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Jun 23, 2005
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カテゴリ: マクロ経済

いままで調べたことを元に考案してみます。

まずは1980年から85年の基礎データを以下に示します。いろんな文献を参考にしていますが、勘違いもあるかもしれません。主たる参考文献は以下の3つです。

1)1990年のバブル当時に発行された日本経済新聞社発行の「有価証券報告書の読み方」
2)「実践景気予測入門」 嶋中雄二+UFJ総合研究所投資調査部 2003年7月
3)「景気の長波と政治行動」 ブライアンベリー 1995年8月

1980-85
PER18-22
債券6%

労働力率63%
労働人口5750万人
家計貯蓄率15%
経常収支/GDP4%
GDP潜在成長率3.5%
1ドル250円
住宅投資31兆円
自動車輸出制限、日米貿易摩擦
粗鋼消費シェア世界の10%(中国8%)
企業物価指数80年ピーク、その後25年間下落
第2次オイルショック後、商品下落へ

1988年バブル前年日本株式会社:株主資本比率32%、ROE9%,PER50=PBR4.5

2003-05
PER17-22
債券1.3%
企業債務/GDP70%

労働人口6700万人
家計貯蓄率6%
経常収支/GDP3.5%
GDP潜在成長率1.75%
1ドル108円
住宅投資28兆円
中国に生産基地、迂回輸出、現地生産
粗鋼消費シェア世界の8%(中国21%)
米中貿易摩擦、元切上げ圧力
オイル高騰、商品上昇2002年より
米国コンドラチェフの谷2010年?
前回,前々回のコンドラチェフの谷までの10年は?
1890年代米国:上昇下落ともなし平坦、英国:前半上昇、後半それを保つ
1910年代一人当りGDPにおいて米国がNo.1となり、
覇権国は英国から米国へ、(アルゼンチンも覇権を争うが没落した)
覇権国とは一人当りGDPもNo.1である。(中国100位、米国の1/40,元切上げでアップ?)
1940年代米国:前半下落、後半上昇

1980年から85年の日経PERは18-22倍、現在のPERも実績20倍、予想17倍のほぼ同様の条件です。つまり、このPERは「まじめ外務員」さんが言われるように、20年以上ぶりの低いPERであることは事実です。言葉を変えれば日経PERは20年以上わたり世界の常識PERよりも非常に高い値であったといえます。

ケインズが述べたように1980年代の日本では金余り現象が生じ、かつ有効な投資先がない場合には、みんなが投機に走り、結局は経済が停滞するという事実に沿っているように思います。

またコンドラチェフの山すなわち金利および物価のピークは嶋中さんによれば(9年移動平均)では1982年、ブライアンベリー(10年移動平均))によれば1981年であり、当時の米国国債の金利が10%-12%でした。日本国債は1989-90年8.5%がピークでした。1990年に日経が急落したときに、ワリチョーやワリシン(8%くらいの利率があった。)を購入するために店の前には長い行列が出来ました。彼ら(長期投資家)はこれからずっと日本の国債金利が低下し、株価が低下することを知っていたのだろうと思います。新聞で長銀前に長蛇の列が並んでいた記事を見て、変だなあと思った記憶があります。

またFAI投資の方の中には、当時の新日鉄を15年以上に渡り、売り続けた方がいたようです。これこそが長期投資の真骨頂なのかもしれません。アタッカーさんがITバブル時に東エレを3年にわたり売り続けた姿、あるいは住まわれていた神戸が大震災にあわれたときに「不動」を即座に買われた姿こそが真の投資家?投機家?なのかも知れません。自分が保有する銘柄が30%以上下がった(双日のことですが)といって後悔するすような小心者の私はいっぺんに吹き飛ばされてしまったでしょう。http://www5.plala.or.jp/d-4you/
肝が据わっています。私も含めてでが、初心者バリュー投資家がPERやPBRの低い銘柄を噴き値売りするのは、投資姿勢のどこかに無理があるのかもしれません。長期的に見れば今の自称バリュー投資家は単なるカモなのかもしれません。

われわれバリュー投資家は、もちろん理論的に考えながらも、やはり自分が仕事に望む姿勢と同じように、肝を据えて時には超然として、相場に臨む、あるいは企業を信頼することが大切であると思います。まずこれが備わった上での安全余裕率であり、アノマリーなのかもしれません?

話がそれてしまいました。グラフを見て感じたことは、2005年現在はPERで考える限りは1980年から1985年と類似し、企業負債も今のほうが少ないレベルであること。しかしGDPの潜在成長率では25年前の半分にすぎないこと。米国債利率を基準に考えると、1980年代の12%と考えて、日経の当時の益回り(1/PER)はきわめて高いこと(すでにバブル)、2005年はぎりぎり許容範囲のレベルであること。しかしリスクゼロに等しい覇権国の米国の国債金利よりも、米国以外の国は高い益回りのが必要であること。企業倒産件数はGDPに反映されない土地売買のレベル、地価のレベルを反映する。その倒産件数推移と日経株価の推移は1983年以降に乖離し、2003年12月末より両者が一致し始めたことが判ります。日本のバブルは1983年(コンドラチェフの山の1,2年後)に始まり、1990年にはじけ、その過熱感が冷めたのは2003年であったと考えました。

これで自分の中でもやもやしていたものが晴れたような気がします。Value投資の有効性を語る根拠の1つに野村のバリュー株とグロース株の1980年からのパーフォーマンスを引用するWebがありますが、よくそのグラフを見てみると、コンドチェフの山(1981,1982年)以降バブルがはじける1990年まで日経平均よりもバリュー銘柄のほうが著しく上昇しています。5年単位で考えた長期投資でも、バブル時に大型優良銘柄よりも大きくバリュー銘柄が上昇したことを示しています。都市銀行も含めて、今考えれば馬鹿げたQレシオという地価を株価価値に換算した投資根拠に嵌り、みんなが買いあがり、結局はひどい目にあったのが1990年の大バブル崩壊といえます。

小結論1:バリュー株が上昇に対してもっとも効率的なのはバブルが来るときである。
私見:バブルは今後当分来ない。ファンダメンタルと言いながらファンダメンタルが最も恩恵を受けるのはバブルなのか?おかしくないか?

小結論2:バリュー株が下降に対してもっとも耐性が強い。
私見:期待されていないため、その通りである。

結論:市場の推移を予見できるなら、あるいは歴史的に現在の市場が高いか低いかを評価できる能力が十分あれば、成長株投資のほうが適切?。

もし市場の推移を予見することができず、あるいは歴史的に現在の市場が高いか低いかを評価できず、精神的にも弱く開き直ることが出来ずリスクを嫌うものが益を得たいと思う場合は、短期のアノマリーを利用した非常に短期の投資が有効であり、あるいはそれ以外にないだろう。

えらそうなことをいうossanpowerはどうなのかって?今の自分は後者です。CPの半分をアノマリーを利用した短期想定の投資に振り向けています。残り半分はいずれチャンスがきたら、将来を見通した投資を行ってみたいと思い勉強中ということにしたいと思います。

それにしても経済の勉強にはまって1年くらいになりますが、奥が深いですね。
またしてもまとまりのない文章になってしまいましたが、
1)企業倒産件数の逆数と日経は相関係数が非常に高い(0.79)
2)企業倒産件数と日経が乖離を始めたのは1982年であり、これはコンドラチェフの山である。第2次オイルショックが生じ、バブル開始。
3)コンドラチェフの山を過ぎて、クズネックサイクルのピークが1989年または1990年であり、日本はこの時点で40歳人口が急減したため、バブルは崩壊した。
4)米国でもクズネックサイクルのピークが同様にきたが、その後米国では40歳人口が10年で約2倍に倍増したため、崩壊を免れた。加えて、ジュグラーサイクルが招来し、それが尽きる前にキチンサイクル(2000年のITバブルピーク)が招来したため、2005年現在、日本ほど木っ端微塵にならずここまでたどり着いた。
5)しかし、WTI原油上昇が示すように1980年初頭のオイルショック以来の価格上昇、コンドラチェフの谷に向けて2次的物価回復が生じており、今後商品化価格の上昇、金利の上昇、株価の上昇が同時に生じ(すでに2004年開始?)、これらの3つの指標が同時に下降しはじめるのがコンドラチェフの谷である。この谷を経てゆっくりとした、大きな金利上昇が20年以上にわたって生じる
6)米国国債金利は1950年代以降20年以上上昇し、国債を買った人はみんな損した。1980年初頭以降米国国債金利は20年以上低下を続けている。前回の谷は1950年初頭、谷後のクズネックサイクルピークは1972年ころの田中角栄の列島改造論による土地高騰、第一次オイルショック、ニクソンショック。
7)つぎはどうなるか?かつてのフォードの均一大量生産、販売、ロボット生産(1989年ころピーク)からセル生産へ(安い人件費を求めて、海外へ生産工場)、次いで今後生じうるのはロボットによるセル生産(日本に生産工場が戻りロボットによるセル生産を目指すキヤノンに注目している)。






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Last updated  Jun 23, 2005 10:11:54 PM コメントを書く


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