのデュオハルヴォルセン/ヴァイオリンとチェロのためのパッサカリアストラヴィンスキー(城谷正博編曲)/「兵士の物語」初回の演奏会でゲッツという作曲家の曲を演奏し、お笑い芸人のネタとも合わせてアンサンブル名にしてしまったという、「ゲッツ」の第4回演奏会。三軒茶屋にある小さなサロンは満員御礼、当日券を求める方を泣く泣くお断りしていました。クラリネットのヌヴーさんは東響の首席奏者。南フランスのキラキラした風が吹く。それぞれの音が小さなパステルカラーのタイルになってはめ込まれていくみたい。ボッテジーニはコントラバス界のパガニーニと言われ、超絶技巧満載。対してあくまでも優雅なクラリネット。ピストンは初めて聞く名前。辰紀さんのチェロは言わずもがな、ヴィオラがこんなにもふくよかな音だなんて、ちょっとビックリ。休憩時間にワインを一杯。お客様にヴァイオリンの大御所もいらしていて、その方がお隣でお茶休憩。なぜか緊張。石田&山本組で聴きなれたパッサカリア、奏者が違うとまったく違うんだなぁ。聴き比べると面白い。そして「兵士の物語」何回か聴いているのに、その都度結末を忘れているのはなぜだろう?兵士が勝った?悪魔が勝った?私は睡魔に負けて、後もう少しというところでうつらうつらし始めた時、ヌヴーさんのフランス語のセリフが。きれいな響きだなぁ。もちろん、何て言っているかわからないけど。小さな会場での濃密なひととき。日頃のあれやこれやを脇に置いて、身体の中が浄化されていく感じ。楽しかったな~。下界に降りたくないなぁ。
2015.06.07
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本日の「石田組」石田泰尚、塩田脩、佐久間聡一、村井俊朗(ヴァイオリン)鈴村大樹、原田友一(ヴィオラ)門脇大樹、田草川亮太(チェロ)モーツァルト/ディヴェルティメント ヘ長調K.138モーツァルト/ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調K.423ヘンデル(ハルヴォルセン編)/パッサカリアJ.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調BWV1004より 「シャコンヌ」メンデルスゾーン/弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20アンコールモーツァルト/ディヴェルティメント ニ長調K.136より2楽章U.K.(近藤和明編)/Caesar’s Palace Blues「コンサート行くの?台風来てるのに?」と心配する社長をよそに、浜離宮ホールへ。アフタヌーンコンサートというけれど、追加公演の夜の部参戦。築地市場駅って初めて降りたけど、結構魚のにおいがするのね。湿度が高いせいかな?まずはモーツァルトで耳慣らし。初めのうちは音の鳴りがイマイチ?と思ったりもしたが、徐々に楽器とホールと馴染んできて良い感じに。いや、良い音を求めるならもう少し後ろで聴けばいいだけの話なんだけど、彼らの演奏は目でも楽しみたいじゃない、ねぇ。で、今回石田さんをじっくり見て(!)わかったのは、あれだけダイナミックに動くのに、弦と弓の関係においてはまったく無駄が無いということ。弦を弓でこすって弾くものだから、密接にくっていているのは当然なんだけど、本当にもうぴたーって吸い付いている感じで、次の動作に滑らかに移ることが出来るというか…うーん、表現が難しい。左手の弦を抑える動きに注目しがちだけど、実は右手が凄かった!ってこと。何を今更?そんなの知ってたよ、っていう方々、ごめんなさい。そして、もひとつ。門脇さん、いいっ!真面目そうでおとなしそうなあの雰囲気で、パッサカリアでは石田組長に熱く対峙する。なんとなくだけど、石田さんも嬉しそう。神奈川フィルは良い奏者が多すぎて、個別に追っかけし切れないよ。シャコンヌは教会で聴いていたかと思うと、いつの間にか宇宙の始まりに遭遇するような、いつも言葉にならないものが胸に迫ってくる。終曲はメンデルスゾーンなのに西部劇みたい。荒野の八人?カッコいいなぁ。と、興奮冷めやらぬところ、アンコールのモーツァルトで一旦静め、最後の最後にプログレ!?なんだよ、カッコよすぎだよ。石田組長、カーテンコールでは左右バルコニー席にも頭を下げ、手を挙げて拍手に応える。組員たちもつられて、ちょっと照れながら手を振る。「帰るぞ。お前ら先に行け」とばかりに組員に退場を促し、「組長、お先にどうぞ」と待たれて「おう」とばかりに引っ込む。いいキャラだなぁ。愛されてるなぁ。立ち上がったら、肩、背中、足腰パンパンで、どんだけ力入れて聴いていたんだよ自分、と笑ってしまいましたとさ。
2015.05.12
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指揮:川瀬賢太郎コンサートマスター:石田泰尚レスピーギ/交響詩「ローマの噴水」レスピーギ/交響詩「ローマの松」レスピーギ/交響詩「ローマの祭」アンコールマスカーニ/「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲ローマ三部作。特に好きということもないけれど、一度に全て聴ける機会は滅多にないので楽しみではある。まずは「噴水」。キラキラ輝いていて、石田さんが噴水のように吹き上がる(笑)。チェロは山本さん、門脇さんのツートップ体制で、まずは門脇さんの落ち着いたソロ。山本さんが膝上で手をぱたぱたしていたの、見逃しませんでしたよ。「松」と言えば、白砂青松とか盆栽とか、極めて日本的なものしか浮かばず、ローマの街道沿いの松がイメージできない。初めて聴いた時は、「なんじゃ、このドンジャカぶりは!?」って思ったもの。今日も平尾さんのシンバルと神戸さんのティンパニ乱れ打ちに、私の心も乱されまくり。パーカッションが活躍する曲はステージ上か横で見たいなぁ。「祭」も更にパワーアップ。金管、打楽器のカッコよさもさることながら、間の木管さんの渋いこと。いぶし銀?そして最後は花火をドッカンドッカン打ち上げて、祭は終わったのです。アンコールの「カヴァレリア」が染みるなぁ・・・。終演後は年度初めの乾杯式。相変わらずご挨拶が長くてなんだけど、黒岩知事が「てっぺんを目指す」なんてぶち上げて、川瀬さん俄かに緊張。でも、てっぺんは確かに厳しいけど、かなり良いところまで来ているはず(上から目線?)だし、私にとっては国営放送オケや大新聞オケよりずっと上なんだけどね~。
2015.04.25
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指揮:川瀬賢太郎ホルン:豊田実加(首席ホルン奏者)ソロ・コンサートマスター:石田泰尚第一コンサートマスター:崎谷直人モーツァルト/ホルン協奏曲第3番変ホ長調KV.447ハイドン/交響曲第45番嬰ヘ短調「告別」シューマン/交響曲第3番変ホ長調「ライン」会場に着いたら、川瀬さんと、新任の副指揮者阿部未来さんのプレトークが始まっていて、慌てて着席。聴きどころ(見どころ)を頭に入れて、まずはモーツァルト。実加ちゃん(なれなれしい)はワインカラーのふんわりドレス。初めは緊張していたのかな。こちらも姉のような心境で見守る。でも、まろやかな音色を聴いて一安心。オケの皆さんも温かくバックアップ。うんうん。アンコールは大橋さん編曲のピアソラ「アヴェ・マリア」。ピアソラらしからぬ可愛らしい小品。お次はハイドン。プレトークで「当時にしては斬新」と言っていたように、ぐいぐい引き込まれるスピード感。不協和音一歩手前のゾクゾク感。こんなにカッコいい曲だったんだ~。最後の仕掛け、早く帰りたいと一人、二人抜けていく。わかっちゃいるけど、皆さんの演技力が光る。アニキに気を遣いながら小さくなって抜けていく崎谷さん。ついには指揮の川瀬さんもいなくなり、薄暗い舞台では石田さん、小宮さんのヴァイオリンデュオ。演奏終わっての握手。かなフィル女子にはたまりませんな。舞台袖に置かれた“めくり”を、引っ込む際に石田さんがぱさりとめくって「休憩」の文字。そして、とうとうと流れる「ライン」の川面。とうとうと、とうとうと・・・沈没。おかしいなぁ、シューマンて、シュナイトさんが振った時ですら最後までちゃんと聴けた試しがないような。シューマンさんにも、オケの皆さんにも申し訳ない。春は別れと出会いの季節。トロンボーン首席のゆきのん(府川さん、なれなれしい第2弾)がそっといなくなり、ヴィオラ首席に大島さんが着任。モーションが大きくて、指揮者挟んで左右でバランスが良い(笑)のはさておき、ヴィオラが引き締まって聞こえた気がする。トロンボーンの首席さんも早く決まるといいな。
2015.04.11
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昼の部ゴールドスタイン:コロキー岩田匡史:カンツォーネ・ファンタジードビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調ポッパー:ハンガリー狂詩曲バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番ニ短調カプースチン:8つの演奏会用練習曲より第1番「前奏曲」ポンセ(大橋晃一編曲):エストレリータ大橋晃一編曲:バードラプソディサルトーリ(大橋晃一編曲):コン・テ・パルティロ夜の部デューハースト:ブラジリアビゼー(大橋晃一編曲):カルメン・ファンタジーバッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調アルベニス(クライスラー編曲):タンゴガルデル:ポル・ウナ・カベサピアソラ:ル・グラン・タンゴカプースチン:8つの演奏会用練習曲より第1番「前奏曲」ヴァヴィロフ(大橋晃一編曲):カッチーニのアヴェ・マリア作曲者不詳(大橋晃一編曲):アメイジング・グレイス大橋晃一編曲:バードラプソディヴァイオリン:石田 泰尚チェロ:山本 裕康トロンボーン&テノール:倉田 寛ピアノ:城 綾乃パーカッション:秋田 孝訓曲目を打つだけでぐったりしてしまうのに、まさかまさかのダブルヘッダー。元かなフィルの倉田さん、お懐かしい。開演のアナウンスからして昼の部では、「自分もタバコすごく吸いたいけど我慢してるので、皆さんも我慢してください」「たまに携帯がぴろぴろ~って気になるので…」、夜の部では、倉田さんのオー・ソレ・ミオをバックに「うるさい」「まぁ~♪じゃなくて…」と石田さんの仕込み炸裂。そんな楽しいオープニング、演奏も楽しめない筈がない。大橋さん(編曲家でたまにホルンを吹く:山本さん談)の作品の数々は、そりゃあもう素晴らしい。紙面の都合上、曲の感想をひとつだけ、と言われたら、これは書かねば!な「バードラプソディー」。山本さんのチェロ・ソロ「白鳥(サン=サーンス)」をベースに、いろんな鳥が自然なつながりで出てきて、サンダーバードで行進したり、「翼をください」で客席と一体になって両手を振ったり、随所に小芝居も。演奏もさることながら、音楽家さんは芸達者だなぁ。横浜市鶴見区のサルビアホールという、ごく普通の多目的ホールだけれど、ピアノやパーカッションでジャジィな曲になるとちょっとしたライブハウスに、石田さんや山本さんがバッハを弾くと一瞬で教会にトリップできる(但し目をつぶったら)という、なんとも幅広く贅沢なコンサートでありました。
2015.03.15
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E.イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.27(全曲)第1番~第6番ヴァイオリン:石田泰尚正直言って、イザイさんは苦手なタイプ。だけど、石田さんだからと頑張って聴いてみると、苦手ながらもなかなか面白い。技巧的でとんがった曲あり、ノスタルジックな民族音楽あり。石田さんはそれらを大胆かつ繊細丁寧に弾いていく。苦手な曲を聴く時は、目をつぶって耐えているうちに眠りの世界へ、ということが多々あるのだけれど、今回は隣のオジサマとtuttiで心地良く船を漕いでしまった。2度の休憩を挟んで思いの外早く終わってしまった感じ。左手へろへろで、明日からも忙しいにも関わらず、アンコールは黒人霊歌のDeep riverで、相変わらずサービス精神旺盛な石田さん。ファンとしては嬉しい限りだけれど、どうかお身体大切に。
2015.03.07
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またまた、すごーく久しぶりにアップしてみた。生きてますよー。指揮:川瀬賢太郎ソプラノ:半田美和子チェロ:門脇大樹コンサートマスター:石田泰尚リゲティ/ミステリー・オブ・ザ・マカブルハイドン/チェロ協奏曲第1番ハ長調ハイドン/交響曲第60番ハ長調「うかつ者」まずはリゲティ。いやぁ、あれだけ声が出せれば気持ちいいだろうなぁ。半田さん、ただでさえ細身なのに、声を出すと腹筋がぐわぁっと動いて、お腹と背中がくっつくんじゃないかと思うほど。頭の天井も十分すぎるぐらい開いていて、歌う者の端くれとして、ただただ目を見張るばかり。ぷすぷす言ったり、オケメンバーが順番に立ち上がって何か言ったり、コンマス石田さんが「何言ってんの?」川瀬さんが「うるさいんだよ、オバサン!」なんて言って引っ叩かれて謝ったり、なんとも前衛的。原作はオペラらしいけど、一体どんな作品なのやら?ハイドンのコンチェルト。門脇さんのストレートでシンプルな音が心地良い。ごく普通の演奏。いや、これは褒め言葉なのですよ。ハイドンとかモーツァルトとか、「すげぇ上手い、感動した!」っていうのは違って、聴き手に取り立ててすごいと思わせず、普通に演奏しているように見せるのが難しい作品だと思う。だから、門脇さんて若いのにやるなぁ、と思ってしまった。アンコールのバッハもじーんとしたよ。オケのメンバーからソリストが出て、更に音楽堂で演奏すると温かいことこの上ない。「うかつ者」仕掛けがあることはわかっちゃいるけど、思わずぷっ。うかつ者担当は崎谷さん。石田さんにあんな風に見下ろされたら、びびっちゃうよね。今回の演奏会も楽しかったなぁ。このところいろいろ予定が入って、かなフィル演奏会を欠席することが多いけど、なんとか聴きに行きたいし、どうしても難しければ誰か代わりに聴きに行ってもらいたいな。「かなフィル、いいでしょ?」「うん、よかった!」ってね。
2015.02.14
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今年は神奈川フィルの「第九」が聴けなかったので、東京オペラシティで読響の「第九」を聴いてきた。指揮=レオポルト・ハーガー ソプラノ=アガ・ミコライ メゾ・ソプラノ=林美智子 テノール=村上敏明 バス=妻屋秀和 合唱=新国立劇場合唱団 合唱指揮=三澤洋史 ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調作品125「合唱付き」3階バルコニー席の後方だったせいか、耳が“かなフィルナイズ”されたせいか、第一楽章では何か違和感が。うまく説明できないので、単なる気のせいだとは思う。第三楽章から第四楽章へはほぼアタッカで、間を空けた時の「いよいよだ。よし、聴くぞ!」という客席(自分含む)の妙な高ぶりが少なくていいかも。バス妻屋さんはさすがの貫録。オペラで聴く時同様、深く張りのある歌声で安心して聴ける。お三方も悪くはないけれど、ちょっと不満足。まぁ、オペラシティホール、特にバルコニー席は第九を聴くには不向きなのかな。新国立劇場合唱団も安定の合唱。いいな~。何はともあれ、「第九」を聴いて今年も一年終わったな、と一息ついた。仕事はまだ後一日あるけど、クリスマスも終わったことだし、年末年始に向けてますます時が加速していくんだなぁ。
2014.12.25
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コンサートマスター・ヴァイオリン:石田泰尚ヴァイオリン:塩田修、鈴木浩司、崎谷直人、三原久遠ヴィオラ:鈴木康浩、富田大輔チェロ:門脇大樹、田草川亮太コントラバス:米長幸一チェンバロ:田中麻紀モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジークモーツァルト/ディヴェルティメントK.136ヴィヴァルディ/協奏曲集「四季」行けるかどうかわからず、チケット購入が遅くなったので、中央より後ろの席になってしまったのだけれど、これが逆に良かった。モーツァルトがなんともエレガントに響いてくる。ご近所の男の子がうとうとして頭を椅子にぶつけるくらい、極上の子守唄。さすが宮廷楽士たち。石田組で聴く「四季」は何回目?聴く度にイメージが違う。こないだ聴いたのは、春は花見で日本酒飲んで、夏はビールをぐいっといって、秋はワイン、冬は暖炉の前でブランデーティー…と酒飲み音頭的なノリだったのが、今回は、春は桜を愛でながらお抹茶を一服、夏はスポーツの後に麦茶をごくり、秋は穫れたて果物のフレッシュジュースをいただき、冬は膝上の猫をもふもふしながらココアで温まる。なんか、上品(笑)石田組長の号令で都度集まる組員さん。メンバーが固定していないからこその面白さかな。アンコールは「四季」から「冬」の第2楽章。演奏した曲の中から再度演奏するのがアンコール本来の姿だよね。終演後に漏れ聞いたお客さんの言葉。「とにかく繊細」「○○(某有名合奏団)より全然いい」うん、うん。このぬくもりと興奮が冷めないうちに駅まで帰りましょ。寒空の下、座間まで遠征した甲斐がありました。
2014.12.07
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日記はかなりサボっておりますが、コンサートへはちょいちょい行っております。今日から師走。ますますバタバタする前に、いい加減、忘備録程度に軽く書いておきましょう。11月23日、3連休中日のこの日はダブルヘッダー。まずは昼の部。アマチュアオーケストラのコンサートで、友人が久しぶりにホルンを吹くというのでお呼ばれ。会場はセシオン杉並。うちの合唱団の演奏会もここでやってたんだけど、もう4年近く開けていない。客席ではなくステージに上がりたいなぁ、などと思ってしまう。J.シュトラウス2世の「皇帝円舞曲」で華々しく幕開けの後、フォーレ、グノーとフランスもの。プログラム紙面に曲目解説は載っておらず、司会者が曲間に懇切丁寧に紹介してくれるという形式で、ちょっと面食らったけれど、難しい活字を追うよりは気楽でいいかも。しかし、最近のアマオケって上手いんだなぁ。フォーレのフルートソロは絶品だった。アンコールはグノー「アヴェ・マリア」心の中で口ずさみましたとも。終演後は慌ただしくYAMATO弦楽四重奏団20周年記念コンサート@サントリーホール(ブルーローズ)へ。石田さん、執行さん、榎戸さん、阪田さんのカルテットで、前半はハイドン「騎士」、グリーグの弦楽四重奏曲。騎士が王様に拝謁したかと思うと、手袋投げ捨てて決闘してみたり、狩りに興じてみたり、若くもあり、老練でもあり、想像力を掻き立てられる。グリーグは、聴く側もエネルギーの塊を受け止めるパワーが必要で、聴き終えると心地良い疲労感が。後半はピアソラやレッド・ツェッペリン、伊福部先生の「ゴジラ」でギュインギュインいってみよー。微妙な間合い(?)の阪田さんのMCも絶好調。CD弐を予約して帰宅。クリスマス前には届くでしょう。楽しみ。11月29日。午前中抜歯して、口内スプラッタでへろへろしながら「下丸子クラシック・カフェ」へ。カフェのマスター山田武彦さん(ピアノ)、司会役の常連マダム松本志のぶさん、本日のお客様はヴァイオリン石田泰尚さんとコントラバス黒木岩寿さん…のはずが、黒木さん、まさかの急性腰痛(いわゆるギックリ腰)だそうで、さすがに演奏は無理。そんなざわざわした雰囲気が、マスターの即興曲演奏で一変。お客様方の誕生月を12音に変え(例:2月=レ、7月=シまで行ったら8月=ド#に戻る)、その5つの音メインに組み立てて、フランス風だけど途中ジャズっぽいノリの曲をサラリと演奏。ヴァイオリン+コントラバスの曲から急きょヴァイオリン(+ピアノ)に変更になって、舞台裏ではかなり大変だったろうけれど、そんなことを笑い飛ばしてしまう皆さん。ドヴォルザークのソナタ(?)、マスターのオリジナル曲、ピアソラなど。後半は黒木さんもステージ上カフェでの会話に加わって、トーク炸裂。演奏できずもどかしい思いをされていることでしょうけれど、焦らず、でも早く治して下さいね。カフェでお茶しながら、お話ししながら、合間に演奏するという進行なので、曲数自体はそう多くない気がしたけれど、数えてみれば結構弾いていたのかな?穏やかな昼下がりという感じで肩の力が抜けてリラックスできた。最後は「チャールダッシュ」でビシッと決めて、石田さんがお初の人もこれでトリコになったはず。お茶とお菓子をいただいて(お菓子はお持ち帰り)、ほくほく帰宅しましたとさ。
2014.12.01
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指揮:金 聖響ピアノ:ギョーム・ヴァンサンフルート:江川 説子コンサートマスター:崎谷 直人クセナキス/ピソプラクタベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番ハ短調ブーレーズ/メモリアルラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲お久しぶりの聖響さん。まずはクセナキス。崎谷くん、チューニングしないの?と思ったら、そんなもの全く必要なかった。楽器の胴体を叩くやら、キュインと歯医者のような音しか出さないやら、誰がどこで間違ってもわからない現代曲。これは聴かなかったことにする(酷い)。もしここに、前回のぶらぼーオヤジがいたら、この曲でもブラボー言っただろうか?気を取り直してベートーヴェン。ヴァンサンさん、それほど力を入れていないように見えて、かなり音がデカイ。激情のベートーヴェン?でも、演奏自体は繊細で明るい色彩。クセナキスの緊張が解けて、うっかり船を漕ぐ。アンコールはリストのなんとかの6番とショパンのノクターン、2曲もいただきお腹いっぱい。休憩で眠気を覚まし、ブーレーズ。こちらも現代曲ではあるけれど、ちゃんと旋律があるので普通に聴ける。かなフィル首席の江川さんと、少数尖鋭の弦楽器によるフルート協奏曲の様相。ビブラートのようにふるふる震えるフルートが、なんとも儚げ。そして「ダフクロ」は、ここでも木管が美しく大活躍。フィナーレ「全員の踊り」では、今までの鬱憤(何に対する?)を晴らすかのように、踊りまくり、はじけまくり。崎谷くんが腰を浮かすと迫力満点。金管の皆さん、打楽器の皆さん、カッコいいっす。ティンパニ神戸さん、やっぱり目が釘付け。次回から、もう少し後方が見える席にしようかな?もう来期の定期申し込んじゃったけど。
2014.11.15
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石田泰尚・山本裕康デュオ・リサイタル in 建長寺ヴァイオリン:石田泰尚チェロ:山本裕康ベートーヴェン/3つの二重奏曲より第1番ハ長調バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番ト長調バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番ロ短調グリエール/ヴァイオリンとチェロのための8つの二重奏曲雨が降るかと思ったら、日が照ってきて暑いくらい。黒マントの石田さんがテルテルボウズになってくれたのかしら?今回も心を込めてご本尊様に「般若心経」を唱え、リサイタル開幕。建長寺でのコンサートは3回目。3回目でも畳で弾くのは慣れないという山本さん。確かに、石田さんの優しい美音も、山本さんの誠実な渋さも、より一層ストイックに聞こえる。聴いているうちに、そんなに気にならなくなったのだけれど。ベートーヴェンというよりはモーツァルトのような軽やかなデュオ。あまりに有名な無伴奏チェロ組曲第1番。休憩を挟んで次はヴァイオリン。山本さん曰く、「バッハを全曲演奏する人は本当に凄い人か、変態」だそうで、お二方がどちらかはおいといて、聴く者には計り知れない厳しさがあるんだろうな。グリエールは烏克蘭の人。ウクライナですって。読めました?明治8年~昭和31年までご存命だそうで、ちなみにベートーヴェンは明和7年~文政10年、バッハは貞享2年~寛延3年・・・って、お寺っぽく和暦で書かれてもわからんがな。で、初のグリエールはロシアっぽかったり、こまこました技巧を使ったり、なかなか面白い曲でした。アンコールはヘンデル(ハルヴォルセン編曲)のパッサカリア。オレンジ色の照明で、ぽかぽかと暖かく、お線香の良い香りに思わずうとうと。幸い椅子席をゲットできたけれど、背もたれがなく、気を抜くと滑り落ちそうで、聴く方も一種の修行(笑)?
2014.11.09
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指揮:湯浅卓雄ヴァイオリン&ソロ・コンサートマスター(後半):石田泰尚第一コンサートマスター(前半):崎谷直人エルガー/弦楽セレナーデ ホ短調コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調ソリストアンコール:フォスター/金髪のジェニーエルガー/交響曲第3番 ハ短調(アンソニー・ペイン補筆版)ロビーコンサートもエルガーの弦楽カルテットだった。後半ちょっとだけ聴けたけど、最初から聴くのは会社~駅をダッシュ、みなとみらいのエスカレーター駆け上がるくらいしないと駄目だな(無理)。かなフィルの弦の美しさはピカイチ。繊細で優しくて、セレナーデにぴったり。そしてコルンゴルト。ソリスト石田さんは最初から出ずっぱり。結構忙しく、華々しかったりするのだけれど、大海原を漕ぎ出す船上にぽっかり浮かんで波に映る月とか、砂漠のキャラバンを照らす月、カミソリのような鋭い月、猫の目のようなキリリとした月などなど、どこまで行っても月が追ってくる。夜道を守ってくれている。どこかひんやりした、だけど実は優しい月が、石田さんのヴァイオリンの音色によって描かれている。もちろん、曲を書いたコルンゴルトの力もあるんだろうけれど。太陽もいいけれど、やっぱり月が好きだなぁ。後半の第3番は、石田さんはコンマスとしてご登場。ヴィオラのゲスト首席のお姉様(広響の首席さんらしい)、引き締まった音色が素敵。かなフィルはヴィオラの首席さん居ないのが少々痛いな。どうやら私、エルガーの弦楽は好きだけど、交響曲は苦手みたい。あんなに派手派手しいのに、また睡魔に襲われてしまったよ。フィナーレには意識を取り戻し、余韻に浸りたいところ、P席と2階席(?)から、おっさんの「ぶらぼー」の声。しかも「ブラァボ」とか短く締まった掛け声ではなく「ぶらぼーーーー」と間延びした声。馬鹿か!?本当にブラボーと思った人はそんな声の掛け方しませんて。開演前、「拍手は指揮者のタクトが下りてから。余韻をお楽しみ下さい。飴の包み紙はガサガサさせないで下さい」なんて、懇切丁寧に、子供に噛み砕くようにアナウンスしてるというのに。ま、石田さんを反芻して帰りましょ。
2014.10.24
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指揮:小泉和裕ソロ・コンサートマスター:石田泰尚グラズノフ/バレエ音楽「四季」チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」出掛けにバタバタして遅刻寸前。ロビーコンサート(チェロ門脇さん&コントラバス米長さん)が聴けず残念。2nd首席はお久しぶりの小宮さん。崎谷さん&直江さんの若いコンビも良いけれど、石田組長&いぶし銀小宮氏のアイコンタクトがたまらんのですわ(おい)。まずはグラズノフ。さすがロシア、四季が冬から始まるのか。寒々しい吹雪からハープでしゃららんと春がきて、爽やかな夏。実りの秋はお祭りかしら、ちょっと賑やかなんだけど、冬の気配を感じつつフィナーレ。バレエって実際には観たことないけど、音楽を聴きながら踊りをイメージするのは楽しいかも。「悲愴」は、いつも「ちっとも悲愴じゃないじゃん」と思いながら聴いていて、いつのまにやら最後は「・・・。」となってしまうのがチャイコフスキーさんの凄技。小泉さんを特別客演指揮者にお迎えした、就任披露演奏会。派手に煽るようなことはないけれど、音楽が生き生き動いていくのがわかる。最近のかなフィルは、若さと円熟さがうまく絡み合っているみたい。
2014.08.29
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アンサンブル・メテオールヴァイオリン:中村朱見、平山慎一郎ヴィオラ:亀井宏子チェロ:井上とも子クラリネット:左藤博之ピアノ(ゲスト):小埜寺美樹ブルッフ/クラリネット、ヴィオラと管弦楽のための協奏曲モシュコフスキ/2台のヴァイオリンのための組曲ストラヴィンスキー/「兵士の物語」組曲 トリオ版(Vn平山.Cl.P)マイエル/クラリネット五重奏曲アンコール:モーツァルトの五重奏曲第2楽章新宿西口ドルチェ楽器の、100人ほど入るサロンでのコンサート。美樹さんにお声を掛けていただき、「兵士の物語」に惹かれて来たのだけれど、どれも20世紀前半、いわゆる近現代の曲ばかり。苦手分野にかなりドキドキ。ブルッフはクラリネットとヴィオラの音色が絡み合い、華やかさの中に落ち着いた雰囲気が感じられる。これならいける、と思った矢先のモシュコフスキさん、2台が互いに主張しあって激しい。休憩で気を取り直して「兵士の物語」トリオ版。作曲家自身が原曲の七重奏を三重奏に編曲したもので、ナレーションもない。それでも元のへんてこさ加減(?)はそのままで、兵士と悪魔のやりとりが目に浮かんでくるようだ。マイエルさんの前に左藤さんから曲の説明。旧東ドイツの人だそうで、そのせいかあまり有名にはならなかったらしい。第3楽章の主題は「発想は自由」という当時の流行曲で、弦楽で聴くとまるでハイドンの宮廷音楽のよう。それなのに、変奏されちゃってえらいことに。恐るべし、近現代。それでも過剰な拒否反応が出ず、むしろ楽しめたのは、夏の音楽砂漠で音楽欠乏症にかかっていたからかもしれない。「皆さんにこのままお帰りいただくのもなんなので」と、モーツァルトで心を静めてお開きとなった。ゲージュツの秋が楽しみだ。
2014.08.24
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於:テアトロ・ジーリオ・ショウワモーツァルト/ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64ドヴォルザーク/チェロ協奏曲ロ短調作品104指揮:川瀬賢太郎ピアノ:北村朋幹ヴァイオリン:小林美恵チェロ:遠藤真理協奏曲が3つ揃い、見ただけでお腹いっぱいなプログラム。コンマス席には石田さん、夏の暑(苦し)さを盛り上げます。まずはモーツァルト。ピアノは蓋を取り外し、奏者が指揮者と向き合うチェンバロのような配置。音に関しては、ざらめの粒が溶けて固まっちゃったかな?という印象で、もっと元気な曲の方がよかったのかも。メンコンは繊細でお上品。こちらにはもう少しパワーがほしかった。そしてドヴォコン。真理ちゃん(なれなれしい)の骨太なチェロに息を飲む。あとはもう安心。チェロの皆さんはじめ、オケメンバーのバックアップ体制も万全。木管群のまろやかな中にメリハリのあるアンサンブル。金管も鳴らす時ゃ鳴らしまっせ。ソロ・コンマスとの合わせもバッチリ。お馴染みの曲だけど、演奏する人によって音色が全然違っていて、チェロのおもしろさを実感。だから何度聴いても飽きないんだな。さすがにお腹いっぱいで、帰りの電車は爆睡しましたとさ。
2014.08.03
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指揮:小崎 雅弘演出:澤田 康子合唱:荒川区民オペラ合唱団バレエ:荒川区民オペラバレエ管弦楽:荒川区民交響楽団レオノーラ:吉田 恭子ドン・アルヴァーロ:田代 誠ドン・カルロ:古川 精一グラルディアーノ神父:小田桐 貴樹カラトラーヴァ侯爵:筒井 修平プレツィオジッラ:里 まりフラ・メリトーネ:岡野 守トラブーコ:平塚 寛人クッラ:実川 裕紀村長・軍医:熊谷 幸宏ざっくりあらすじ一言でいえば・・・「スペインが滅ぼしたインカ帝国の末裔が、傾きかけたスペインの大貴族の一家を没落させていく因果応報(運命の力)の話。」―プログラムより。さすがにそれではなんなので・・・カラトラーヴァ侯爵の娘レオノーラと、インカの血をひくアルヴァーロは恋仲だが、侯爵に結婚を反対され駆け落ちの準備中。ぐずぐずしているうちに見つかって、敵意はないよと投げ捨てたアルヴァーロの銃が暴発、パパに当たって死んじゃった。レオノーラとアルヴァーロは逃げる途中離れ離れに。父の敵を討とうと後を追うカルロ(レオノーラ兄)。レオノーラは修道院の門を叩き、洞窟に住むことを許される。アルヴァーロとカルロは互いの身の上を知らず、軍隊で仲良くなる。負傷して死にかけたアルヴァーロがカルロに託した小箱の中に、レオノーラの肖像画が。こいつが敵だ!と回復したアルヴァーロに決闘に挑むも仲間に引き離され、アルヴァーロは修道院へ。5年後、カルロは修道院を探し当て、再びアルヴァーロに決闘を挑む。決闘はレオノーラの住む洞窟近くで行われ、返り討ちにあったカルロを連れたアルヴァーロが、隠者(レオノーラ)に懺悔を請う。再会を喜んだのも束の間、瀕死のカルロはレオノーラを刺し、レオノーラはアルヴァーロと神父に見守られて息絶える。・・・救われねぇー。序曲はちょいちょい聴いたことがあったけど、オペラ全編見るのは初めて。こういうストーリーだったのね。出演者の中でダントツなのは、吉田恭子先生のレオノーラ。温かで深みのある心地良い声はもちろん、中でも小さな音量の美しさといったら!正しい発声は遠くまで伝わるというお手本。また合唱団のボイトレに来てくださらないかしら?小田桐さんの神父らしい説得力のあるバス、岡野さん(下っ端修道士役)のコミカルな演技、里さんのジプシーも雰囲気ぴったり。アルヴァーロは、諸悪の根源のお前が生き残ってどうするよ!?と突っ込みたくなる上手さ、というか。オケも合唱もアマチュアで、そりゃあところどころいろいろあったけど、そんなことを忘れさせてくれる熱演。バレエも華やか。時間とお金に余裕があれば、ダブルキャストの方も見たかったなぁ。「マクベス」「シモン・ボッカネグラ」「運命の力」と、ヴェルディの渋めのところをやってきた区民オペラだけれど、来年はホール改修工事のためお休み。そして再来年、いよいよ「アイーダ」だって。また真夏の都電にことこと揺られるかぁ。
2014.08.02
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指揮:鈴木秀美第1コンサートマスター:崎谷直人C.P.E.バッハ/シンフォニア ニ長調ハイドン/交響曲第88番 ト長調「V字」ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調「運命」(アンコール:ハイドン/交響曲第77番より第2楽章)はじめましての鈴木秀美さん。バロック音楽の第一人者という認識しかなく、ノンビブラートでカスカスした演奏はイヤだなぁ、などと思いながら臨む。バッハ(息子)さんには申し訳ないが、完全に夢の世界に連れていかれる。ハイドンは目が開かないながらも「なんだか面白いかも」と徐々に頭が起きてきて、「これが(意識の)V字回復ってやつか」とか「V字飛行?」とか、やっぱり寝ているらしかった。休憩中に目を覚ましていよいよ「運命」。キリリと引き締まった演奏に、ぐっと引き込まれる。ノンビブラートやらピリオド奏法やらはよくわからないけれど、そういう奏法を明示して演奏された、今までのつまらない演奏の数々は一体何だったのかと思うほど。ちょっと、いや、かなりびっくり。研ぎ澄まされた弦の音に、まろやかな管の音が絡まる。特筆すべきは、今まではどう聴いてもでんでん太鼓でしかなかったバロックティンパニが、ちゃんとティンパニとして聴こえたこと。石田さん、小宮さんが降りだった今回、クールな神戸さんに見入ってしまった。かなフィルは良い人を入れましたな。というわけで、ありきたりではない新鮮な「運命」に出会えた。客席はもちろん、ステージ上からも拍手の嵐。アンコールの77番は、同じ旋律でも少しずつ違えて書かれていて、それは「毎日同じようにみえて少しずつ違っているから美しい」とハイドンが言っているようだとのこと。そういう選曲ができるのが秀美さんのお人柄であり、音楽に対する愛とか畏敬の念なのだろうな。毎度毎度、新しい嬉しい出会いが待っている。だから凝りもせず灼熱の紅葉坂を上るんだろうな。
2014.07.26
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指揮:川瀬 賢太郎ソプラノ:秦 茂子メゾ・ソプラノ:藤井 美雪合唱:神奈川フィル合唱団(音楽監督:大久保 光哉)ソロ・コンサートマスター:石田 泰尚マーラー/交響曲第2番ハ短調「復活」記念すべき第300回定期演奏会は「復活」。P席には合唱団、ステージ上はぎゅぎゅっと椅子が詰められて、ハープもあれば打楽器もなにやらいっぱい。もちろん客席も満員御礼。よくぞ復活してくれました!と、これだけで胸がいっぱい。4年前、40周年の「復活」の日記を見ると、「苦手なマーラーさんとは思えないほど、あっという間に終わってしまった」と書いてあったのだけれど、今回は・・・やっぱり長かった。嵐に翻弄され、ようやく美しいお花畑にたどり着き、ほっと一息ついたと思ったら再び暗転。安らかなアルトの歌声に包まれて一安心、のはずがそうは問屋が卸さず、地獄の釜の蓋がごごご・・・と開き、息苦しくなったところで「光あれ」天上から一筋の光が。散々苦しんだのはこのためだったんだな。難しいことはわからないけれど、ただなんとなく嬉しくて、ほわほわと帰宅。明朝に胃の検査を控えていて、一杯やれないのがつらかった。
2014.06.27
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指揮:宮本 文昭ファゴット:鈴木 一成コンサートマスター:崎谷 直人ハイドン/交響曲第1番ニ長調モーツァルト/ファゴット協奏曲変ロ長調ビゼー/小組曲「子どもの遊び」より「行進曲」「二重奏」「ギャロップ」ビゼー/交響曲ハ長調2週続けて神奈川フィル。紅葉坂をえっちらおっちら上り、作業所の皆さんの特製ゆず冷茶をいただいて一息つく。指揮者としての宮本さんははじめまして。さあ、どんな指揮かしら?まずはハイドン。交響曲を100以上書いた人の第1番。ハイドンといえば軽快なイメージがあるけれど、軽やかと言うよりなんともアグレッシブで楽しげな曲。個人的にアクションの大きい指揮者は苦手なので、これはちょっとつらい。次はファゴット首席に就任したズッキーこと鈴木さんがソロ。オケのメンバーからソリストを出す演奏会って、ただでさえ温かだけど、楽器自体の温かみのある音色と、音楽堂で聴くからこそのぬくもりがプラスされて、そりゃあぬくぬくの演奏でした。ユーモラスだけどモーツァルトらしい難しさもなんのその、さすがズッキー。いよいよカデンツという時に携帯が鳴ったのは残念すぎ。切腹してくれ。それにしてもファゴット、あんなに長い楽器を首から下げて、肩が凝るだろうなぁ。後半はビゼーで明るいおフランス。と思いきや、オーボエの哀愁あふれる音色が切ない。オーボエの大御所を前に、緊張しないものだろうか?おや、これはカルメン?あれ、これもどこかで聴いたようなメロディーだ。プログラムを読むと、ビゼーさんは気に入った曲や楽想を転用するそうで、『才能のエコロジカルな運用』とのこと。ものは言い様?でもまるっきり同じという訳でなし、手抜き感もなし、人様の真似でもなし、いいんじゃない。宮本さん、後半も絶好調。指揮台がずりずり動いてます(笑)固定してあげて、危ないから。見慣れたら大丈夫?機会があれば、ってことで。
2014.05.24
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指揮:現田 茂夫ヴァイオリン:崎谷 直人ソロ・コンサートマスター:石田泰尚團 伊玖磨/交響組曲「アラビア紀行」モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218ドヴォルザーク/交響曲第7番ニ短調Op.70ホールに着いたら、ロビーコンサートが丁度終わったところだった。残念。まずはかなフィルの桂冠芸術顧問であられた團先生の作品。テレビでしか見たことのない、昔ながらのアラビアの風景が目に浮かぶ。打楽器、木管大活躍。なんともアラビア~ン、なのにオリエンタルでどこか懐かしい。続いて、第1コンサートマスターに就任した崎谷さんのお披露目(?)ソロ。長身で舞台映えするが、その身体の大きさに似合わず(失礼)とても繊細なモーツァルトを聴かせてくれた。モーツァルトって、本当は難しいのに演奏できて当たり前と思われるので大変。モーツァルトでデビューするとは、やるなぁ。石田さんはじめオケの皆さんが、若い彼を盛り立てようとしているのも感じられてなんだか嬉しい。アンコールはハイドンの弦楽四重奏を、2nd首席に就任した直江さん、チェロ門脇さん、ヴィオラのゲスト首席さん(よくいらっしゃるのに、お名前ど忘れ)と。前半だけでも結構タフなプログラムだったせいか、後半は緊張の糸が切れてしまった。かなフィルの演奏云々より、すっかり疲れ果て、腰も痛いし、睡魔に連れられて度々ヤツラの世界へ。ドヴォルザークはそんなに嫌いじゃないはずなのに。現田さんが爽やかに手を振って袖に引っ込み、21:30終演。かなりの長丁場で、余韻をかみしめる余裕もなくホールを後にしたのだけれど、若い優秀な人がたくさん入ってますます楽しみ。でも小宮さん、山本さんもいて欲しかったなぁ。そしてヴィオラの首席は来てくれるんだろうか?
2014.05.16
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定期の翌日はよこすか芸術劇場へ。早く家を出て横須賀海軍カレーを食すという目論見は、二度寝したためパー。さすがに横須賀は遠いわ。指揮:現田 茂夫ヴァイオリン:石田 泰尚團 伊玖磨/祝典行進曲ビゼー/組曲「カルメン」よりトレアドールプッチーニ/歌劇「マノン・レスコー」より第2幕の間奏曲ヴィヴァルディ/「四季」より「春」「冬」(石田さんアンコール:黒人霊歌「深い河」)チャイコフスキー/バレエ音楽「眠れる森の美女」より「序奏とリラの精」J.シュトラウス/皇帝円舞曲チャイコフスキー/「くるみ割り人形」より 「小序曲」「行進曲」「トレパーク」「花のワルツ」(アンコール:美しき青きドナウ、ラデツキー行進曲)まずは「ブルーダル・プレリュード」ファンファーレで幕開け。何度聴いてもカッコいい。司会のお姉さん、せっかく大橋さんの紹介をしたのだから、拍手をいただくよう運べばいいのに。気が利かないったら(ぴょんきち、オバサン化)。前半のコンマスは崎谷さん。「四季」は石田さんがぐいぐい引っ張る。来たるべき石田組公演もこんなに熱いのかしら。チェロの首席は門脇さん。随所にみられるソロがまたいい。チャイコ以降後半は石田さんがコンマスに。お気軽な、いいとこどりコンサートだけど、かなフィルの美音は健在。金管は華やかだし、木管は温かだし、平尾さんのタンバリン捌きがもう神業。アンコールの「ラデツキー行進曲」は、ついこないだ音楽堂で間違い探しをしたばかり。なるほど、しつこいくらいにトリルがかかってるわ。手拍子しながらちゃんと聴いてみた。5月の定期は現田さん。崎谷さんのソロでモーツァルト。團先生の作品も演奏される。かなフィルの原点というか、新旧かなフィルという感じかな。それはそうと、お隣に座ったおばさま(70歳くらい)がいきなり話しかけてきたことには、「私ね、神奈川フィルの曲で送ってもらうの。娘に頼んであるの」お葬式でかなフィル演奏のCDをかけてもらうんだそうな。フォーレやモーツァルトの「レクイエム」をかける話はよくあるけれど、演奏者の指定は滅多に聞かないぞ。愛されてますな、かなフィル。
2014.04.19
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指揮:川瀬 賢太郎ピアノ:伊藤 恵ソロ・コンサートマスター:石田 泰尚第1コンサートマスター:崎谷 直人バックス/交響詩「ティンタジェル城」シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調Op.54ブラームス/交響曲第1番 ハ短調Op.68川瀬さんの常任指揮者就任のお披露目公演。以前聴いた時は「ふ~ん」という感じでピンとこなかったんだけど、さて今回は?「ティンタジェル城」朝もやが明けて、城の全容が見えました。それ以上でも以下でもない、とらえどころのない曲。シューマンはさすがの伊藤さん。貫録の演奏で、オケとの掛け合いもバッチリ。この曲自体はよくわからないけど、オーボエはじめ管楽器の絡みにほっと一息。さて、ブラ1。冒頭のうねり、シュナイトモードは別格として、生理的に心地良い速さであってほしい(あくまで主観ですが)。その点でクリア。そういや、あまり話題に上がってないけど、ティンパニさんも新入団の神戸さん。神戸尊(及川光博)張りにクールに決めていただきたい(妄想)。石田さんのソロは相変わらずの美しさ。甘露、甘露。木管の皆さんも、うじうじ悩むブラームスにおいて陽だまり的な温かさ。おや、川瀬さん、ここで溜める?ここは行く?後半ちょっとテンポを揺らし気味で、一気呵成にフィナーレへ。勢いのある、だけど若さだけじゃない、面白いブラームス。川瀬さん、なかなかやるなぁ。ティンタジェル城といい、ブラ1といい、夜が明けた感じは正にかなフィルの夜明けでもあるのかな。若い人が続々入団して、ますます楽しみになってきた。
2014.04.18
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指揮:永峰大輔ゲスト:川瀬賢太郎司会:永井邦子≪第一部・感謝コンサート≫神奈川フィル・ファンファーレ「ブルーダル・プレリュード」ヘンデル/水上の音楽より「ア・ラ・ホーンパイプ」ストラヴィンスキー/組曲「プルチネルラ」より第6曲、第7曲メモリーズ・オブ・ユー(テューバソロ:岩渕泰助)ブラームス/大学祝典序曲≪第二部・感謝イベント≫オーケストラ間違い探し滝廉太郎/花 指揮:川瀬賢太郎 合唱:神奈川フィル合唱団&客席の皆さん公益財団法人に認定されました、応援ありがとうという趣旨の無料コンサート。会場は神奈川県立音楽堂。久しぶりの紅葉坂に息が上がる。日頃から最低限の運動しかしていない身を深く反省。まずはファンファーレで華々しく開幕。優雅で涼しげな水上の音楽。新メンバー紹介も兼ねたプルチネルラ。テューバはいつも後方に隠れて見えないので、改めて大きさや管の複雑さに驚き。そして目出度さも正統派のブラームス。第二部は、楽団員が登場した時点で思わずにんまり。ヴァイオリン、ファーストとセカンドが逆位置で、小宮さんがコンマス。チューニングも優雅だわ。萌え~。(石田さんが優雅じゃないとかは・・・。セカンド位置の石田さんも素敵。)ヴィオラの劉さんがヴァイオリンに紛れてますよ。指揮者がダスキンモップを持って登場。課題曲は「ラデツキー行進曲」。間違い探しといわれても、手拍子するばかりでまともに聴いたためしがないからなぁ。J.シュトラウスさん、ごめんなさい。演奏は、スネアドラムではなく和の小太鼓だったり、いきなりドラが鳴ったり、ピッコロがけたたましすぎたり、あからさまに分かって笑いがとれる部門と、指揮者が2拍子なのに3拍子で振っているとか、あるべき箇所でホルンが抜けていたとか、装飾音符が全然ついていないとか、音楽オタク部門(?)があり、正解者には豪華賞品贈呈。装飾音符の件、友人が分かって「トリルがない?」と聞いてきたのに、何もわからなかったぴょんきちが首を傾げてしまい、そのまま心に仕舞われてしまった。ごめんよぉ。あぁ、楽しかったなぁ、というところで最後に専務理事のご挨拶。存続の危機の中、支援・応援してきたお客さんへの謝意を表すとともに、演奏会はもちろん、学校でのアウトリーチで子供たちに音楽の種を蒔き続けてきた楽団員、スタッフの労をねぎらう言葉にじんわり。よかったと胸を撫で下ろす一方、どのオーケストラ(除くN響、Y響)でも厳しい状況は変わりなく、良い演奏に応える良い聴衆であろうと、かなフィルに感謝するコンサートとなりました。
2014.04.12
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ヴァイオリン:小池彩織ヴィオラ:徳高真奈美コントラバス:小笠原茅乃ピアノ:小埜寺美樹チェロ:渡邉辰紀ワイダ/ドムスピアノ四重奏団のためのムービーミュージック ハ長調ロッシーニ/チェロとコントラバスのためのデュオ ニ長調ボラン/チェロとジャズピアノトリオのための小品よりラヴェル/ヴァイオリンとチェロのためのソナタオンスロウ/ピアノ五重奏曲 変ロ長調(アンコール)マスカーニ/カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲永福町にある「ソノリウム」という100人収容の小さなホール。扉を開けるとチェロの渡邉さんとバッタリ。わ~、渡邉さんだ、嬉しいな~。今回から正式にメンバー入りした渡邉さん、チェロ出ずっぱり。折角なので最前列かぶりつきで聴く。ワイダは、実際の映画音楽ではないらしいけれど、ディズニー風な遊園地の楽しそうな情景が目に浮かぶ。ロッシーニ、チェロとコントラバスの会話が心地良い。ボランはとにかくカッコいい。クラシックの芯があって、崩れすぎないのが丁度いい。休憩時間に白ワインをいただいて、ラヴェル。苦手意識はあったけど、神奈川フィル石田さん&山本さんのコンビで聴いたことがあり、予習の成果あり?ヴァイオリンとチェロの言い合い(会話というには派手)を楽しめた。オンスロウは冒頭、ハイジが丘を駆け巡っているようなのびやかなイメージ。ワインの力でところどころ不在箇所があったけど(最前列なのにごめんなさい)、室内楽でありながらオーケストラのような迫力満載。ロッシーニとラヴェル以外名前すら知らなかったけれど、アンコール含めて6曲全部真剣に聴いた。私の場合、入り込んで聴くとほぼ硬直しているので、本当にぐったりしてしまうのだけれど、体に反比例して心はふわふわ~。多分部屋でCDで聴くと聴き通せないと思う。やっぱりライブはいいね。小さなホールの真ん前で聴かせてもらって、あたかもワタクシのサロン専属の楽士による演奏会、みたいでしたわ。ほほほほほ~。
2014.04.06
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怒涛の1週間で思うように書けず、とりあえず忘備録の感じで。指揮:飯守泰次郎ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」より“前奏曲”と“愛の死”ブルックナー/交響曲第7番 ホ長調開演前のロビーコンサートは、オーボエの首席に就任した古山さんとお仲間によるモーツァルトのディヴェルティメントで軽やかに。うっかりお財布の口が緩んで、ブルーダルくんの付箋を購入。客席がなんとなく寂しい気がするが、この曲目のせいかなぁ?好きな人は好きだけど・・・という感じだけど、メジャーな曲ばかり並べても仕方ないし。と伏線を張ったうえで(笑)ワーグナー。トリスタン和声というらしい、半音階のねっとりしたうねりが、2人の乗った船を揺らす波のようで、酔う前に夢の世界へ逃避。簡単に言うと、熟睡。ごめんなさい。どうもワーグナーさんとは相性が悪いみたい。気を取り直してブルックナー。第一楽章を聴き終えた安ど感から、第二楽章では再び船を漕ぎ始め、一打入魂のシンバルで目覚めるというテイタラク。平尾さん、ごめんなさい。目の前に石田さんがいるのに、オケの皆さんが熱演しているのがわかるのに、ワーグナー&ブルックナーファンにとってたまらない素晴らしい演奏であろうに、目がくっついて離れません・・・。本当にごめんなさい。おまけの言い訳。帰宅後、頭がゴンゴンし始め、軽く熱発。熱があったから起きていられなかったのか、曲たちにやられて熱が出たのかは不明。
2014.02.22
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ヴァイオリン:石田泰尚ピアノ:中島剛ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調グリーグ/ヴァイオリン・ソナタ第2番ト長調グリーグ/ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ短調アンコール:シベリウス/5つの小品より「ロンディーノ」「マズルカ」大雪が首都圏を直撃。我が家からリリスホールまで、いつもは1時間半かかるので、3時間みていればいいかと思ったら2時間半で到着。ほっ。完売公演だけど客席は半分程度。本当にこの雪が恨めしい。演奏前に石田さんから一言ご挨拶。ベートーヴェン2曲。初期に作られた曲のせいか、ベートーヴェンらしからぬ明るく可愛らしい感じがする。第2番ではモーツァルトの「フィガロ」チックな音階も。グリーグといえば北欧の作曲家。石田さんの繊細なヴァイオリンが、透明感あふれる曲に凛とした清々しさを与えている。そしてシベリウスもいい。雪国で、天気は良いのに冷え切った空気が喉を刺激するような、ピンと張りつめた日のダイヤモンドダストのようなキラキラ感が、実は石田さんには似合っているのかもしれない。終演後は根岸線がストップ。途方に暮れるお客たちに各路線の運行状況、バス路線の時刻表など用意してくれたリリスのスタッフさん、ありがとうございます!最寄のバス停までわしわし歩きながら、結構札幌に近い降りっぷりじゃないか、と感心(?)しつつ帰宅。石田さん、中島さん、皆さんは無事帰れたでしょうか。
2014.02.08
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クラシックはクラシックでも、今回は日本のクラシック。出演:東京藝術大学音楽学部邦楽科(在校生、卒業生)萩三番曳/四代萩岡松韻 作曲鶴の巣籠/都山流本曲花三題/中能島欣一 作曲春の海/宮城道雄 作曲七福神/初世中能島松聲 作曲沿線に府中の森芸術劇場という立派なホールがあり、時々新聞の折り込みでコンサート予定が入ってくる。若手音楽家に演奏の機会を与え、応援しましょうという趣旨の「めばえコンサート」は37回目にして初の邦楽とのこと。それじゃ私も初の邦楽体験してみようと、いつも(=府中競馬場)とは反対方向に降りる。客席は着物をお召しのおばさま方、先生と呼ばれるおじさま方でほぼ満席。40代の私がうんと若手に見える。いつものクラシックコンサートとは違うアウェイ感が。「萩三番曳」は箏、十七絃、三味線に小鼓、大鼓、太鼓、笛といったお囃子が加わった華やかな曲。へー、箏を弾きながら唄うのかぁ。これだけの人数なのに、当然と言えば当然だけど指揮者がいない。室内楽のように弧を描いて座り、互いにアイコンタクトするでもなく、しっかり前を見つめている。拍子ではなく、独特の間を合わせるのが大変だろうな。「鶴の巣籠」は尺八一本。厳冬の野原で我が子を守る親鶴の慈愛を象徴した曲だそう。どこかで聴いたことがあると思ったら、「仮名手本忠臣蔵」でも演奏されるらしい。鶴の鳴き声、風の音など、想像が膨らむ。尺八だけでこんなに世界が広がるなんて!「花三題」は古今和歌集を題材にした、箏と唄のみの曲。ソプラノとアルトのみの女声合唱のようで、明るいけれどどこか奥ゆかしさも感じられる。箏と尺八で奏でられる「春の海」は、有名すぎるけど、全曲通して聴くことは少ないんじゃないかしら。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」みたいな感じ?瀬戸内海の印象を折り込んで作った曲ということで、ひねもすのたりのたりかな、がぴったり。この曲の箏を演奏した方は生田流、他の曲は山田流とのことで、言われてみればなんとなく音色が違う。最後は「七福神」。箏に三絃(三味線とは違うの?)、お囃子が入り、浄瑠璃(箏奏者が担当)と唄の掛け合いで進んでいく。七福神の名を歌い込む、なんともおめでたい賑やかな曲。浄瑠璃担当の男性の声がよく通る。高いけど力強さもあって、クラシックに例えればカウンターテナーかな。西洋のクラシックにはだいぶ馴染んできたけれど、逆に邦楽のクラシックは敷居が高く感じられるのは勿体ない。最初に演奏した「萩三番曳」は平成元年の作曲、ってことはバリバリの現代曲。今回の演奏会は、新春のおめでたい曲が多かったから聴きやすかったのかもしれないけど、新鮮で面白かった。また聴いてみたいな。
2014.02.02
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指揮:サッシャ・ゲッツェルヴァイオリン:石田泰尚チェロ:山本裕康ソロ・コンサートマスター:石田泰尚☆ゲスト・コンサートマスター:崎谷直人○ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲○ソリストアンコール:ヘンデル(ハルボルセン編)/パッサカリアワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲○R.シュトラウス/「薔薇の騎士」組曲☆アンコール:J.シュトラウス/狂乱のポルカ行けなくなった定期公演を振り替えてもらったため、座席は直前までわからず、チケットをもらったら1階席いつもとほぼ同じ辺り。事務局さんGJ!なんと当日券完売で満員御礼。曲目は昨日のみなとみらい定期と同じ。ミューザはステージが壁に囲まれていて、響きがステージ上で凝縮されている印象。あくまで1階席で聴いた個人的印象であって、2階席以上で聴いたらそれがふわりと響いてまた違う感じなのかも。今回のような華やかな曲は華やかさ倍増。昨日と同じ曲だというのに、石田・山本コンビにはまたしても涙腺を破壊される。ホルン、金管セクションはまろやかで、危なっかしさを感じない。安定の木管。平尾さんが叩くとタンバリンもカッコいい。ヴィオラ職人の柳瀬さんも随所に光る(光るに深い意味はない)。ヴァイオリンは私の中では「弾けて当たり前」にハードルが上がっているので、崎谷さんが加入してますます楽しみ。ちなみに崎谷さん、お写真と実物が違いすぎます。実物の方が好青年。「狂乱のポルカ」は、昨日以上にノリノリのゲッツェルさん。最後はジャンプ、ジャンプ!オケの皆さんも狂喜乱舞?2日続けて同じ曲を聴いて、2日とも「さいこー、楽しかったー!」と思えたのは本当に幸せ。後ろから「かなフィルうまくなったなー」なんて聞こえてきたのも嬉しい限り。「オレも白縁メガネ(石田さん着用)買おう」なんて笑いをとるおじさまも。東京都民(元北海道民)の私がこんなことを言うのも変だけど、「神奈川フィルって私達のオケなんだなぁ」って、誇らしく感じた2日間でした。
2014.01.26
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指揮:サッシャ・ゲッツェルヴァイオリン:石田泰尚チェロ:山本裕康ソロ・コンサートマスター:石田泰尚☆ゲスト・コンサートマスター:崎谷直人○ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲○ソリストアンコール:ヘンデル(ハルボルセン編)/パッサカリアワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲○R.シュトラウス/「薔薇の騎士」組曲☆アンコール:J.シュトラウス/狂乱のポルカ今年最初の神奈川フィルは、ゲッツェルさん首席客演指揮者就任披露公演。ソリストが石田さんと山本さんというのも良い。ゲストコンマスは4月からコンマス就任予定の崎谷さん。しょっぱなから真打登場!?という感じのブラームス。過去を振り返る男(チェロ)の独白。そこに女(ヴァイオリン)の独白が重なり、「もう駄目かと思ったけど、私たち案外気が合うじゃない」なんてことになり、実際ヴァイオリンとチェロは案外合うどころか息もぴったりで、そりゃ明るい未来間違いなし。山本さんの思慮深い渋い音色、石田さんの輝かしく甘い音色、「パッサカリア」ではどこをどうされたものやら、涙がぽろり。美しすぎる。休憩時間でクールダウンを図るも、そうは問屋が卸さないのが今日のかなフィル。ホルンの柔らかな音色に、力強い低弦、華やかだけどまろみのある金管。ワーグナーって、やたら長時間のイメージで、今のところオペラは敬遠しているのだけれど、繊細かつ壮大で、思わず引き込まれてしまう。ワグネリアンが誕生したのもわかる気がする。ま、私はまだピースで聴く程度で十分だけど。石田さんがコンマスに戻って「薔薇の騎士」。そういやローゼンカバリーなんて名前の競走馬もいたっけ。オペラのおいしいとこどり、聴きどころ満載の曲ということで、これまた華やかで豪華なウィーンの舞踏会が再現される。金管、木管大活躍。なんだよ、楽しいじゃん。カーテンコールで呼び戻されたゲッツェルさん、「ヨハン・シュトラウス~ほにゃらら(フリオーゾ=狂乱)ポルカー!」と一言、おしりふりふり、指揮棒くるくる、踊る、踊る。オケの皆さんもどんちゃん騒ぎの弾きっぷり。新年定期第一弾に相応しい、なんとも楽しい演奏会となりました。ゲッツェルさん、良い指揮者が就任してくれてよかった~。
2014.01.25
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指揮:関谷弘志管弦楽:多摩ユースオーケストラバレエ:多摩バレエスクール・みのりバレエスタジオ・ART STUDIO BALLETヴァイオリン:石田泰尚チャイコフスキー/オペラ「エフゲニー・オネーギン」よりワルツチャイコフスキー/バレエ「眠れる森の美女」組曲よりモーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216チャイコフスキー/祝典序曲1812年自由席を考慮して少し早めに会場入りしたつもりが、パルテノン多摩の外まで長蛇の列。石田さんがモーツァルトを弾くとしかインプットしていなかったけれど、バレエが入るならその関係のお客も増えるわけで、これは致し方ない。この寒空に並ぶのは軟弱者ぴょんきちには無理なので、良い席は捨てて館内でぬくぬくと待つ。真ん中よりやや前の右寄り(そこそこ良い席)に着席。去年も聴いたけれど、青少年のアマオケと侮るなかれ。かなり安心して聴ける上手さなのだ。「エフゲニー・オネーギン」は見たことがないけど、確か暗いお話だったような。音楽の明るさで暗さが一層引き立つのかしら。バレエはもう華やかの一言。こういう抜粋でしか見たことがないから、まるまる1ステージ見てみたいな。バレエもオケも、お互いを意識しながら演奏、演技しないといけないだろうから、それも難しそうだ。休憩後は石田さん登場。だだっ広い大ホールに、石田さんのソロがピンと響く。やっぱりモーツァルトは軽快でいいなぁ。アンコールは「悲しきワルツ(だっけ?)」と「きよしこの夜」の2曲。バレエ目的で来たお子様たちも釘づけにして、ますますファン層拡大中。最後の「1812年」は、この曲を取り上げる意欲だけでも素晴らしいのに、圧巻の演奏。ステージ両サイドにバンダと大太鼓。大太鼓の大砲が腹の底にずしんとくる。アンコールは「主よ、人の望みの喜びよ」でクリスマスっぽくしっとりしたところで、最後の最後にラテン乗りの曲。バレエのお嬢さんたちも再登場し、明るくノリノリでお開きとなった。多摩センターのキラキライルミーネーションと、今聴いてきた音楽の暖かさで、北風ぴーぷーの中ほこほこ駅に向かう。あのオケから第2第3の石田さんが現れるのかな?バレエから世界的に活躍する人が育つのかな?
2013.12.23
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テレマン/無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジアより「第2番&第5番」マルティヌー/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲ソッリマ/ラメンタチオ(無伴奏チェロ)コダーイ/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲ヴァイオリン:石田泰尚チェロ:山本裕康11月にお寺で聴いたコンサートと同じ曲。響きの良いホールで聴くと、石田さんのヴァイオリンもより一層艶やかに聞こえる。山本さんのラメンタチオ、改めて聴くとハラハラしつつもやはりカッコいい。ボカリーズは感情を入れず淡々と歌うのがこの曲には合っていて、その点でも山本さんは名演?リリスシリーズは6年続き、来年も継続決定。なんでも来年12月はバッハの無伴奏全6曲に挑むとのこと。これは聴かねばなりますまい。発売日には長蛇の列確実。私も頑張ろうっと。
2013.12.14
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クラリネット:エマニュエル・ヌヴーピアノ:小埜寺 美樹ジャンジャン/アラベスクドビュッシー/第一狂詩曲サン=サーンス/クラリネットとピアノのためのソナタガーシュイン/3つのプレリュードヘンデル/野平一郎/ストローフプーランク/クラリネットソナタ(手元にプログラムがないので、後で修正します)洗足学園音大のシルバーマウンテンという、シルバーなマウンテンでのコンサート。ヌヴーさんは東京交響楽団の首席クラリネット奏者。東響の演奏会でまばゆいお姿を度々拝見している。ピアノの小埜寺さんは合唱団の先生の奥様。ということで、こりゃあ聴かねば!と合唱団のお仲間と出掛けたら、満員御礼。さすが!ひとつひとつの曲についてはさておき、フランス人の演奏するフランスの曲って、フランスの情景が浮かんでくるんだ~と驚いた。フランス絵画の印象派?美術はよくわからないけど、モネの睡蓮とか、何かで見たポン・ヌフとか。フランスの風が吹いてるよ(行ったことないけど)。かと思うと、ガーシュインはジャジーでノリノリだし、野平さんの曲は尺八を吹く虚無僧のようだし、変幻自在。美樹さんも、私の席からお姿は見えなかったけど、ヌヴーさんと一緒にフランスにお出掛けしていて、色彩豊かな音色で楽しませてくれる。同行したTさんが常々美樹さんのピアノについて「ピアノ1台でオーケストラ演奏している。風景が浮かんでくる」と表現する通り。日曜の夜、へろへろ遠出した甲斐があった。翌日は合唱団の練習日。先生に感想を聴かれ「クラリネットってすげーなー!って」と、興奮のあまり年不相応の言葉遣いになったぴょんきちに、「クラリネットがすげーんじゃなくて、アイツ(ヌヴーさん)がすげーんだよ」と仰る先生。そうです、そうです。来年は東響に通おうかしら。
2013.12.08
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ヴァイオリン:石田泰尚チェロ:山本裕康テレマン/無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジアより第2番、第5番マルティヌー/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲第2番ソッリマ/ラメンタチオコダーイ/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲お寺で聴くコンサートは3回目。まずは皆で般若心経を唱えて演奏開始。どれもなかなか聴く機会のない曲だけど、中でも驚いたのがソッリマの「ラメンタチオ」。演奏開始とともに、チェロの音に被さって人の声が。しかも弾いている音と相容れない見事な不協和音。種を明かせば、山本さんの弾き語りというかヴォカリーズなんだけど、事情を呑み込めないお客さんのざわめきがしばらく治まらず。途中はプログレ風のカッコいい奏法もあって、かなりノリノリ。ソッリマさん、よくこんな曲を書いたなぁ。山本さんもよく選曲したなぁ。終曲前の軽いMC。来年はバッハをやりたいという石田さんに、山本さんは「バッハは聖書みたいなものだから」と受け・・・「こんなところ(=寺)で聖書だなんて(汗)・・・」関係者に深々と一礼、改めて「経典(教典)・・・ですかね」動揺っぷりが楽しい。お堂の中のオレンジ色の照明、芳しいお線香の香、ぬくぬく温かな中で聴く極上の二重奏、うとうとしつつ椅子から転げ落ちないように気をつける、素敵な時間でありました。帰りは鎌倉駅前でちょっとだけお買い物。いつも駅~コンサート会場の往復だけだから、余裕をもって散策したいとは常々思っているんだけどね。来年こそ!
2013.11.17
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ある人のブログで、洗足学園音大でいろいろな演奏会をやってるという情報を仕入れた。つらつらとラインナップを見ていたら、石田さんのお名前を発見。ご無沙汰だし、お手頃価格(2,000円)だし、いいじゃない!とチケット購入。創設90周年のプレイベントということで、10~12月にわたって毎日演奏会を開催しているんだって。デュオ・シルフィードwithフレンズピアノ:下森 佳津美ギター:竹内 永和ヴァイオリン:石田 泰尚チェロ:門脇 大樹フルート:吉岡 次郎ハイドン/カッサシオン(Vn, Vc, Gt)ハイドン/四重奏曲(Fl, Vn, Vc, Gt)モーツァルト/「フィガロの結婚」より(Fl, Gt)ドゥミヤック/中世組曲(Fl, Gt)ヴィラ=ロボス/メロディア・センチメンタル(Fl, Gt)ピアソラ/タンティ・アンニ・プリマ(Fl, Gt)イベール/2つの間奏曲(Fl,, Vn, Pf)ラフマニノフ/ピアノ三重奏曲「悲しみの三重奏曲」(Pf, Vn, Vc)ラフマニノフ(壺井一歩編)/パガニーニの主題による狂詩曲より第18変奏(Fl, Vn, Vc, Gt, Pf)自由席だから急がなきゃ!と思っていたら迷子になって、焦って会場入りしたら…200人位入るホールがガラガラで、すんなりど真ん中をゲット。半分いるかいないかという感じ。なんで?長期間にわたって沢山のコンサートを開催しているから、お客が分散しているのかな?学生さんは授業の一環でタダ同然で聴けるとか、一般の人対象に好きなだけ通えるパスポートチケットを売るとか、そんなシステムはないのかしら?記念行事だから採算度外視とはいえ、間違いなく宣伝不足でしょう。これだけの素晴らしいメンバーを集めて、お客がこれだけの少人数って、演奏者に失礼だよ。関係者は猛省するように!と、イベントの在りようにはプンスカしたワタクシだけど、演奏はそれはもう素晴らしいものでした。ギターといえば、スペインの曲に代表される“情熱の”とか“哀愁を帯びた”という音色のイメージが強かったけれど、ハイドンみたいな明るく軽やかな曲にも意外とマッチするのね。フルートとギターの組み合わせも、なんとも洗練された感じ。そこに石田さんと門脇さんが加わるんだから、美しくないはずがない。最後の「第18変奏」は、ただでさえ流れるようなピアノに、他の皆さんが重なり合って「音のミルフィーユや~!」と彦摩呂が言ったかどうか知らないが、ぎゅっと濃縮された美音が一気に広がったのでした。ということで、あと1か月ちょい開催されているので、お近くの方、興味のある方は洗足学園音大のサイトを是非チェックしてみて下さい。
2013.11.09
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2週間ぶりの日記となりました。まぁ、ぼちぼち続けていく方向で。指揮:沼尻 竜典ヴァイオリン・ソロ:石田 泰尚♪合唱:神奈川フィル合唱団◎ソロ・コンサートマスター:石田 泰尚★ゲスト・コンサートミストレス:千葉 清加☆ストラヴィンスキー/詩篇交響曲◎グラズノフ/ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品80♪☆ソリストアンコール:チャイコフスキー/感傷的なワルツR.シュトラウス/アルプス交響曲 作品64★とっても久しぶりな神奈川フィル&石田さん。張り切って少し早い電車に乗れたので、開演前のロビーコンサートに間に合った!木管アンサンブルだ!と思ったら、あっという間に終わっちゃった。今回は短い曲だったみたい。残念。ストラヴィンスキーさん、ステージ上が何やら変な配置。ヴァイオリンがいるべき所にピアノがででんと2台。で、ヴァイオリンとヴィオラ抜き。こういう場合、チェロの首席がコンマス代行となるのかしら?合唱団はP席にスタンバイ。ラテン語っぽいけど、いまいち声が飛んでこないのがもどかしい。不思議な和音にKO負け。さてさて石田さんですよ~。オーケストラと共演のソロだからか、御髪の剃り込みは控えめ。紫の裏地の燕尾服着用。演奏については、もうね、私の文章力では表現しきれないので、今回も今後もあれこれ書かないことにします。知りたかったら聴いてみて!ってことで。とにかく、私の中では石田さんが一番だと再確認できた演奏でございました。石田さんのコンチェルトに集中したせいか、後半は体力バテバテ。こんな状態でアルプスに登れるのか?白々と夜が明けて、のどかな草原を通り、牧場の牛たちを横目に見ながら登ってゆく。途中ペーターの案内でハイジの山小屋に立ち寄り、ヤギの乳とチーズをごちそうになる。そのお陰で、景色を楽しむ余裕を失いつつもなんとか頂上へ。ほっとしたのもつかの間、下山し終えるまでが登山です。なんだか雲行きが怪しくなり、とうとう大嵐に見舞われてしまった。遠のく意識の中、石田さんに「寝るな!寝たら死ぬぞ!」と蹴りを入れられ、どうにかこうにか生還できた。・・・激しく妄想が入っておりますが、気になさらぬよう。最後に、沼尻さんへ。お名前「りゅうすけ」さんなのにずーっと「たつのり」さんだと勘違いしていてごめんなさい。
2013.09.27
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チェロ:阪田宏彰、櫻井慶喜、中林成爾、野村奈美、 横山二葉、小川泰則、佐野朋子、宮坂俊一郎アレンジャー:近藤和明プロコフィエフ/『ロメオとジュリエット』よりモンタギュー家とキャピュレット家リムスキー=コルサコフ/若い王子と王女ムソルグスキー/展覧会の絵(第1プロムナード~古城~テュイルリーの庭~ビドロ~第4プロムナード~卵の殻をつけた雛の踊り~カタコンベ~死せる言葉による死者への呼びかけ~鶏の足の上に建つ小屋~キエフの大門)大野雄二/ルパン三世のテーマ中村八大/上を向いて歩こうバカラック/アルフィージスモンチ/水とワインクイーン/ボヘミアン・ラプソディチェロが8本って、同じ音域の楽器でどうなるんだろう?合唱でいうと、バリトンばかり8人集まった感じ?うまいことハモるのかな?中低音ばかりで渋すぎない?無理にキーキーいわせたら嫌だなぁ。などなど、あれこれ考えて臨んだチェロアンサンブル。結論から言うと、心配ご無用。演奏している皆さんは、同じ音だから聞き取りづらくて演奏しにくかったとのことだけど、聴いている方にとっては同じ音が溶け合って、変な言い方だけど異物感や雑味がなく素直に聴けた。中低音だから迫力いっぱい。「ロメジュリ」、カッコいいぞ。「若い王子と王女」では、一瞬現れるシェヘラザードの主題にうっとり。「展覧会の絵」は結構時間がかかるということで、お子様は親子室とか、適宜出入りして構わないと阪田さんのアナウンス。親子室は暑いからぐったりして静かになるかも、なんてブラックなジョークも。ここでは二葉さんの低音が(男らしくて・笑)好きだな。後半は比較的軽い曲を。ロックや洋楽はほとんど聴かないので、原曲との比較はできないけれど、「水とワイン」は渋いし、「ボヘミアン・ラプソディ」はそんなにロックロックしていないので原曲を聴いてみたくなった。アンコールでは(曲名控えてこなかった・・・)すっくと立ち上がった中林さんの掛け声が!イチロー張りの渋いお顔であんなことを!前回は阪田さんの風船芸(?)が炸裂。このユニット、一芸が必須なのでしょうか?次回は誰がターゲットに?なかなか日程が合わず、約20日ぶりのコンサート。久しぶりに生の音楽に触れられて、ようやく命の水が得られた感じ。潤いって大切。
2013.08.25
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指揮:小崎 雅弘演出:澤田 康子合唱:荒川区民オペラ合唱団管弦楽:荒川区民交響楽団シモン・ボッカネグラ:佐野 正一(バリトン)アメーリア(マリア):金見 美佳(ソプラノ)フィエスコ(アンドレア):伊藤 純(バス)ガブリエーレ:川久保 博史(テノール)パオロ:細岡 雅哉(バリトン)ピエトロ:照屋 睦(バリトン)射手隊長:金井 龍彦侍女:山村 望実開演前、ロビーではアイーダトランペットを含む金管演奏でお出迎え。アマオケでアイーダトランペットを持っているなんて、なかなかないのでは?合唱団指揮者の先生はじめ、ソリストとしてお世話になった方々がご出演されるとあって、合唱仲間で大挙(過半数だから嘘ではない)した。ヴェルディの作品ではあるけれど、初めて名前を知ったくらいで、ストーリーも全くわからない。粗筋をざっくり詰め込んで、いざ。大抵のオペラでは、ソプラノとテノールが主役で、キラキラ輝かしいのが普通だけれど、この作品はバス、バリトンといった男声低音が主役。佐野さんも伊藤さんも、さすがの貫録。渋いな~。その中にあって、金見さんのソプラノが余計に引き立つ。歌はもちろん、舞台映えする素敵なお姿。政治的対立、海の男の男気、2世代にわたる父と娘の愛情、男女の愛憎etc. が盛り込まれた名作なのに、上演機会が少ないのはなぜかしら?派手さがないから?うーん、もったいない。合唱団の出番も思ったほどは多くなくて、これももったいない。オペラって普通の交響曲とは勝手が違うだろうけど、オケの皆さんはきっと楽しんでいるんだろうな、と思える演奏だった。
2013.08.04
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川口国際文化交流フェスティバルの一環として、川口リリア音楽ホールで開催。ヘンデル/オーボエ協奏曲第1番変ロ長調HWV.301テレマン/オーボエ協奏曲ハ短調TV51:C1ヴィヴァルディ/「四季」より『冬』(弦楽合奏)ヴィヴァルディ/オーボエ協奏曲ハ長調RV.452J.S.バッハ/オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ハ短調BWV.1060オーボエ:渡辺 克也ヴァイオリン:石田 泰尚チェンバロ:水永 牧子弦楽:石田組(Vn:塩田脩、鈴木浩司、佐久間聡一、村井俊朗 Va:生野正樹、鈴村大樹 Vc:金子鈴太郎、田草川亮太 Cb:米長幸一)チケットは完売。私の両隣はおそらく石田ファンと思われるが、周りは石田さんなど知らなそうな、ご近所の音楽好きなおじさん、おばさんたち。ここは埼玉、神奈川フィルの名はまだまだ知名度が低い?オーボエって、ちょっと間違うとぺらぺらと甲高く耳障りな音になってしまうけれど、渡辺さんの音色はなんとも優美でしっとり、耳に心地よい。きっと難曲揃いなのに、なんの苦もなく優雅に吹いていらっしゃる。そして、渡辺さん曰く「重厚なバロック」に仕上げてくれた、石田組の野郎ども。多少暑苦しさがないこともないが(笑)、ヴィヴァルディってこんなにアグレッシブだったっけ?と眠気の吹っ飛ぶ演奏。紅一点の水永さんのチェンバロがまたいい。彼女を前面に出せばもう少し爽やかに・・・。アンコールはマルチェッロ、そしてバッハの第3楽章を再演。エアコンの風で石田さんの楽譜がひらひらする場面があったけど、塩田さんナイスアシスト。渡辺さんと石田組の共演って、はじめは意外に思えたけど、相乗効果でいいかも。「荒川を渡らずとも(東京へ行かず埼玉で)良い音楽を聴かせたい」という渡辺さんの郷土愛も素敵。立派なホールもあるしね。
2013.07.28
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友人が通っているヴァイオリン・ヴィオラ教室の発表会へ。例年は前半が子供の部、後半が大人の部、最後に合奏となっていて、かなりの長丁場だけれど、今年は土曜日が子供の部、日曜日が大人(一部子供)の部と2日間開催。ということで、大人の部を最初から聴くことに。いつもは途中入室だから、プログラムもらえなかったんだ~。皆さんアマチュアだけど、中にはとてもお上手な方もいて、まずはそのIさんと先生とのヴァイオリンとヴィオラのデュオからスタート。いや、さすがです。子供たちも、習い始めて間もない方も、皆さん一生懸命。お客さんの前で一人で弾くって、それだけでも緊張感ハンパないよね。譜面台の向きもあるんだろうけれど、壁に向かって弾いているような方もいて、それはちょっと残念。折角だからお顔を見せてほしかったな。上級になるにしたがって、ステージマナーも堂に入ったもの。多少の事故はあったものの、あのリカバリー力は見習わなくては。合奏前のトリはIさんとピアノのNさんの名物コンビ。しばらくお休みされていたらしいのに、さらりと「タイスの瞑想曲」なんか弾いてしまう。なんというか、弓の返しが滑らかで、音に丸みがあって安心して聴ける。さらに先生とのデュオでモーツァルトも。石田さん、柳瀬さんで聴くのよりはゆったりめだったけど、モーツァルトの遊び心がよくわかる演奏だった。先生ったら、ヴィオラのところヴァイオリンを持って出たり、他の人のヴィオラを持って出て慌てて取り替えたり、小ボケがナイス。いや、進行もあって大変なんだろうなとはわかっちゃいるけど、なんとも可愛らしい。合奏は、まずはヴィオラのみで。2,3人ぱらぱらとしかいなかったヴィオラが、今年は7,8人も。深い音色にファンが増えたとか?続いて全員で「天空の城ラピュタ」「花は咲く」合奏。「花は咲く」の歌詞カードが配られたけど、歌えるほどは知らないのだ。楽譜もついていたら良かったのにな(初見できないくせに)。なんだかんだでたっぷり3時間、やっぱり長丁場。皆さんお疲れ様でした。また来年楽しみにしています。
2013.07.21
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ヴァイオリン:中島ゆみこチェロ:エリック・ウィリアムサクソフォン:宮崎真一コントラバス:小笠原茅乃ピアノ:小埜寺美樹ジェフリー・クイック/トリオ(ヴァイオリン、アルトサックス、ピアノ)フランチェスコ・ザッパ/3人のためのソナタ(ヴァイオリン、チェロ、コントラバス)ケンドラー・ケストナー/3つの前奏曲(アルトサックス、チェロ、ピアノ)アンドレア・フェランテ/フリー・エモーション(ソプラノサックス、チェロ、ピアノ)ルイージ・ボッケリーニ/チェロ協奏曲変ロ長調(チェロ、コントラバス)マルク・エイシェンヌ/哀歌と踊り(ヴァイオリン、アルトサックス、ピアノ)合唱団のメンバー数人と、永福町にあるソノリウムという100人くらいのホールへ。普段なら聴こうと思わない現代曲でも、好きな人が演奏する、小さなホールで距離が近い、となると、ひょいと出掛けてしまい、「なーんだ、意外に面白い曲じゃん!」ということもしばしば。もちろん、どうしてもダメな時もあるけど、とりあえずは聴いてみようという気になる。上記6曲の中で、ザッパとボッケリーニが18世紀の人。ザッパの時に安心してちょっとうとうとしてしまったけど、どの曲も刺激的で、18世紀も21世紀も大きくかけ離れている訳じゃないじゃない?むしろ繋がっているのかも。最後の曲はリズムが無茶苦茶(変拍子?)で、中島さんと宮崎さんが一生懸命数えているのが印象的。プロがこうなんだから、アマチュアの私達ももっと真剣に数えなくては。弾き終えた時の空気の振動とか、休符の息を飲むワクワク感とか、合唱にも活かせることがいっぱい。活かせるといいんだけどね。演奏者の皆さん、もちろんそれぞれ素敵なんだけど、中でも特筆すべきはサクソフォン。ジャズの派手なイメージと違い(それはそれで好きだけど)、とても優しい柔らかな音色が心地良い。この人がこの演奏を!?という意外性もあり(失礼)、クラシックとサックスって相性が良いのかも。アンコールはモンティのチャールダッシュを全員で。サックス早吹き&やったぜ!ポーズに一気に場が和む。ムジカ・タラムム(音楽の部屋)堪能。
2013.07.09
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指揮:金 聖響トロンボーン:倉田 寛(首席トロンボーン奏者)ゲストコンマス:森下 幸路管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団ベートーヴェン/交響曲第2番ニ長調作品36武満徹/ファンタズマ/カントス2ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調作品92今日も灼熱の紅葉坂を上る。ホワイエで飲むドリンクの美味いこと。だけど石田さんが降り番だったので思わずめまいが…。というわけで、第2番は心ここにあらず。ついついティンパニのお兄さんを眺めてしまう。ゲスト?新しい人?ぼんやりしてたらクラリネットが素敵で引き戻された。武満は正直よくわからないが、打楽器がずらりと並んでいて、見ている分には楽しい。思わず平尾さんを注視。トロンボーンは3種類のミュートを使用、微妙に音色が違うのね。指揮者が手渡す風景も新鮮。アンコールは同じく武満の「小さな空」、倉田さんのトロンボーン&テノールが響く。歌うとは思っていたけど、やっぱり。やるな~、クラカン。団員の皆さんの笑顔も素敵で、首席をソリストとする音楽堂シリーズはいつも温かでいいな。第7番は一時のだめ効果でうんざりだったけど、久しぶりに聴くと良い曲だ。そしてやはりティンパニさんを見てしまう。恋?(笑)なにはともあれ、坂の下りの足が軽やかになる演奏会だった。配られたチラシの裏に来年度の新体制が書かれていて、金氏に代わり川瀬賢太郎さんが常任に就くとのこと。随分若返りましたな~。他にも何か動きがありそうだし、今後を注目せねば。
2013.07.06
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ヴァイオリン:石田泰尚チェロ:山本裕康バッハ/無伴奏チェロ組曲第5番バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番モーツァルト/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲ラヴェル/ヴァイオリンとチェロのためのソナタ広いステージに椅子がぽつんとひとつ。無伴奏というのはただでさえ厳しいものだけど、山本さんは修行僧のような厳しさを自らに課している気がする。こちらも心して聴かねば。他方、石田さん。この難曲をも楽しんでいるような。久しぶりに聴くシャコンヌは圧巻。後半はモーツァルト。いつも聴いているアレか、と思ったら違った。寡黙なトーク(笑)があって、最後はラヴェル。何度か聴いて、そのユニークさにようやく耳慣れてきた感じ。アンコールはヘンデルのパッサカリア。演奏スタイルの違うお二方だけど、お互い信頼し合い、尊敬し合っているのがよくわかる、素敵なリサイタルだった。それにしても、昨日は神奈川フィル(オケ)、今日はデュオ、明日はカルテット、明後日はトリオ…石田さん、いつ休むのでしょう?お身体大切に。ついでに追っかけの皆さんも。
2013.06.30
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指揮:金 聖響チェロ:ミハル・カニュカリゲティ/アトモスフェールドヴォルザーク/チェロ協奏曲ロ短調作品104バルトーク/管弦楽のための協奏曲Sz.116本日のロビーコンサートはトロンボーン隊の皆様。余裕ぶっこいてランチ後のんびりしていたら、後半しか聴けなかった。お詫びに(?)ブルーダルのポストカードをお買い上げ。これで暑中見舞い書こうっと。まずはリゲティ。「ミクロポロフォニー」という手法らしく、好きな人は好きだろうけれど、私はダメだ~。小さな羽虫がうごめいているようなぞわぞわ感で、肩こりが悪化。短い曲だったのがせめてもの救い。さて、王道を行く「ドヴォコン」。ミハルさんの音色は思いの外明るく、一瞬あれれ?と思ったけれど、これはこれで爽やかでいいじゃないですか。毎度「ドヴォコン」に泥臭さを求めるのはおかしな話。終盤の石田さんとの二重奏もバッチリ、それは美しいものでした。バルトークは「オケコン」と呼ばれている超有名曲らしい。協奏曲って、普通はピアノやらチェロやらヴァイオリンなどソロ+オケの構図だけど、バルトークのこの曲だと、オケの中の楽器それぞれがソロの役割を担っているってことかしら?難しいことはわからないけれど、小太鼓がテコテコしたり、金管さんが派手派手しく鳴ったり、あら今日のティンパニさんは客演なのね、とか、注意力散漫にあちこち楽しめたので良かったとしよう。お隣のお兄さんからブラボーが出て、初めてお隣になった方だから定期会員ではなさそうだけど、この調子で次もかなフィル聴きに来て欲しいなぁ、と切に願ったのでした。
2013.06.29
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原作:泉 鏡花作曲:香月 修上演台本:香月 修/岩田 達宗指揮:十束 尚宏演出:岩田 達宗合唱:新国立劇場合唱団児童合唱:世田谷ジュニア合唱団管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団白雪:腰越 満美百合:砂川 涼子晃:西村 悟学円:宮本 益光鉱蔵:妻屋 秀和鯉七:羽山 晃生弥太兵衛/蟹五郎:大久保 光哉鯰入:志村 文彦万年姥:森山 京子与十/初男:加茂下 稔夜叉ヶ池の主・白雪は、晃の撞く鐘の音に縛られ、愛しい人のもとに行けずにいる。白雪が去れば、里はたちまち湖の底に沈んでしまうが、村人たちは信じようとしない。日照りが続き、村人たちは晃の妻百合を雨乞いの犠牲にしようとする。助けようとする晃・学円と、一歩も引かない村人たちのやり取りに、百合は鎌で胸を切って自害。ちょうど鐘を撞く丑三つ時となったが、晃は鐘を撞かない。白雪が解き放たれ、村は水に沈む。ちょっと昔の日本、泉鏡花の妖しい世界。字幕がついていても意味がわからなかったり、読めなかったり。国語力の低下が情けない。日本語ものは滅多に見ないのだけれど(「愛してる」やら「美しい」やら、気恥ずかしい。「アモーレ」とか「ジュテーム」なら平気なのにね)、そういうことを織り交ぜつつもほとんど気にならない。人間たちと、水の中のコミカルな生き物たちとの場面転換も楽しい。色々な内容が含まれていて、お百合さんが自害する直前の「もう沢山でございます!」という悲痛な叫びには、見ているこちらも胸が痛くなる。人間はいつの世も同じ愚かな過ちを繰り返す。白雪たち水中のものが水没した村を眺める際、客席を振り返って人間の愚かさを嘲笑する。ここで観客も舞台に組み込まれていたこと、すなわち自分達も愚かな人間であることに気付かされた。朗々と歌い上げるアリアや、派手なセットは無いが、じわじわと染み入る良い作品だと思う。音楽や出演者それぞれについて感想が書けないのは、すべてが一体となった「夜叉ヶ池」に見入ってしまったからで、個別に書いても意味がないかな~と思ったので。あと2回あるけど行けないので、いつかどこかで再演されますように。
2013.06.26
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ヴァイオリン:石田 泰尚ピアノ:中島 剛シューベルト/ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第1番フランク/ヴァイオリン・ソナタ イ長調アントニオ・アグリ/アディオス・ノニーノ変奏曲ピアソラ/タンゴの歴史全4曲 ・ボーデル1900 ・カフェ1930 ・ナイトクラブ1960 ・現代のコンサートピアソラ/ル・グラン・タンゴ駅からてくてく歩くこと15分、ハーモニーホール座間到着。真夏だったら絶対タクシーだな。なるべく駅近、もしくはバスやタクシーがばんばん走っているホールでお願いします。という訳で、シューベルトは運動の後のお昼寝タイム。石田さんも中島さんも、軽く肩慣らしする感じでしょ。舞台袖に引っ込まず、そのまま続けてフランクのソナタ。これで一気に夢の世界から引き戻される。第2楽章後に拍手が起きるのもよくわかる。勢いがあってカッコいい中に程良く甘さもあって、これぞまさしく「華麗なる世界」!後半のタンゴも乗りに乗って、譜めくりが遅れた中島さんと縦がずれることもあったけど、それも生の醍醐味ってことで。アンコールは3曲。「ある愛の詩」ぴょんきちがパブロフの犬並みに条件反射で涙する曲のひとつ。次はなんだっけ?聴いたことはあるんだけど、タイトルが思い出せない。熱狂しスタンディングオベーションする聴衆に、右手を挙げて応える石田さん。長渕か!?そして最後に「誰も寝てはならぬ」石田さんに命令されれば完徹頑張りますよー。いやぁ、遠路はるばる出向いた甲斐がありました。ところで、演奏中、時々ホール外でゴロゴロ聞こえていて、雷?と思ったが、雨は降っていない。帰りにもゴロゴロ、空を見上げると飛行機。もしかして、自衛隊かキャンプ座間か。この程度でこうなら、沖縄なんてどうなっているんだろう。折しも都議選投票日、都民のぴょんきちはちゃんと投票しました。
2013.06.23
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指揮:伊藤 翔チェロ:山本 裕康/門脇 大樹(両名とも神奈川フィル首席チェロ奏者)武満徹/雨ぞ降るソッリマ/チェロよ歌え!~2つのチェロと弦楽のためのバラード~ソリストアンコール:バッハ「プレリュード」+サン=サーンス「白鳥」ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」週末の疲れた体にムチ打って紅葉坂を上る。会場に着いたら開演5分前、トイレに行く余裕はない。しかも席に着くまでの間に、もらったチラシの束からご丁寧にもプログラムだけを落とし、再度もらいに行く時間もない。これは自分が悪いんだけれど、平日夜の音楽堂はゆとりがなくてキツいなぁ。武満は、各セクション1名ずつの小編成。チェロのゲスト首席は阪田サマではありませんか。思わず和む。曲自体は、雨と言われりゃ雨かも、という感じ。聴きづらくはなかった。指揮者が雨男・金聖響氏だったら、土砂降りになっていたかも。ソッリマはジャズ風のノリで、確かに2台のチェロが歌ってる。若々しくてちょっと荒ぶる門脇さんに対し、「男の魅力とは」とじっくり語りかける裕康アキニ。同じフレーズの繰り返しでも、そういう違いが表れて面白い。アンコールでは、門脇さんが「プレリュード」を弾き始め、山本さんがどう絡んでくるかと思いきや、「白鳥」ですか。そういうこともできるんだ、ふーん、へー、と感心しきり。休憩中にトイレに行き、受付でプログラムをもらい、かなフィル監修『神奈川フィルの名曲案内』を購入、作業所のお菓子も買って、ほっと一息ついたところで「田園」の風景へ。木管楽器の皆様に癒されて、あっという間に夢の中。「田園」を聴くと、子供の頃母に連れられて山菜採りに行ったことを思い出す。でこぼこの砂利道に車を停めて、だだっ広い草むらの中に分け入る。カッコウを聞きながら蝶を追いかけ、気がついたら母から離れ結構奥まで入り込み、不安になって来た道を戻る。途中牧場もあったし、田園と言って言えなくもない。んーと、雑な感想だけど、いつぞや聴いた「緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ」風な田園でなければ、余程のことがない限り、「田園」は良い曲だ~。楽団員の皆さんにお見送りされて、音楽堂の外に出る。音楽堂での演奏会って、他のホールよりずっと名残惜しいんだよね。だから来月も、えっちらおっちら紅葉坂を上らねば。
2013.06.07
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指揮:パオロ・カリニャーニ演出:グラハム・ヴィックナブッコ:ルチオ・ガッロアビガイッレ:マリアンネ・コルネッティザッカーリア:コンスタンティン・ゴルニーイズマエーレ:樋口 達哉フェネーナ:谷口 睦美アンナ:安藤 赴美子アブダッロ:内山 信吾ベルの司祭:妻屋 秀和合唱:新国立劇場合唱団管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団演出が現代風ということで、まずは粗筋を頭に入れて会場へ。ステージ上には巨大なデパート、大勢の人が行き交っている。「大道具さん、すげー!」と素直に感激。物欲にまみれてしまった、モノトーンの衣装の“ひとびと”と、ベル神(邪神)を信仰するネオンカラー+仮面のバビロニア人。一神教という宗教的背景は日本人にはわかりにくいだろうと、人間を超えた存在=自然と置き換えての演出だそうだけれど、自然云々はどこに表現されていたのかわからず。はじめのショッピングバッグを持ってのた打ち回る姿に違和感ありありだったけれど、次第に気にならなくなったのは、ヴェルディの音楽の力だろう。聴いていくうちに、脳がバビロニアやエルサレムの雰囲気に勝手に変換してくれる。ナブッコのガッロさん、立ち上がりは不調に聞こえたけれど、歌い出しがデパートの上階で、私の席が端っこのお得席だったからかも。バリトンだから、ソプラノやテノールに比べれば聞き取りづらいのは確か。アビガイッレのコルネッティさんはパワフル。最も多くの拍手をもらっておりました。私としてはフェネーナの谷口さんが良かった。合唱もオケももちろん素晴らしい。ただただ残念だったのは、私がお安い席を選んだことで舞台上がよく見えず、ザッカーリアだか妻屋さんだかわからなかったこと。他にも衣装や小道具でいろんな仕掛けがあったに違いない。巨大なキューピーちゃんが崩れ落ちた時は、思わず笑ってしまった。まあ、とにかく楽しかった。でも、次回はオーソドックスな演出で、正面から見たい。
2013.06.04
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ヴァイオリン:三浦文彰ピアノ:イタマール・ゴランドビュッシー/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト短調ラヴェル/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調マルク=オリヴィエ・デュパン/ヴァイオリンとピアノのためのエヴァンタイユ(世界初演)ベートーヴェン/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第9番 イ長調「クロイツェル」アンコール:シューマン/インテルメッツォ(F.A.Eソナタ第2楽章)バルトーク/ルーマニア民俗舞曲東京オペラシティのコンサートホール、1階前方の端っこの方で聴く。そのせいか、聞こえ方がどこかアンバランス。もう少し小さいハコでも良かったかも。相変わらず冷静で、いとも簡単に弾いているように見える三浦さん。もちろん目に見えない情熱を秘めていて、うんと練習しているからこそなんだけど、もっと表に出してもいいのにな~、もったいないな~と思う。「エヴァンタイユ」は三浦さんとゴランさんに捧げられた曲とのこと。三浦さんはヘッドマイクを付けて、短い詩を読んでは短い曲を演奏するというスタイル。こういう曲は、変に感情を込めるよりはむしろ淡々としている方が、想像力をかきたてられて楽しめるかも。ピアノのゴランさんは、お名前は良く聞くけれど演奏は初めて。単なる伴奏にとどまらないのはもちろんのこと、力強さと繊細さには圧倒させられる。つい「三浦くん頑張れ!」と思ってしまう。あれ?今回はちょっと辛口?いやいや、十分上手いし、音もきれいだし、素晴らしいヴァイオリニストであることは間違いない。期待が大きい分、魅せ方にやや物足りなさを感じるけれど、それはまだ若さゆえのこと。ちなみに終演後、後ろの席のおばさま方の会話。「母性本能をくすぐるっていうか・・・ねぇ」ふむ。お手洗いでの娘さん達の会話。「同じ20年なのに、どうしてこんなに違うんだろう」「音楽家はナシって思ってたけど、惚れる~」ほほう、どうやら同い年の音大の学生さんらしい。惚れたか、そうかそうか。私も「あと20年若かったら」とか思いながら、甥っ子を見守る気持ち(あえて息子とは言わず)で追っかけるとしよう。
2013.06.01
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指揮:現田 茂夫ヴァイオリン:三浦 文彰ゲスト・コンサートマスター:崎谷 直人ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調ソリストアンコール:バッハ/無伴奏パルティータ第2番よりサラバンドヴェルディ/オペラ管弦楽曲集「アイーダ」序曲「シチリア島の夕べの祈り」序曲「運命の力」序曲「ナブッコ」序曲「椿姫」第1幕への前奏曲「アイーダ」凱旋行進曲とバレエ音楽開演前のロビーコンサートが終わる頃会場到着。つい先日入団されたチェロ首席の門脇さん、ファゴット首席の鈴木さんによる演奏だったらしい。間に合わなかったのは残念だけど、かなフィルメンバーも多数聴いていらしたようで、お戻りになる小宮さんとすれ違い、それだけで気分上昇。石田さんは降り番だけど、他の首席の方々が勢揃い。ゲストコンマスの崎谷さんはまだお若い。足元は・・・ブーツ!?結構ファンキーな人かも。弱冠20歳の三浦さん。前回聴いた時は、その超絶技巧にただただ目が点になり「ほええ~」の一言だった。今年もクールにサラリと弾いていて、既に凄い人なのは知っているせいか、それほど熱狂的にはなれなかった。むしろソリストアンコールのバッハ。まさかバッハでくるとは思ってもおらず、初めの数小節で涙腺崩壊。三浦さん、大人になりましたね(私がオバサンになっただけか)。三浦さんのソロリサイタル見つけたから、おこづかい捻出して行こうっと。後半は現田さんお得意のオペラ。ヴェルディの序曲ばかりってのは珍しいが、実はこの中で観たことあるのは「椿姫」だけ。それ以外は管楽器が大活躍のパンパカパーンな曲で、イマイチ区別がつかん・・・。もっと勉強しとかなくちゃ。さすがに最後の「アイーダ」はわかったけど。ステージ上部オルガン横から奏でられるアイーダ・トランペット、血沸き肉躍るっていうのはこういうことか。ヒーロー戦隊ものを見たような高揚感で、さっそうとホールを後にしたら、あらまあ21時半!クールだったり熱かったり、石田さんはお留守でもかなフィルの美音は健在で、いろいろ楽しめた演奏会。あ、そうそう、プログラムに掲載中のチェロ首席山本さんのコラム「神」トーク、心の準備なく読むと鼻水を吹き出してしまうのでご用心。
2013.05.24
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