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「このおもちゃが欲しい」 と言って泣いている子供は、それしか頭にない。お母さんが、 「それは、あなたにはまだ早いから、もっと大きくなってからにしなさい」 と言っても、そんなことは頭にない。ただひたすら、そのおもちゃが欲しくて、それが手に入らないことを泣きわめくだけである。 「この間、おもちゃを買ってあげたでしょ。そんなに何もかも買ってあげられませんよ。クリスマスまで待ちなさい」 と言われても、納得できない。子供は、今、そのおもちゃが欲しいのである。クリスマスまで我慢できないのだ。あなたは、そんな子供と同じになっていないだろうか。 あなたが欲しいものは、今は手に入らないかもしれない。そのとき、子供と同じように泣きわめくだけではなく、なぜ手に入らないのかを考えてみよう。 きっと、いろいろな理由があるはずだ。お金がなかったり、それだけの力がなかったり、環境が整っていなかったり、時間が早かったり、それでは、いつになればあなたの欲しいおもちゃが手に入るか、どうすれば手に入るかを考えてみよう。 「来年になれば、状況が変わってくるだろうから、それまでに英語を勉強しておこう」 「まずは人脈づくりをして、やりたいことを実行に移せる状況をつくってみよう」 などの方法を見つけることだ。子供に、 「クリスマスには買ってあげますよ」 「自分でおこづかいをためなさい」 とアドバイスするのと同じで、自分にアドバイスをしてやるのだ。 一番いいのは、代替案を考えることだ。あなたが本当に欲しいものが、今、手に入らなくても、その代わりのものはないだろうか。今、実現するのが無理なことばかり考えて挫折感を味わうより、今、実現できることをやって充実感を味わおう。 その充実感が心のこやしになって、もっと先のことを考える気力につながるだろう。そのうちにきっと、あなたの欲しかったものを手に入れられるときがやってくるに違いない。そのための努力は忘れずにすることだ。 その反対に、自分が何を欲しいのか分からないという悩みもある。 「このおもちゃが欲しい」 という子供なら、それを手に入れる方法を具体的に考えられる。しかし、「どれが欲しいの?」と聞いても、「分からない」という子供では、計画もたてられない。 しかし、現代では、こういう人間が多いのではないだろうか。 「ハングリー精神」という言葉がある。貧乏な家庭で育った少年が、「絶対、金持ちになってやる!」と努力して、成功する。何か強烈に欠けているものがあると、猛烈にそれが欲しくなる。自分が欲しいものが、はっきりする。 ところが、今は、いろいろなことに恵まれている。何かが自分に欠けているような気がしながらも、何が欠けているのかよく分からない。それが何なのか見極めようと悩んでいる人は多いのではないだろうか。 人間には、頑張る理由が必要だ。頑張る理由もないのに頑張る人はいない。しかし、おざなりにつくった理由では、やはり人間は動かない。人から与えられた目標ではそれほど頑張れない。自分の中から「どうしてもこれが欲しい」と、わきあがるものがなければ、情熱を傾け、充実することはないだろう。 情熱を傾けられる対象に、たまたま出会えた人は幸運だ。しかし、まだ出会えずに行き詰っている人も、幸運だ。なぜなら、行き詰れば行き詰るほど、自分が本当は何が欲しいのか、はっきり分かるからだ。 欲しいおもちゃがないのなら、その間、何も買ってもらわず、お金をためておこう。情熱を傾ける対象がないなら、じっくり休んで、その間、エネルギーをためておこう。そのうちに、何かに出会うはずだ。自分の中から何かがわきあがってくるはずだ。 他人が周囲でごちゃごちゃ言っても、聞かない方がいい。他人が考えてくれた目標など、あなたの役にはたたない。欲しいものがないなら、いつまで怠けていたっていい。そんな人が目を覚まして本当に欲しいものを見つけるときは、きっと誰にも手の届かない、すばらしい宝物を探し当てた時ではないだろうか。
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