ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 17, 2008
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 来週末、オケの本番でバッハのミサを弾くことになっている。合唱団と共演するのはなかなか面白い。

 合唱団って、何十ものパートが入り乱れてるオーケストラとは異なり、基本的には混声四部SATBの四パートのみ。第九やメサイアなどで、これまでも日本やヨーロッパ、アメリカでいろんな合唱団を見てきたけど、オケ同様、合唱団にもパートごとに共通の特徴があるようだ。

 極言を恐れずに一般論と称して書き出してみると、例えば……、

* ソプラノは金髪。化粧が派手。ショールとかの羽織りものを好んでご着用。
* アルトは我が道を進むタイプ。東欧とかの出身で、翳りのあるオンナ。
* テノールはやせてる。いつもご機嫌でノリがいい(軽い)。そばかすに眼鏡。
* バスは黒髪、あごヒゲ。南欧か南米出身。いつもタートルネック。

 以下も筆者の独断と偏見につき。

 合唱の人って団結力がある。気がつくと一緒に体操したり発声練習してる。

 指揮者の指示にもきちんと頷いて反応するだけでなく、「はいっ、わかりましたぁ、マエストロ!」だの、律儀に声に出して反応するのも合唱隊。我々オケも見習わないと。

 指揮者の くだらない冗談 にもいちいちケタケタ笑ってあげるのもたいてい合唱の人。偉すぎ。人間ができてる。
 オケの人でちゃんと笑ってるのは、金管とコントラバスの一部ぐらい? あと指揮者の至近距離にいる弦の1プルトの人も強制的に笑わされてる。

 考えすぎかもしれないけれど、声楽をやる人って、宗教曲は絶対に避けて通れないぶん、自ずと 神の加護 とか 人類愛 とかに包まれた優しい人間になってしまうのであろう。

 合唱団員は練習後も社交的。指揮者に差し入れしたり、オケの人に「お疲れさまでした」と温かく声をかけまくる。
 一方、オケメンたちは練習が終わったら即退散。楽器をひょいっと背負って夜のしじまへと消え去ってゆく。

*****

 何年か前にアメリカの片田舎で、チャイコの「1812年」序曲を合唱付きという珍しい版で演奏したことがあった。しかもご丁寧に児童合唱まであって。



 そーいえば日本でも、なんとか少年少女合唱団だったかN児だったかは、徹底的に礼儀作法から鍛えられるみたいで、共演する国内外の団体から高い評価を得ているらしい。恐るべしお子ちゃまたち。

 結論。あらゆる分野のあらゆる音楽家のなかで、最も行儀がいいのは児童合唱の子たちである。





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最終更新日  Jan 18, 2008 09:26:53 AM
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