ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Feb 9, 2008
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 楽器を演奏する人には何通りかのタイプがあるように思う。

 例えば、「一ヵ月後に○○作曲の××という曲(オケや室内楽)をみんなで練習しよう」と仲間うちで決め、パート譜を配布しておくとする。
 で、いざ一ヵ月後に集合して明らかになる。各人がこのひと月どのような準備をしてきたかが。

 大きく分けて三つ。

1.CDなどの音源やスコアを入手し、曲の全体像を把握してくる人
2.音源やスコアは入手しないまでも、自分のパートだけは一応さらってくる人
3.なんにも準備してこず、ぶっつけで(初見で)練習に臨む人

 自力で譜読みできない人は耳で覚えるほかない。CDを買わないと。
 譜読みが得意でも、主旋律の第1バイオリンとかでないかぎり、パート譜だけではなにがなんだかわからない。スコアを買わないと。



 で、みんなで練習した後に、「あー、楽しかった。いやー、隠れた名曲だね!」とか笑顔でのたまうのは、たいてい初見で弾いた人。ご満悦状態でお帰りになる。
 彼らって、別に忙しくてさらってこないんじゃなくて、初見という行為に一種の興奮や快感を覚えているのだ。ここぞというときに威力を発揮する人種で、人も羨む天才肌。 血はAB型 であることが多い。別に統計はとってないけど。

 なんか不公平だと思う。
 僕はというと基本的にはCD/スコア購入派。金や労力を費やしてせっせと準備してきたのに、肝心なところで間違ってプチ恥をかいたり、プロの演奏を聴きこみすぎてしまい、理想と現実の差に悶々と悩んだり。
 知らぬが仏?

 最近は僕も作戦変更してる。練習する曲目やパートによっては、わざわざその曲のCDやスコアを買うのを省略。
 あと、正直言って、 誰と一緒に弾くか というのも大切な要素。この人と弾くんだったらやっぱりマジメにさらっていかなきゃ、とか。

 いずれにせよ、毎回練習会場でいろんな人間模様を垣間見られるのは楽しい。
 間接的に処世術を学んだりもする。例えば、曲も聴いてこず、読譜力もない人は全く立場がないはず。なのに、そんな人が見事な言い訳を披露したり、機転のきいたひと言で華麗に責任逃れをしてるのを見ると、話術も大切なんだなぁーと感心してしまう次第。






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最終更新日  Feb 9, 2008 10:11:58 PM
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