セレンディピティ

セレンディピティ

2010/08/25
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古代、人類の興亡史は 鉄や金を巡って起きていたようです。

北方の草原の道は、騎馬遊牧民族が絹の交易をする絹の道であり

【黄金の道】でもありました。

東はモンゴルから西はドナウ川流域まで、各騎馬民族の墓からは

大量の金製品が出土しています。

その象徴的存在が紀元前7世紀ごろ、現在のウクライナを中心に

黒海北岸に一大勢力を築いたスキタイでした。

スキタイの有力者の墓から掘り出された黄金の冠には、剣や矛、

盾を持つ勇ましい戦士、衣装の文様も美しく精密に描かれています。

スキタイの黄金崇拝はユーラシア大陸各方面に伝播した形跡があります。

奈良県斑鳩町の藤ノ木古墳の黄金の冠

朝鮮半島・新羅の金冠塚の冠

アフガニスタンのティリャ・テペ遺跡の金製冠

三つの冠は樹木、鳥の飾りのモチーフが共通します。

古代、金の生産地はエジプトのナイル川に集中していました。

最古BC3900年からBC2100年までに金を生産したのは

周辺諸国が10~100トンの時、エジプトが圧倒的に多く、700トンです。

エジプトで生産された金は、数千年にわたって、エジプトに蓄積され独占されたままでした。

エジプトの金を奪うほどの政治権力をもつ民族がいなかったのです。

やがて、エジプトの金を狙う民族が現れます。 

BC671年、 北部メソポタミアを根拠にしたアッシリアはその勢いの頂点に達し

エジプトの首都、メンフィスを陥れました。しかし、エジプトはちょうどエチオピア人に征服され

混乱の極致にあった時で、アッシリア人は少数の守備隊を残してメソポタミアへ

引上げてしまいました。その際、かなりの金をエジプトから持ち帰ったに違いありません

が武器、食糧、等、遠征軍として他にも運ぶものが多かったので

それほど多くの金の量ではなかったようです。

エジプトは、アッシリア人が引上げると、すぐ叛乱を起こしました。

エサルハッドン王はエジプトの叛乱鎮圧の途中死去し

その後BC668年にアシュールバニパル王が跡を継ぎます。

主としてエチオピア系の叛乱者を鎮圧したアシュールバニパル王は

プサムティクという男をサイスに封じ、エジプトを治めさせましたが、ブサムティクは早くも

BC656年にはリディアのギュゲス王の力を借りて、アッシリア兵を追い払ってしまいました。

そしてプサムティクはエジプト第26王朝の創設者となりました。

こういう状況から見て、アッシリア人たちは、せっかくエジプトを征服したものの

エジプトの金を持ち出すひまはほとんどなかったと思われます。

エジプトは再び防備を固めました。

BC640年頃からアッシリア情勢は混乱に陥ったらしい。

その理由はすべて、スキタイ人の侵入にありました。

スキタイという遊牧民族については、彼等の王墓から発見されている

すばらしい黄金の副葬品によって世に知られています。

スキタイ人は、もともとアルタイ山脈の東側に住んでいたといいます。

BC800年頃、周の宣王は国境の外の匈奴を撃ちました。

匈奴は西へ逃れ、マサゲタエという部族を追い払い、その連鎖反応が

さらに西に住んでいたスキタイ人を故郷から追い出しました。

東から襲われたスキタイ人は、西へ逃れる以外ありませんでしたが、

そこに、キンメリア人が住んでいました。不意をつかれたキンンメリア人は、さらに西へ逃げます。

スキタイ人は、キンメリア人を追って、西あるいは西南の方角に進んでいきます。

スキタイ人に追われたキンメリア人は、アッシリアの国境近くに達し

そこにあった、後の日本王朝、ウラルトウ王国を破滅させます。BC 714年頃のことです。

アッシリアは、キンメリア人からの危険を避けるため、その背後にいたスキタイと

同盟を結びます。アッシリアとスキタイに挟み撃ちされそうになったキンメリア人は

急遽、方角を転じアナトリアへ逃れます。

そして、BC696年頃、西アナトリアで栄えていたフリージア王国を滅ぼします。

因みに、フリージアの最後の王様はミダス王。

【王様の耳はロバの耳】【手にふれるすべてのものが金になることを願った愚かな王】

などのエピソードの持主です。

フリージアは、ヒッタイト滅亡後約600年間アナトリアを支配してきました。

フリージアの滅亡によって、独立したのがリディアです。

リディア人たちは、一時キンメリア人たちに支配されていましたが

BC630年頃にはキンメリア人を滅ぼすのです。

スキタイは、さすがにアナトリアまではキンメリア人を追っていきませんでした。

代りに、スキタイ人たちは、BC640年頃、アッシリアに攻め込んだらしい。

BC625年にはスキタイ人はシリアや現在のパレスチナの地を通り越して

エジプトの国境に達しています。そこで、エジプトのプサムティク王から金を受け取って

それ以上エジプトに攻め込むことを止め、引上げました。

強大なアッシリアを中央突破してきたスキタイのこと、当時の金の保有者エジプト

としては、領土保全のため、かなりの金を払わなければならなかったと思われます。

というわけで、黒海の北の辺りのスキタイの王墓から発見される金は、この時の金で

あった可能性が高いです。

スキタイ民族は、BC700年頃からBC200年頃にかけて、今日の南ロシアに広大な

遊牧帝国を作り上げました。

結局、エジプトの金をそっくり奪うことができたのは、古代ペルシャ人だったようです。

キュロスは、BC538年、バビロンに幽閉されていたユダヤ人を解放します。

そして、BC529年にマサゲタイ族の女王と戦って、殺されますが

その直前、彼は、息子のカンビセスにエジプト征服戦の準備をさせていました。

BC525年、カンビセスは、エジプト遠征を開始します。

当時エジプトは、第26王朝が続いていました。

カンビセスは、長年にわたってエジプトを守って来たシナイ半島をあっさり通過し

ナイル・デルタのペルシュウムで、エジプト軍を破り、一挙に、首都メンフィスを陥れました。

そしてカンビセスの死後は、ダリュウス大王が継いぎました。

ダリュウスは、アケメネス家の中では、傍系であり、簒奪者だった可能性があります。

ダリュウスの継承に、ほとんど全土が叛乱を起こしましたが、ダリュウスはそれを乗り切り

ダリュウスの子孫が代々大王の位を引き継ぎました。

エジプトは、しばしば叛乱を起こしましたが、ペルシャ帝国は、百数十年にわたって

エジプトを支配したのです。ペルシャ人は、この間に金を持ち出したと思われます。

それ以後、ダリュウス大王のペルシアでは急に金が豊かになったらしい。

古代、黄金は、ほとんどエジプトに独占されていたのです。

それは、現在、博物館でツタンカーメン王の遺物を見れば、古代エジプトが

黄金の王国であったことがよく分かります。

しかし、ペルシア帝国の一部になってから以後のエジプトの歴史では、金の匂いが全く無く

その後のエジプトの衰退ぶりは甚だしいものでした。

古代ペルシア帝国が、エジプトの莫大な金を奪い、世界の貴金属のほとんどを集めていたと

考えられます。ダリウスは、法制を統一し、ペルシア人を多く登用して全土に道路樹を整備

し、それは全長2400キロに及んで【王の道】といわれ、それによって通商が拡大し、軍隊の

移動も速やかになりました。

BC331年、アケメネス朝最後の王、ダリュウス3世を撃破したアレキサンダー大王は、

スーサやペルセポリスなど、ペルシア帝国の旧都で、18万タラントンの貴金属を獲得しています。

それは5,400トンに相当するとのこと。

人類の歴史上、これだけ巨大な貴金属が一ケ所に集中していた例は他にはないそうです。

アレキサンダーの死後、ペルシアの地は、セレコウス朝、パルティア朝、ササン朝によって

支配されます。セレコウス朝はギリシア系ですが、パルティア朝とササン朝は、ペルシア系です。

このように政権は変わりましたが、莫大なる貴金属は、その後1,000年近く、基本的にはペルシア

の地を離れなかったらしい。というのは637年に、イスラム・アラブ軍が、ササン朝ペルシア帝国

の都、クテシフォンを陥落させた時、1,000立方メートルにおよぶ財宝を獲得しているからです。

もともと、古代ペルシア人の貴金属好きには定評があり、アケメネス朝以後ササン朝に至まで、

金の玉座や、金銀宝石で身を飾りたてていました。

パズィルィク古墳出土の動物像の表現法にはひとつの特殊な様式があって

これらはアケメネスペルシアの芸術によく似ているといいます。

BC5~6世紀になるとウラルトゥ王国は、匈奴に連合するものとペリシアに従属するものに

二分します。BC4~5世紀の中央アジアにペルシア風の文化が波及したことが

アムダリア流域から出土したオクサス遺宝から解かってきました。

その中には鞘の身の部分には騎射によるライオン狩りの図を打ち出したアキナケス

型の金製鉄鞘のデザインがオリエントそれもアキメネス・ペルシア風とスキタイ風文様

のみごとな融合を示しているといわれます。

これらの文化は、匈奴の一部族となって身につけたスキタイ(キンメリ)風と

ペルシアに亡命したウラルトゥ人の文化であったと考えられます。






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最終更新日  2010/08/25 04:18:07 PM


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