存生記

存生記

2009年10月25日
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「バルトの楽園」のDVD。第一次世界大戦の青島攻略で日本軍の捕虜になったドイツ兵と地元民らの交流を描く。松平健やブルーノ・ガンツといった存在感のある俳優を配して安定感がある。板東という俘虜収容所がでてくるので決まったのか、板東英二の軍人役もご愛敬だ。4700人のドイツ人捕虜が日本国内12箇所の収容所に送られたというが、収容所ごとの待遇の格差もよくわかる。

 戦争映画というと陰鬱なものが多いので実に爽やかな後味の映画に仕上がっている。明治維新の後の会津人差別の描写はくどいと感じたが、そこも描きたいテーマなのだろう。

 第一次世界大戦を描いた邦画は少ないように思う。日本は青島のみならず地中海にも出兵して連合軍の護衛にあたり、死傷者も出しているのだが。そのときの「国際貢献」によって国際社会でのプレゼンスを高めたのだった。

この映画ではバームクーヘンのようなドイツの洋菓子や模型や工芸品を作って地元民に売ったり、収容所内で新聞を発行していたことも描かれている。ハイライトはなんといっても、国内初というベートーベンの第九の演奏だ。このエピソードがなければ史実に基づいているといっても締まらない話になっていただろう。





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最終更新日  2009年10月25日 20時33分42秒


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