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床に蒲団を敷いて寝るのが、どうやらわたしは好きらしい。 いちばん好きなのは、寝室という、とってもプライベートな空間が昼間はたたまれて消えてしまうところかな。
子どもたちは3人とも、それぞれにふさわしい、それぞれらしいベッドで寝ているのに、そして、それがうらやましくなって、ときどき、子どものベッドにもぐりこんで昼寝することもあるのに、わたしはゆるぎなく敷き蒲団派だ。
子どもたちのベッドは、すごくいい(高価で立派という意味では、ない)。
そういえば、3人ともベッドではあるけれど、マットレスで寝ている者はいないな。木製で、寝台がすのこになっていて、そこに蒲団を敷いて寝ているところが、共通している。子どもたちも、部分的には、蒲団派なのかもしれない。
長女のは、変わったところのない素朴なベッド。彼女の性格をあらわしているような……。
二女のは、あるときとつ然、ふたつ折りになる。
彼女が洋裁をするとき——とくに裁断をするようなとき——、床面積を広げたいときに、敷きも掛けも蒲団はそのまま、まんなかを持ち上げてふたつ折りにするのだ。わたしが選んだというのに、ベッドがふたつ折りになっているのを見るたび、「ひゃー、すごい、すごい」と、手を打って驚く。
そして末の子どものベッド。うちに遊びにやってきてくれるひとの半分が、このベッドを見て「いいね、これ、ほしいかも」と言う。
まず、ベッドの下が3段ずつ2列のひきだしになっている。ひきだし部分は
タテ半分だけで、もう半分は、空きスペースになっていて、ここに、季節外の寝具と、泊まってゆく友だち用の寝具2組をしまわせてもらっている。この収納力が、人気の由縁らしい。末の子どもの部屋にだけ作りつけのワードローブがなく、小さな観音開きの押し入れ(仏壇などを納めるのによいような)がひとつあるきりなので、ベッド下のひきだしには、彼女の下着類、ブラウス、Tシャツ、半ズボン、デニムが仕舞ってある。
さて、わたしと夫。
わたしたちにも、寝室専用の部屋は、ない。 わたしの仕事部屋に、蒲団を敷いて寝ている。
夜になるとたちまち寝てしまい、朝、けっこう早く起きても、まずは家の仕事を片づけるので、なんら困ることは、ない。ここは洋間で、木の床の上に蒲団を敷くことになる。
蒲団を敷く。
蒲団を上げる。
これが、めんどうではないか、と言うと、そうでもない。
「蒲団、敷いておくれよー」
と、夫に向かって猫なで声をだすこともある。
そういえば、敷くのより、上げるほうが、わたしは好きだ。
さあ、ここからが、きょうのトピック。
蒲団は、敷きも掛けも、くるくる巻いて仕舞う。
どちらもふたり用のサイズなので、まずタテにふたつ折りにし、下からきっちり巻くのである。
いまよりずっと狭い家に住んでいたとき、押し入れのすみっこにやっとの思いでつくった蒲団用のスペースをみつめながら、ここに蒲団をしまうには……ふとんを、おしぼりみたいに巻いて仕舞うしかないわね……と思いついた。そのときから、ずーっとこうしている。
こんな蒲団のたたみ方を見たら、わたしたちの先代、先先代のひとたちは目を丸くするのにちがいない。
でも、これ、なかなかいいんだ。
仕事部屋の、わたしのワードローブには、洋服のほかにも、マンガの本や自分の本が置いてあるので、蒲団を三つ折りにして仕舞うことはむずかしい。
で、くるくると巻いて……、仕舞う。
これを真似しようと思ってくれるひとがいたら、うれしいなあ。ま、いてもいなくても、わたしはこれからも巻くんだけど。


くるくる蒲団に、布を1枚かけておきます。
これで、寝具というプライバシーは、消滅。

子どもを代表して、末の子どものベッドを。
ベッドの上の3つのクッションは、昨年のクリスマスに、
サンタクロースが持ってきてくれたのです。