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2009.01.06
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カテゴリ: 台湾映画

 台北の街、昼下がりの公園。お腹を下したらしい年配の女性(ルー・イーチン)がトイレから出てくると、3歳になる孫の姿が見当たらない。女性は台北の街中を必死になって捜して回る。
一方、同じ街の片隅では、祖父が作ってくれた弁当には手も付けず、ファーストフードで食事をすませる少年がいた。一日中インターネットカフェに入り浸り、祖父のことなど気にも留めずゲームに夢中になっていた少年だったが・・・。


 なにも知らずに観れば、監督はツァイ・ミンリャンだと見間違う人もいるのじゃないだろうか。
それくらいに良く似ている ミンリャン節 の、リー・カンション初監督作。
欠かせない長回し、ロングショット、摂食排泄の描写。

一見、祖母が迷子になった孫を泣きながら探し回るだけのストーリーに見えるが、裏でもうひとつ、祖父と暮す現代っ子の少年の日常が動いている。
預かりものの大切な孫がいなくなり、尋常ではないほど動揺する祖母の姿は痛々しい。
パニックに陥り、泣き叫び、なりふり構わず半日中街を探し回るのだ。


bnr_maigo04.jpg


時に街角ですれ違いながら、一日の終わり、夜の公園でふたりは偶然出会う。
ふたりは気づかないけれど、敷地の外には、迷子の孫と少年の祖父が、手を繋いで歩いている。
年代も生活もかけ離れた二人が、親しい言葉を掛け合うでもなく吸い寄せられるように佇む、都会の夜の風景がちょっといい。

時は奇しくも、新型肺炎 SARS の脅威が台湾に迫ってるころ。
新聞には見出しが躍り、少年の友人はSARSらしきの症状で行き倒れ、不穏な空気だ。
子どもたちは不健康なネットカフェに入り浸り、老人たちは孤独。そんなたくさんのモチーフがさりげなく入り混じる。

bnr_maigo03.jpg


長回しで平坦な絵面を構成する、ある種退屈なミンリャン風の撮り方そのままに、確固たるものが浮き彫りにされないのはちょっとツライ。
作品にのめり込ませる力が足りないのは、初監督ということで、これからに期待しよう。
それにしても、ここまで作風が似てしまうのは・・どうだろう。

本作についてリー・カンションが語った言葉を読むと、少し見えてくるものがある。

その姿から浮かんだ構想だという。
本編は 父に捧げ られている。

そういえばミンリャンの『 ふたつの時、ふたりの時間 』でも、祖母を演じた主演のルー・イーチンは、夫を亡くした喪失から立直れない母親を演じていたっけ。

それにしても現代の台湾と日本は、似てる。





製作  ツァイ・ミンリャン
撮影  リャオ・ペンロン
出演  ルー・イーチン  ミャオ・ティエン  チャン・チェア

(カラー/88分)





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Last updated  2010.02.14 22:06:54
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