「ジャック・ローズ」が欧米のカクテルブックに登場するのは、現時点で確認できた限りでは、1908年に米国人のウィリアム・T・ブースビー(William T. Boothby)が著した「World Drinks and How To Mix Them」が最初です。ブースビーのレシピは、「アップルジャック2分の1、グレナディン・シロップ4分の1、レモン・ジュース1tsp(4分の1?)」というシンプルなものです。
なお、11年後の1919年、英国で出版されたハリー・マッケルホーン(Harry MacElhone)の「ABC of Mixing Cocktails」にも掲載されていますが、マッケルホーンのレシピは、「アップルジャック<またはカルバドス>3分の1、ジン6分の1、ドライ・ベルモット12分の1、スイート・ベルモット12分の1、オレンジ・ジュース6分の1、ライム<またはレモン>ジュース6分の1、グレナディン・シロップ少々」と、7種類も材料を使う複雑なものとなっています。
・「Cocktails: How To Mix Them」(ロバート・ヴァーマイヤー著、1922年刊)英 アップルジャック3分の1ジル(ジルは昔の容量単位。1ジル=約142mlなので、約50ml弱というところ)、ライム・ジュース(またはレモン・ジュース)6分の1ジル(約25ml)、ラズベリー・シロップ(またはグレナディン・シロップ)少々
・「Mr Boston Bartender’s Guide」(1935年刊)米 アップルジャック45ml、ライム・ジュース半個分、グレナディン・シロップ1tsp、
・「The Artistry Of Mixing Drinks」(フランク・マイアー著 1934年刊)仏 アップルジャック(またはカルバドス)2分の1、グレナディン・シロップ2分の1
・「The Old Waldorf-Astoria Bar Book」(A.S.クロケット著 1935年刊)米 アップルジャック3分の2、グレナディン・シロップ3分の1
・「Café Royal Cocktail Book」(W.J.ターリング著 1937年刊)英 アップルジャック(またはカルバドス)4分の3、グレナディン・シロップ4分の1 レモン・ジュース(またはライム・ジュース)半個分
・「Trader Vic’s Book of Food and Drink」(ビクター・バージェロン著 1946年刊)米 アップルジャック1オンス、グレナディン・シロップ1dash、ライム・ジュース1個分
アーネスト・ヘミングウェイは、1926年に発表した「日はまた昇る(The Sun Also Rises)」の中で、ホテルのバーで登場人物がジャック・ローズを飲むシーンを描いています(出典:Wikipedia英語版)。また、往年のハリウッド俳優、ハンフリー・ボガードがお気に入りだったカクテルとしても知られています(出典:欧米の複数の専門サイト)。