脳筋の脳筋による脳筋の為のブログ

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2020/02/17
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カテゴリ: 映画鑑賞




1954年製作、黒澤明監督畢生(ひっせい)の超大作。
戦国時代。毎年やって来る野武士の襲撃に備え、村の長老は食い詰めた浪人たちを雇うことを決意。
指揮を執る勘兵衛以下七人の侍は、農民たちを率い、野武士たちと壮烈な戦いを繰り広げるが―。
土砂降りの中で繰り広げられるクライマックスをはじめ、後のアクション映画史に与えた影響は計り知れない。

『七人の侍』は、『大脱走』のジョン・スタージェス監督によって西部劇『荒野の七人』(60)としてリメイクされ、世界中で大ヒットを記録した。
それから56年後、『荒野の七人』のリメイクとして製作されたのが『マグニフィセント・セブン』(2016)。
『七人の侍』のリーダーは勘兵衛=志村喬だったが、『荒野の七人』ではツルツル頭のクリス=ユル・ブリンナー、そして『マグニフィセント・セブン』では黒人の主人公サムをデンゼル・ワシントンが演じた。




野武士の襲撃に対抗するため侍を雇うことになった村では、利吉(土屋嘉男)以下4人の百姓たちを侍探しに送り出した。
だが、往来で土下座までして願いを伝えた浪人たちは、誰一人百姓らの言葉に耳を貸すことはなかった。
悲嘆に暮れていたその時、町のはずれで立て籠もり事件が起きる。
盗人を取り押さえ、幼子を無事救った男は歴戦の古豪・勘兵衛(志村喬)だった。
一部始終をみていた百姓たちは、必死の覚悟で勘兵衛に助けを請うのだが―。



2020年2月16日(日)、日本橋にある映画館のTOHOシネマズ日本橋で『七人の侍』を観て来ました。
この作品が上映されたスクリーンは座席数143(+車椅子2)でしたが、当日は全て満席となっていました。

今回の上映は、永遠の名作をデジタルで蘇らせる企画「午前十時の映画祭」の上映作品となっています。
今年で10年目となる「午前十時の映画祭」は、記念すべき第10回目を一区切りとして一旦終了らしいです。



数年前、本編の4Kデジタルリマスター版が映画館で上映されていると知って、ずっと気になっていました。


それから数年が経過し、偶然にも都内の映画館で上映中と知って、居ても立っても居られない気持ちでした。
2月20日(木)で上映終了の予定で、この機会を逃すと二度と映画館のスクリーンで観れない可能性があります。

週末の土曜日はリアル脱出ゲームで無理なので、相方を説得して日曜日に1人で観に行く事を人知れず決意。
相方が快諾してくれたので、金曜の夜に予約したところ、既に座席の半分くらいが埋まっていて焦りました。

そして迎えた当日の朝、寝坊してゆっくり朝食を食べる余裕はありませんでしたが、上映開始20分前に到着。


早朝10時からの上映なので、座席でのんびりとパンを食べる老人などもいて、何とも和やかな雰囲気です。
程なくして上映開始となり、夢にまで見た映画館のスクリーンで上映される『七人の侍』を堪能できました。

4Kデジタルリマスターの恩恵として、映像からノイズが消えて艶やかなモノクロ映像が鮮明に蘇っていました。
特に恩恵があったのが音声で、台詞が明瞭になり、鳥のさえずりや通行人の声さえもはっきりと聴こえます。

作品自体はモノクロ映像の作品なのに、まるでカラー映像かと錯覚する程の迫力ある演技に圧倒されます。
逆にモノクロだからこそ、細かい粗が目に付かず、余計にリアルな映像に感じられるのかも知れません。

黒澤明監督作品は時代考証がしっかりしていて、家屋から小道具に至るまでリアルで現実味を帯びています。
劇中に登場する農民達も小汚い恰好で、喋り方も独特の農民訛りがあって本物の農民と見間違える程でした。

劇中の農村で暮らす様子も、その当時に実際にタイムスリップして撮影したかのような臨場感がありますね。
村に暮らす農民達の演技があまりにも自然で、ドキュメンタリー映像を観ているような錯覚を覚える程でした。

ちなみにこの作品は、途中5分の休憩を含めて3時間半にも及ぶ作品となっており、現在でもかなりの長編です。
3時間半に及ぶ長時間の上映なのに、テンポよく物語が展開して最後まで飽きさせない、まさに不朽の名作です。

物語の導入部に始まり、侍が集まっていく過程がしっかりと描かれていて、全く無駄なカットがありません。
笑いあり、涙あり、恋愛要素ありと、黒澤明監督の一切妥協を許さない厳しい演出が垣間見える作品です。

侍と農民の身分の違いによる心の葛藤や、攻め寄せる野武士の脅威など、つい感情移入して観てしまいます。
数々の苦難を乗り越え、最後は侍と農民達が一致団結して野武士達と激突する最終決戦へと突入します。

雨の中の激戦では、侍と農民達が攻め寄せる野武士に対抗し、敵味方入り乱れての激しい乱戦となります。
この激闘で多くの犠牲者を出しますが、敵だろうが、味方だろうが、死ぬ時は一瞬で呆気なく倒れます。

主演の侍でさえ、死に際に断末魔の声を上げたり、もがき苦しみながら息を引き取るような演出はありません。
地べたに屍を晒し、ただ静かに倒れ伏す様子が、虚構ではなくリアルな現実として連想されます。

ちなみにこの合戦シーン、本来ならば夏までに撮影終了の予定だったのが、翌年2月まで延びたらしいです。
その為、降り積もる雪を溶かし、ぬかるんだ地面にして土砂降りの中での激戦として撮影されたようです。

今回の4Kデジタルリマスターされた映像をよく見ると、背後に立つ農民達の吐く息が白いのが分かります。
寒さに耐える表情が、戦闘を目前に控えて緊張しているかのように見えて、一層臨場感が増しているのです。

ちなみに、当時のハリウッドにおける西部劇の対決シーンでは、炎天下での対決が主流だったようです。
その為、豪雨の中での合戦シーンという斬新な手法に、世界中の映画関係者や映画ファンが驚いたらしいです。

こうして豪雨の中の激戦を制して迎えた衝撃のラストは、観る者に戸惑いを感じさせる結末だと思われます。
腹いっぱいご飯を食べられるだけの条件と引き換えに、自らの命を賭け死地に赴いた侍達は報われたのか?

公開当時から60年以上の月日が経ってもなお、世界中で愛される日本を代表する不朽の名作だと思います。
これだけの手本となる作品があるのに、未だにこの作品を超えられる邦画が生み出されていないのもまた事実。

万人受けする作品ではありませんが、日本人ならば騙されたと思って一度は観ても良いのではないでしょうか。









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Last updated  2020/02/17 06:21:01 PM
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