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profile:山本ふみこ
随筆家。1958年北海道生まれ。つれあいと娘3人との5人暮らし。ふだんの生活をさりげなく描いたエッセイで読者の支持を集める。著書に『片づけたがり』 『おいしい くふう たのしい くふう 』、『こぎれい、こざっぱり』、『人づきあい学習帖』、『親がしてやれることなんて、ほんの少し』(ともにオレンジページ)、『家族のさじかげん』(家の光協会)など。

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2008/05/07
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カテゴリ: 生活

 夫は、煙草を吸う。 ひとから猛然と「やめさせたほうがいい」と言われることがあるが、煙草をやめろとは言えないし、そうしたほうがいい、とも考えていない。



 夫がやめたい、と言えば、協力しないでもないが。



 それでも夫は、ひと知れず、外に出て煙草を吸う。
 自分の仕事部屋から小さな庭に出て、煙草を吸っているときの背中を、なんだかわたしは、ちょっと好きなのだ。
 それがこのごろ、なぜだろう。
 わざわざ階段を上がり、2階のベランダに出て吸うようになっている。何かを見下ろしているような様子。
「何か、見えるの?」
「真昼のホタルが……」



 なんだなんだ、真昼のホタルって。
 ベランダの手すりにつかまって、下を覗く。
 あ、ホタル。



 なんという名の草かわからないけど、黄色い花がいっぱい咲いている。
 ホタルみたいに見える。
「花が開くのは日中だけで、夕方から朝にかけてつぼんでるんだ」



 そういえば、数日前、夫とのあいだに、こんなやりとりがあった。
「庭の草とり、しなくちゃね」「もうしたよ」
 だけど庭には雑草がぴょこぴょこ生えていて、草とりをしたようには、とても見えなかった。あのときは、草とりなまけて「もうした」なんて、何さ、と思った。



 そうか、真昼に、きいろいホタルを飛ばすためだったんだなあ。


Photo_5





2階のベランダから見た小さな庭(ほんとは、駐車スペース。
車をもたないわたしたちにとっての、空き地)。







Photo_3









Photo_2





この花、何だろう。
繁殖力をもつ怪獣のような草だったら……?。
何にも知らない相手。
少しは知りたい相手。







Photo_4





朝、まだ起きていない花。
午前8時くらいから、ゆっくり花が開きはじめます。
夕方は、暗くなる前に、また閉じます。
眠るんでしょうね。
雨が落ちてくる直前にも、なにかを予感するように、
閉じます。







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最終更新日  2008/05/07 10:00:00 AM
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