Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2025/03/20
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雑誌「TOYRO BUSINESS(トイロ ビジネス)」からの転載
連載コラム【愉しみは酒の数だけ…第5回】
    ウオッカ、脇役にも主役にも

直近の3回でジン、ラム、テキーラというバーでよく登場するホワイト・スピリッツを紹介してきた。そうなると四大スピリッツの残り、ウオッカを取り上げざるを得ない。

穀類やジャガイモなどを使って造られるウオッカは15世紀頃、ロシアで誕生したと伝わる蒸留酒。ロシアで発展し、東欧でも生産されるようになったが、皮肉なことにロシア革命(1917年)のため、グローバルな酒になった。革命の被害をおそれ、生産者の多くがフランスなどへ避難。亡命先でウオッカ蒸留所を再興させた。そして、その後北欧や米国、アジアなど幅広い地域に生産が広がった。

世界一の販売量を誇る「スミルノフ(Smirnoff)」(オーナーは現在、英国に本拠を置くディアジオ社)は、今や米国と英国、韓国の3カ国で生産されていることは意外と知られていない(写真左上=日本国内では、今では様々なウオッカが楽しめる)。

ご存知のように、ウオッカは(フレーバーを付けた商品もあるが)基本、「無味無香」の酒である。混ぜても他材料の風味を損わないので、バーでは、カクテルのべースとして使われることが多く、どちらかと言えば「脇役」的存在である。だが、ウオッカ・ベースのカクテルと言えば、モスコーミュール、ソルティドッグ、スクリュードライバー、ブラッディ・メアリーなど、有名な人気カクテルが多い。

しかし、近年のクラフトジン・ブームに歩調を合わせるように、ウオッカも最近は、高品質の材料を厳選したプレミアムクラスの商品が相次いで発売されるようになった。蒸留やろ過の回数を増やし、「よりピュア」な味わいを追求したり、新たな原材料をプラスして「差別化」したりする動きも(米国では、スパークリング・ウオッカまで商品化されている)。

日本ではどうかと言えば、従来は、大手メーカーが細々と生産していただけだったが、ジン蒸留所が次々と誕生するのに刺激されたのか、ウオッカ生産を手掛けるところも増えてきた。2023年現在、大手も含めて10数府県でウオッカが生産されている(写真右上=最近では「ウオッカ」だけをテーマにした本もある)。

「脇役」だったウオッカも、日本のバーでは最近は「主役」級の扱いを受けることもある。そのきっかけをつくったのは、大手2社が発売したプレミアム品である。2017年発売のニッカウヰスキーの「カフェ・ウオッカ」(大麦とトウモロコシが原料)と、2019年発売のサントリーの「HAKU(白)」(米100%原料)。前者はトウモロコシの香りが漂う独特の個性が、後者は米の柔らかな甘みが特徴で、海外でも高い評価を受けている。

いずれも、カクテルのベースで使うよりは、ロック・スタイルかストレートに小さい氷を浮かべて味わうと、その旨味がダイレクトに伝わってくる。個人的には、私が思いついた「HAKU」をつかったジャパニーズ・テイストのロックがお勧めである。

どんな飲み方かと言えば、2種の昆布(細切り塩昆布&角切り出汁昆布=1cm角)をグラスの底に沈め、ロックアイスを入れ、ウオッカを50mlほど注ぐ。その氷の上に市販の「旨味ビターズ」(カツオや昆布、シイタケなどがベース)を3滴落とす、最後に厚切りのカツオ節をマドラー代わりに添える=写真左上。

飲んでいるうちに昆布やカツオからさらに出汁が出てきて、味わいはだんだん濃厚に。まさに、「これぞ和の趣き!」という極上の味わいに変身する。騙されたと思って、ぜひお試しあれ!








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うらんかんろ

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Comments

kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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