2005年01月31日
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バンコクの地下鉄(MRT)が事故を起こして運行停止になってから、およそ二週間が経った。報道によると、どうやら二月一日から運行が再開されるらしい。喜ばしいことであるが、本当に安全性は確保されているのだろうか。事故の原因は、回送中だった車輌が途中で走行不能になったので、整備センターに牽引する為に別の車輌と連結させる際に連結に失敗し、そのうえ回送車輌の運転手がブレーキを開放したためだという。引き込み線を逆走して、本線に停まっていた車両に激突した。なんかこれ、突っ込みどころ満載という感じだ。

停まったのが整備センターへの引き込み線だったという。走行不能になるような重大な故障が発生していたのが原因の根本なわけで、車両がきちんと整備されていたのか疑問がある。経験上、タイ人は一般的に機械の維持管理が苦手のように思う。ボロボロの機械をよく見るが、単に古いのではなく手入れもせずに使いっぱなしだったり、使い方が異常に過酷だったりする。

また、連結させようとしたのはカーブだったらしい。そうであれば、各車両の連結部に角度がつき、連結する際には連結器が斜めに当たることになる。二度失敗したらしいが、直線部で連結するより難しいのは誰が考えても判りそうなものだ。作業していた人は気付かなかったのだろうか。少なくとも一度失敗した時点で、それに気付いて他の方法を考えれば事故は防げたかもしれない。

この事故の最大の謎が、なぜブレーキを解除したかだろう。それにしても運転手が乗っていたのだから、再びブレーキをかければ済むことのような気がする。それに、強制的に車両を停止させるような制御装置は採用されていないのか。引き込み線を逆走して本線に入れるというのも、何だかよく判らない。

他にも、ホームの扉を開ける鍵がみつからなくて被害者の救出が遅れたとかいう話もあり、もう滅茶苦茶だ。事故は絶対に起きないという前提で運用されていたのだろう。根拠のない自信とか万が一を考えないお気楽さとか、悪いほうのタイ人らしさが出てしまったと思う。

一月十九日付の 『タイの地元新聞を読む』 で、こんな記事を見つけた。
「一方、タイ大量輸送公社のプラパット・ヂョンソンウォン総裁は、地下鉄の運行再開時に地下鉄の安全性を訴え地下鉄の再利用を促すために首相を始め内外の著名人等を招待し再開イベントを開催する他、一定の無料乗車期間を設ける方針で検討を行っている事を明らかにしている」

問題なのは安全なのかどうかであって、有名人が乗ろうと運賃を下げようとイベントを開こうと、それは安全の本質に何の関係もないのではないだろうか。事故の原因を徹底的に追求し、同じトラブルが発生しえないようなシステムにしなければ、安心して利用できないではないのか。イベントで首相が乗っても、どこかの国の大臣が危険と言われている野菜や牛肉を食ってみせて、国民からバカにされたのと何ら変りがないではないか。とはいえ、タイ人の皆様は運行が再開されたら乗るんだろう。たぶん自分も乗るに違いないのだが…





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最終更新日  2005年01月31日 15時45分38秒
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