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| 著者・編者 | 安倍晋三=著 |
|---|---|
| 出版情報 | 文藝春秋 |
| 出版年月 | 2006年07月発行 |
著者は、第90 代内閣総理大臣の安部晋三さん。思えば、この人から毎年一人の総理大臣が誕生するようになった。安部さん、福田さん、麻生さん、鳩山さん、菅さん。自民党、民主党を問わず、総理大臣が1年しかもたないのはなぜか。
本書の「あとがき」に記されているが、本書は政策ではなく政治家として思っている、考えていることを綴ったという。
拉致問題、ナショナリズム、日米同盟、アジア諸国との関係、少子化問題、教育問題と、取り上げているテーマは多岐にわたり、内容も理想的だ。
しかし、処理の順序がわからない。どの項目から優先的に処理すべきか、読者に伝わってこない。
また、安部さんは「百年、千年という、日本の長い歴史のなかで育まれ、紡がれてきた伝統がなぜ守られてきたのかについて、プルーデントな認識をつねにもち続けること、それこそが保守の精神ではないか」(27 ページ)というように、自らを保守という。しかし、本書で述べられているような改革をしようというのは、はたして本当に保守なのだろうか。実際、総理大臣になってから何もできずに退場したのは、まさに身内の保守派が動かなかったからではないか。
このことは民主党内閣になってからも同じことが言える。自民党に対して改革がしやすいかといえば、そうではなかった。既得権益にしがみつくもの、新たな権益をつくろうとする者、身内からの抵抗によって改革が進まないのは民主党になっても同じことが言える。
今日、新しい内閣総理大臣になった野田さんは、「怨念を捨てて」「ノーサイド」と言っていたが、はたして可能だろうか。抵抗勢力を白日のもとにさらし、国民の協力を得て改革に邁進すべきではないだろうか。
本書でもう1つ気にかかったのは、社会保障に関する下りである。安部さんは社会保険はローリスク・ハイリターンだという。税金も投入されているから。しかし本当にそんな金融商品があるだろうか。国民年金離れが進んでいるのは、こういう疑問に答えてくれる政治家や役人がいないことや、実際に旧社会保険庁が行ってきた不正に対する不信感によるものではないだろうか。政治家が理想を語るのは十分条件である、その前に真実を伝えるという必要条件がかけている総理大臣が多いように思う。
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