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「今、落ち込んでいるんだ」 もしもあなたがこんなことを一言いったら、百ものアドバイスを聞かされることだろう。プロ野球などがいい例だ。選手がスランプに陥ると、テレビも新聞もこぞって、そのスランプの原因を探りたがる。バットの位置が悪いとか、グリップがどうのとか、私生活が悪いなど・・・。 周囲の人間は、親切心で言っている。優しい心から、あなたにアドバイスをしてくれる。もしもあなたが、せっかくの忠告を素直に聞かないと、気を悪くするかもしれない。「人の言う事は素直に聞くものだ」と説教するかもしれない。 もしかしたら、その中でひとつくらい「当たり」があるかもしれないが、しかしまあ、たいていは、スランプのときというのは何をやってもダメなのである。バットの位置を変えてもグリップを変えても、私生活を変えてみても、よくならない。何をやってもよくならないからスランプなのだ。 こんなときは、あまりジタバタしなくてもいい。黙ってジッと耐えているうちに、不調の波が去っていく。あせりは禁物だ。他人のアドバイスを聞くのは、ほどほどにしておいたほうがいいだろう。 結局、最後には、あなた自身で答えを見つけるしかない。あなただけが、自分がスランプから這い上がる方法を知っているのである。他人はいろいろ分かっていそうに見えても、そうではない。最善の知恵は、あなたの中から出てくるものなのだ。 しかし、それが出てくるまでには迷いが必要なときもある。他人の助けも必要である。あなたなりの迷い方、あなたなりのバカさかげんを発揮して、大いにジタバタするのもいいだろう。あなたが、どんなふうにジタバタしたか、不調から回復したとき、それが全て、あなたの大切なストーリーになるだろう。 本当のどん底から立ち上がった経験のある人は、今度はどん底にいる他人をサポートできる力を身につけるようだ。それは決して言葉によるアドバイスではないかもしれないが、きっと、今のあなたのような人間を支えられる人間に成長するはずだ。いや、そんな人間に成長できるような悩み方をして欲しいと思うのだ。 病気になったことを「人生の挫折」のように感じたり、自律神経失調症になっただけで、自分を「社会不適応者」と思い込む人もいる。しかし、病気というのは、体が調整に「失敗した」結果として、なるものではない。バランスを「崩した」から病気になってしまったのではない。 こう考えてみて欲しい。体のコンディションを「調整するために」病気になったのである。体の「バランスを整えるために」病気になったのである。病気は挫折ではなく、さらに前に進むための積極的な調整方法なのだ。 もちろん本当は、病気になる前に調整できるのが一番いい。ちょっと風邪をひいたらのんびりし、「疲れたな」と思ったらストレスを発散する。その程度で予防できれば一番いいだろう。しかし、社会で生きていれば、本当は休みたくても休めないときもある。 あなたが、入院するほどの病気になったのならラッキーだ。そんなチャンスでもなければ、会社を長期にわたって休むことなど滅多にできない。そのチャンスを大いに楽しんで、ゆっくり骨休めをしよう。 「私ひとり、こんなところで何をやっているのだ」と悲観的な気分になってきたときには、気分転換に、入院生活を積極的に楽しむ趣味を考えて欲しい。
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