KUROうさぎの『コンサートを聴いて』
2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全1件 (1件中 1-1件目)
1
鑑賞日:2015年9月12日(土)15:00開演入場料:¥12,000 (F席:5階2列) 【主催】(財)日本舞台芸術振興会英国ロイヤル・オペラ来日公演歌劇「マクベス」ヴェルディ作曲全4幕(イタリア語/日本語字幕)会場:東京文化会館 大ホール指 揮:アントニオ・パッパーノ演 出:フィリダ・ロイド再演監督:ダニエル・ドーナー美 術:アンソニー・ワード照 明:ポール・コンスタブル振 付:マイケル・キーガン=ドラン再演振付:キルスティ・タップ殺 陣:テリー・キング殺陣(アシスタント):ロックハート・オグルヴィ合唱監督:レナート・バルサドンナ管弦楽: ロイヤル・オペラハウス管弦楽団合 唱:ロイヤル・オペラ合唱団コンサートマスター ヴァスコ・ヴァシレフ出演マクベス:サイモン・キーンリサイドマクベス夫人:リュドミラ・モナスティルスカバンクォー:ライモンド・アチェトマクダフ:テオドール・イリンカイマルコム:サミュエル・サッカー医師:ジフーン・キム夫人の侍女:アヌーシュ・ホヴァニシアン刺客:オーレ・ゼッターストレーム伝令/亡霊1:ジョナサン・フィッシャー亡霊2:野沢晴海(NHK東京児童合唱団)亡霊3:鈴木一瑳(NHK東京児童合唱団)ダンカン王:イアン・リンゼイ感想 ロイヤル・オペラ来日公演は、2010年「マノン」を聞いてタイトルロールのネトレプコの歌唱に圧倒され、更にオケや演出も良かった印象があり、今年も来日とのことで、チケット確保し、残暑も緩み曇り空の下、来日公演初日、上野まで出掛けた。 開演のアナウンス、場内暗転となり、チューニングの後、指揮者登場。指揮は2002年からロイヤル・オペラ音楽監督を務める、アントニオ・パッパーノ。 前奏曲からテンポの変化、ダイナミズムの大きな演奏で期待が持てる。オケは男性の割合が多く、ホルン4人は全て男性で、fが力強い。 幕が上がって、第1幕1場は森の中でマクベスとバンクォーが魔女たちと遭遇する場面。舞台左右と背面に舞台上部までつながる黒い格子状の壁で囲まれ、暗闇の状態。左右の壁の一部が扉状に開き、光が漏れ兵士たちの行進が進む。演出は基本的に左右と背面の黒壁で仕切られて進み、ベットが入り寝室や居間となり、背面の壁が上がり瞬時に野戦場や森への場面転換となる。 衣装含め基本黒を基調とした場面が多いが、王たちが黄金の馬と鎧で現れたり、黄金の格子状の檻のようなものの中で王位継承や最後の戦いが行われることで、黄金が王位、権力の象徴を表し、暗殺、殺害の場面の赤が血の色となり、色や照明の使い方でより強調されて目に映る。 また本オペラは前半3幕の進み具合に比べ、最後4幕は4つの各場面が短く、あっという間にマクベス夫人が狂乱の中、自害し、マクベスがマクダフに討たれてしまうのだが、今回第4幕1場荒野でマルコムがマクダフと決起する場面の舞台上でベットでマクベス夫婦が寝ており、夢の中の恐怖を表しているとの位置づけか。 更に1場から2場に代わる間奏で、舞台背面の壁が少し開き、浴槽の中で何度も手を洗うマクベス夫人を登場させ、2場の手についた血が落ちない狂乱の場面につなげており、唐突感、違和感なく物語に入って行けた。 2011年からの演出とのことで、素早い舞台転換含め、よく練れていると感じた。 歌手は皆さんよく通る役に合った声との印象。その中でもマクベス夫人役リュドミラ・モナスティルスカの声量は素晴らしく、ホール中を満たす歌声で圧巻。特に狂乱の場面は押し殺した弱めの声にもかかわらず、ビブラートを上手く使い、美しさの中に恐怖を感じるような歌となっていた。マクベス、バンクォー、マクダフ、マルコムも、素晴らしかった。また、亡霊役の日本の少年達のボーイソプラノも良かった。 兵士たちの迫力満点の合唱に比較し、魔女たちの合唱にバラバラ感があったが、これは魔女らしさを出すための特異な歌い方だったのでしょう。 なんといってもこのオペラを引っ張ったのはオーケストラで、大音量と消えそうなPP、テンポの差が大きく、それによって日本では通常聞けない、ヴェルディらしい劇的な音楽を表現していた。 これは英国育ちだが、両親がイタリア人の指揮者アントニオ・パッパーノの功績でしょう。 やはり音楽レベルの高い引越し来日公演は、新国立劇場のように外国歌手だけ集めても成し得ない、指揮者、オケ、歌手、演出全てが揃って初めて触れられるオペラを満喫することが出来た気分に。 休憩1回25分を挟んで3時間10分の公演だったが、あっという間にカーテンコールになった印象。 本当は、本場の劇場で聞くと更に良いのでしょうが・・・。End
2015.09.12
コメント(0)